聞いてみよか

「音楽と映像を掛け合わせると感動が生まれる」 ショートドラマ『カコトミライト』シカキム(音楽)インタビュー

2023.09.17

「音楽と映像を掛け合わせると感動が生まれる」 ショートドラマ『カコトミライト』シカキム(音楽)インタビュー
9月18日(月・祝)敬老の日に『カコトミライト』というショートドラマが放送されます。このドラマは60秒ずつ、5話からなる連続ドラマで、『めざましテレビ』、『よ~いドン!』、『ぽかぽか』、『絶対零度(再)』、『ネプリーグ』の各番組のCM枠で1話ずつ放送。この日一日で完結します。
出演は目黒祐樹さん、丘みつ子さん、白石康介さんで、ひょんなことから自分と同世代の老人の姿になった孫と祖母が一緒に過ごす一日を描いたショートドラマです。
音楽は、大阪発エンタメジャズバンド「Calmera(カルメラ)」(※現在活動休止中)から派生した、クラリネットとピアノのデュオ「シカキム」(CL:辻本美博/Pf:PAKshin)が担当。この企画のためにオリジナル曲を制作し、ドラマを彩ります。
プロデュースしたカンテレ・東京メディアビジネス部の加藤圭悟と谷口文乃が「決してストーリーの邪魔をしないのに、なんだか耳に残る、もっと聞いていたいような不思議な優しい音楽が、今回のドラマにぴったりだと思いました。音楽がまだついていないものを編集中に何度か見ていましたが、その後、音楽がついたものを初めて見た時、「ここまで変わるか!」と驚きました。一気に世界観が構築され、クオリティを向上させてくれる音楽に感激しています」と話す、このドラマの音楽はどのようにして生まれたのでしょうか。
1話60秒、全話で300秒と短いドラマの劇伴音楽を担当した、シカキムのお二人に話を伺いました。
-どのようなイメージで音楽を制作、演奏されたのでしょうか?
(辻本美博) 今回、シカキムとして初めて映像作品の音楽を担当させていただいたわけですが、本作の作曲・編曲は全編PAKshinが担当してくれています。ですので、映像・作品に対するイメージはPAKshinがしっかり楽曲に込めてくれているとわかっていたので、わたくし辻󠄀本は、”演奏者” として、それを最大限引き出し、表現するべく、吉俣良さん作品はじめ、これまでの劇伴レコーディングで培ってきた経験を総動員して演奏しました。

(PAKshin) 今回の作品は、ハートフルなホームドラマと一括りにするには難しい、様々な要素が散りばめられた作品になっています。60秒という本編の尺の中では劇伴も短くなるので、全体的に温かさを感じつつも、限られた時間の中でシーンや登場人物の各話ごとの心情に寄り添えるように、ゆるやかな変化を意識して制作しました。


-各話60秒という短いドラマの劇伴音楽を作るにあたり、何を意識して制作し、どういうところに注力されたのでしょうか?楽しかったこと、苦労されたことなどお聞かせください。
(PAKshin) 通常、劇伴音楽は何曲もあり、その時々にあった音楽の使われ方がされますが、今回は60秒ということで、ほぼメインテーマの1曲勝負だなと思いました。この1曲の中で、このドラマのストーリーを全体的に表現しながらも各話各シーンにもピッタリとハマれるように作ることを前提に考えました。
クラリネットの柔らかく感情的な音が印象的になるよう、曲の出だしはクラリネットから、そして、軽快さがありつつも温かさがしっかりと表現できることを意識して制作しました。 曲数、秒数に大きな制限があることになかなか苦労しましたが、その制限の中で、どれだけ映像に寄り添えるかを考えることは感じた苦労以上に楽しかったです。

-全編通して300秒という非常に短いドラマですが、その中で音楽が果たす役割とはどんなところにあると考えられますか?
(辻本美博) 様々なシーンで様々な力を発揮する、”音楽” ですが、その中でも映像音楽は、映像と掛け合わせることで見る人の感情をより大きく動かす力があると感じています。なのでドラマの長短に関わらず、今回もその力を大いに発揮して、作品が届けようとしている内容・メッセージをより色濃く伝える役割を担えていたら本望です。

(PAKshin) 映像音楽は、その作品を視聴者に、より印象付ける役割を持っています。 60秒という短い時間では音楽が無くても成立することは出来るかもしれませんが、短い時間だからこそ、全編を通して楽曲がアイコンのような位置付けになり、作品を印象付ける役割がより大きく働いているように思います。 見ている方にも同じように感じていただけたらうれしいです。

(左)辻本美博  (右)PAKshin

シカキム
大阪発エンタメジャズバンド「Calmera(カルメラ)」(現在活動休止中)のメンバーである、引く手数多のクラリネット&サックス奏者 辻本美博(セッションバンド「POLYPLUS」リーダー)と、数々の劇伴やアーティスト作品を担当し、作曲・編曲家として活躍中のピアニスト PAKshinによるデュオユニット。

番組情報

『カコトミライト』
【放送日時】
9月18日(月・祝)
次の各番組のCM枠にて1話ずつ放送(関西ローカル)
『めざましテレビ』(午前7時20分ごろ)
『よ~いドン!』(午前11時10分ごろ)
『ぽかぽか』(午後12時50分ごろ)
『絶対零度(再)』(午後3時50分ごろ)
『ネプリーグ』(午後7時20分ごろ)

【300秒フルバージョンの放送・配信日時】
9月17日(日)深夜1時29分から(関西ローカル・番組編成の都合により変更の場合あり)
9月18日(月・祝)午前6時からTVerで配信

【あらすじ】
幸歳(白石康介)は新卒で入った会社を退社し、現在就活中の23歳。そんな幸歳の元に母から電話がかかってくる。祖母である明日香(丘みつ子)が遊びにやってくることを聞いてしぶしぶ了承する幸歳であったが、翌朝、幸歳の身体に異変が起きていた…。
miyoka
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