『2025年大阪・関西万博』(主催:2025年日本国際博覧会協会)において、複数の国や地域が共同で出展する合同型パビリオン「コモンズ館」。そんななか、タイプBにも負けない内容で入場待ちの列が絶えないのが、「コモンズD」に出展するパキスタンです。
いわゆる多国籍パビリオンといった趣で、さまざまな国の文化が一度に楽しめる「コモンズ館」(スタンプもいっぱい貯まる!)。独自で建設するパビリオン(タイプA)と違って、「コモンズ館」は展示スペースは限られるため、どの国も自分たちの伝統文化や芸術、最新技術や未来の社会など、なにを推すべきかは検討に検討を重ねたに違いありません。
8億年前、先カンブリア時代に形成されたソルトレンジという巨大な岩塩層から採れる天然の岩塩で、さまざまなミネラル成分を含有するためローズピンクにキラキラと輝いています。日本でおなじみの「ヒマラヤ岩塩」は、その多くはパキスタン産のものです。
その幻想的で独創的なパビリオンは、まるで鉱石のようなピンク岩塩がオブジェのように積み重ねられて展示されています。ミネラル成分が多いほど色鮮やかになると言います。結晶化しているため非常に固く、床に敷き詰められているのもすべてピンク岩塩。その量、なんと12トン! 一点突破の「塩対応」で、来場者に強烈なインパクトを残してくれます。
また、東ヨーロッパに古くから伝わり、今では世界中に広がっているピンク岩塩のトリートメント「ハロセラピー (岩塩療法)」が体験できるコーナー「ヒーリングカーテン」も人気です。塩板に腰を掛けると、壁に埋め込まれた円筒から、霧状の塩の微粒子が噴霧されやさしく身体を包んでくれます。通路を挟んだ箇所には、美しい青とターコイズブルーの陶器をはじめ、鉱物のアクセサリーや石の彫り物などの工芸品の展示コーナーも設置されています。
この取材日(6月23日)には、パキスタンの人気料理「ビリヤニ」の試食会が野外会場で実施。あいにくの天気にも関わらず、500人以上が詰めかける盛況ぶりで、パキスタンパビリオンの担当者、アディル・ムフタールさんは「パビリオンテーマのピンク岩塩や天然のスパイスでバスマティライスを味付けした、日本でいう炊き込みご飯のような料理です。食を通じて、両国の距離が近くなることを期待します」とコメント。
そして、「食はすべてをつなぐもの。パキスタンの料理をきっかけに、すべてを知ってほしいです。大阪市内にも5軒ほど、パキスタン料理が楽しめる店がありますよ」と笑顔で語ってくれました(6月26日はビリヤニ、マンゴー、デーツの試食会が予定、参加無料)。そのひとつで、本町に本店を構える「大阪ハラルムガル」は現在、EXPO2025店として万博に出店(本店は休業中)。来日したカーン商業大臣の食事会でも提供され、大臣にも好評だったとか。こちらも合わせてチェックしてみて。
「パキスタンパビリオン」公式サイト
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