いよいよ間近に控える3月3日のひな祭り。ひな祭りといえばおひな様や桃の花、ひし餅に加えて「ひなあられ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
実際、この時期にスーパーや百貨店などを訪れると、かわいらしいひなあられが数多く取りそろえられており、思わず手に取りたくなってしまいますね。
そんなひなあられですが、実は地域によって形や味わいなどが全く異なるのをご存知ですか?
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食べ比べ!関西・関東・名古屋のひなあられ
関西でよく見かけるのは丸い小さな粒状で、しょっぱいあられと甘いあられが混ざっているのが特徴です。約5種類ほどがあり、一度でたくさんの味が楽しめるのがうれしいですよね。
一方関東では、ポン菓子状の甘いひなあられが主流なのだそう。ひな祭りらしく、白やピンクなどの淡い色合いに、やさしい砂糖の甘さが口いっぱいに広がります。
そして名古屋では、なんと細長いひなあられが親しまれてきたそうです。食べてみると、お米の甘みがしっかりと感じられるシンプルな味わいが特徴。関西や関東のものと比べてみても、かなりシンプルですが、飽きずにずっと食べられるやさしい甘さが後を引きます。
なぜ!?関西はしょっぱいものと甘いものが混ざっている秘密
3つの地域のひなあられを食べ比べてみると、関西は味が濃く、またしょっぱいものと甘いものが混ざっていて、個性的に感じました。
なぜ関西ではこのようなひなあられが生まれたのか、老舗米菓メーカー「とよす」(本社:大阪府池田市)の広報担当者に尋ねてみると、「室町時代の末期頃、宮中でひな祭りの際に伝統的に食べられていたのは“引千切(ひちぎり)”というお菓子でした。とよすの『ひなあられ』は、京都の和菓子“引千切”のような、ひな壇に飾る美しいお菓子をつくりたいという思いで、厄除けの5色の色で作ったら、ひな祭り本来の趣旨にかなうあられになると考えました」とのこと。
この厄除けの5色は中国の自然哲学「五行説(ごぎょうせつ)」または「五行思想」に由来し、万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素からなるという自然哲学の思想のこと。「木は青(青のり)、火は赤(エビ)、土は黄(砂糖)、金は白(サラダ)、水は黒(しょうゆ)となり、魔除け・厄除けの意味を持っています。」(広報担当者)
そして、1965年頃には「子どもたちにもっと喜んでほしい」という思いから、あられにチョコレートをかけたものが加えられ、現在のスタイルになったのだそうです。
このように地域によって違いはありますが、どれも子どもたちの健やかな成長を願って受け継がれてきた大切な日本文化。今年も家族や大切な人と一緒にひなあられを楽しんでください。
取材・文:野村真帆
関西に特化した編集・ライター。プライベートでは小学生と犬2匹の母。美味しい食べ物と車の運転が好き
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