食べてみよか

技術じゃない感動、大阪・関西万博ハンガリー館の歌声&美食

2025.04.29

技術じゃない感動、大阪・関西万博ハンガリー館の歌声&美食
ハンガリーと聞けばみなさんは何を思い浮かべますか?
ドナウ川、作曲家のフランツ・リスト、フォアグラ、陶器のヘレンドなどなど。
でも旅したことはないし、これは今開催中の大阪・関西万博のハンガリー館に行くしかない!
ということで取材してきました。

ハンガリー館(大阪・関西万博)
2025年4月

ハンガリーの森で出会った妖精

HPを見ると「没入型体験 ひとつの世界、ひとつの心」とあります。「あ、またデジタル映像か…」と思った方にこそ行ってほしいハンガリーのパビリオン。建物はハンガリーの神秘的な森を散策しているようなランドスケープをテーマにデザインされ、ハンガリーを深く理解できる体験型施設となっています。
予約は不要ですが、一度に中に入れる人数に限りがあるため少し並びます。それでも並んでも行く価値あり!

中に通されると先に目に留まるのが大きなガラスのアート。暗い通路に照明で浮かび上がる精巧なクリスタルアートはため息が出るくらい美しい。もうそこからやや没入感があります。
次に「足元にお気を付けください」と片言の日本語で促されて真っ暗闇の部屋に入ると何かにつまずきます。低い椅子でした。
目が慣れてくると円形に低い椅子が並べられていて、一緒に入ったグループがみな好きなところに座っている様子がわかります。
しばらくすると輪の中心にスポットライトが当たり、まっ白の民族衣装を着た歌手が歌い始めます。
ハンガリー民謡「avaszi szél vizet áraszt(春の風が水を氾濫させる)」。とても単純な音階の繰り返しですが心地よい歌です。
ぼんやり聞いていると夜空の星が光を放つがごとく天井から無数のレーザーの光が歌手に降り注ぎ、その幻想的な空間に感動。
ハンガリー語はわからないけれど繰り返される小節は牧歌的で、最後のほうではお人形のような歌手に「一緒に歌いましょう」と促されます。ショーが終わった後でもその音楽は耳に残り、だれもが知らず知らずのうちに口ずさんでいました。これが没入型体験だったのですね!まるでハンガリーの深い森の中で妖精に出会ったかのような気分です。

お土産もいっぱい!「カワイイ」ものばかり

深い森から出ると、そこは「かわいい!」の世界が待っていました。
みんな大好きお土産物売り場。「黒ひげ危機一髪」をほうふつとさせるミシュカとマシュカはハンガリーパビリオンのキャラクターです。彼らをモチーフにしたグッズやカタカナで縦に書かれた「ハンガリー」という文字に萌えます。
はちみつやエルダーフラワーシロップも確かにハンガリー産が人気ですね。
そしてなぜかルービックキューブの山…。ここで初めて、ルービックキューブの生みの親であるエルノー・ルービック氏がハンガリー出身だったことを知ることに。なるほど~。

スターシェフが作るスタイリッシュなハンガリー料理

そして最後のお楽しみ、ハンガリー館のレストラン「ミシュカ キッチン&バー」へ。
レストランは12時オープン。なんと現地のスターシェフが来日し、腕を振るっているそうです。提供されるお料理は伝統的なハンガリー料理をベースとし、それを現代風にアレンジしたビストロスタイル。

メニューは置いていなくて、ハンガリーの伝統的な人型の水差しの底にQRコードが貼ってあり、それを読み込んでオーダーするシステムです。ちなみにパビリオンキャラクターの「ミシュカ&ムシュカ」はこの水差しに着想を得たそうです。

いただいたグヤーシュ・スープ(2,280円)はパプリカと牛肉を煮込んだスープ料理。火が通ったパプリカは甘みがあってホッとする味ですね。ショーレット(2,880円)はクレープの皮に包まれた鴨肉に白いんげん豆、大麦、野菜を煮込んだものが添えらえていて、コロッケに見える丸い揚げ物は、ナイフを入れた瞬間、中からトロっと黄身が出てきてびっくり。実は卵黄を揚げたものでした。
その他、子羊(ラム)肉を低温で調理し、型に詰めたラム・テリーヌや、じっくり煮込んだ牛ほほ肉のヴァダッシュなど、前菜からスープ、メイン、デザートと各種単品でオーダーが可能です。

そしてお食事といっしょに試してみたいのがハンガリーワイン。ワイン好きの中ではハンガリーといえばトカイ地方で作られる貴腐ワインという甘いワインが有名ですが、辛口タイプのワインもそろっています。
通路と席のしきりにミシュカ&ムシュカが使われているのがなんとも映えます。テラス席もありますし、カウンター席もあるのでおひとりさまでも気軽にハンガリー料理にチャレンジできるのがいいところですね。今度はデザートと貴腐ワインのペアリングを楽しんでみたいです。
ショーの案内も、物販の案内もレストランのホール担当も多くがハンガリーの方々。みんなフレンドリーで親切で、とってもハンガリーのことが好きになりました。万博ってちょっとした旅行みたいで楽しいかも。

ハンガリーパビリオン公式
miyoka
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