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夏のエアコン、設定で「電気代」も「快適度」も変わる!?

2025.06.27

夏のエアコン、設定で「電気代」も「快適度」も変わる!?
少しの時間の外出なら、エアコンは切らないほうがいいらしい…そんな情報をこの時期は目にすることも多くなりますが、エアコンの使い方の「ホント」とは?

梅雨をすっ飛ばして夏日が続き、一日中エアコンを使用している人も多いのではないでしょうか。
そうなると気になるのは電気代です。できるだけ効率よくエアコンを使用するにはどのようなことに気をつけたらいいのか。さらに、「自動」と「冷房」と「除湿」をどう使いわければいいのかなど、エアコンのさまざまな疑問をダイキン工業株式会社の体験型ショールーム『フーハ大阪』(大阪市北区)で教えてもらいました。

何分の外出なら、エアコンはつけっぱなしの方がいい?

運転を開始した直後が一番電気を使います

運転を開始した直後が一番電気を使います

エアコンは、外気温と設定室内温度に差があるほどがんばって動くので、運転を開始してすぐの消費電力が大きくなります。そのあと設定温度に近づくと、消費電力が少なくなって安定してきます。そのため外気温と設定温度の差がどのくらいかで、何分の外出ならつけっぱなしの方が電気代が節約できるかの結果は変わってきます。

ダイキンの一定の条件下での実験では、日中(9時から18時)なら、外出が30分間であればエアコンはつけっぱなしにする方が消費電力量は少ないという結果に。

一方、夜間(18時〜23時)は、日が落ちて外気温が低くなるので、家の外と内の気温差も少なく、電源をON/OFFしても消費電力量は少なくなります。ただし、熱帯夜などの場合は寝ている間に熱中症リスクが高くなるので、つけっぱなしをおすすめしたいところです。

帰宅後、設定温度を低くして一気に冷やすは正解?

設定温度は極端に下げず、希望の温度に設定しましょう

設定温度は極端に下げず、希望の温度に設定しましょう

もわっとした暑い部屋に帰ったら、早く冷やそうと思って20度などの設定温度に変更していませんか。エアコンは、27度設定でも20度設定でも、最初は暑い部屋を冷やそうとほぼフル回転で稼働します。冷やしすぎを防ぐため、また節電のためにも、初めから希望の温度設定にしておくほうが良いそうです。
外出から戻ったらまずは換気が効果大

外出から戻ったらまずは換気が効果大

さらに大きなポイントとして、エアコンをつける前に、まず対角の2箇所の窓を開ける換気がおすすめ。熱気を部屋の外に逃してからエアコンをかけると効率が良くなり、電気を節約できます。

設定温度を下げるより、体に風をあてて体感温度を下げる

節電には「風量自動」がおすすめ

節電には「風量自動」がおすすめ

同じ室温でも、風にあたっているほうが涼しく感じます。そのため、設定温度を下げるよりも、エアコンの風量を強にしたり、扇風機を併用する方が節約になります。ちなみに、エアコン風量を強にした際の消費電力は、設定温度を下げる時の消費電力と比べると比較にならないくらいわずかだそうです。

また、エアコンの風量は自動設定にしておくと安心です。自動にしておけば、最初に部屋が冷えるまでは強風で、設定温度まで下がれば弱風にするというようにエアコンが風量を自動で変更してくれます。

サーキュレーター(扇風機)を活用する

扇風機を活用すれば効率よく室温を下げられる

扇風機を活用すれば効率よく室温を下げられる

部屋全体を冷やしたいなら、サーキュレーターを活用すると室温設定を下げるよりも電気代が少なくなります。もしも冷やしたい場所があるなら、エアコンの風を背にして、冷やしたい方向に向けるとGOOD。
またエアコンそのものの風の向きは、水平にするのが効率的。暖かい空気は上に、冷気は下にたまりやすいので、水平に風を出せば、天井面側の空気を循環させて温度ムラができにくくなり、無駄な電気を使わずに済みます。
冷房のエアコンの風は、水平に出すと効率的

冷房のエアコンの風は、水平に出すと効率的

私たちができるお手入れは、フィルター掃除

2週間に1度を目安に、フィルターの汚れをチェック

2週間に1度を目安に、フィルターの汚れをチェック

そしてエアコンの効率を良くするために忘れてはいけないのは、フィルター掃除です。1年間掃除をしないでいると約25%余計に電気代がかかってしまうとか! それは避けたいですね。

ダイキンでは2週間に1度の掃除を目安としていますが、部屋によってもホコリのつき方は異なるので、カバーを開けてフィルターが汚れていなければ掃除をしなくてもOKです。

フィルター掃除は、フィルターを取り出して、まず掃除機でホコリなどのゴミを吸います。取れない汚れがあれば、ぬるま湯に中性洗剤を溶かしてスポンジなどで優しく洗ってください。そして陰干ししてよく乾かしてから、エアコンに戻します(完全に乾いていないと、カビの原因になります)。

フィルターを外してみて、奥にあるアルミの細い格子のような熱交換器が汚れているのが見えたら、掃除用のスプレーなどは使用せずに掃除業者さんなどプロに相談した方が安心です。
基本のお手入れは掃除機で汚れを吸うだけ

基本のお手入れは掃除機で汚れを吸うだけ

室外機周りもチェックして

室内だけでなく、室外機周りもエアコンの効率に影響します。室外機は、室内の熱を放出する場所。効率よく放熱できるように、室外機の前に植木鉢を置いたり、室外機カバーで覆ってしまったりしないようにしましょう。

さらに、可能ならよしずなどを使って室外機に日陰をつくると節電につながります。
室外機の前をふさぐと効率が悪くなる

室外機の前をふさぐと効率が悪くなる

「自動」「冷房」「除湿」はどう使い分ける?

AIが学習してその人好みの温度にするエアコン機種も

AIが学習してその人好みの温度にするエアコン機種も

夏は「冷房」にしているという人や、電気代が安そうと思って「除湿」にしている人もいるかもしれませんが、ダイキンとしては迷ったときはまずは「自動」がおすすめとしています。
「自動」は、屋外と室内温度から、人間が快適に感じるであろう運転モードと温度が設定されます。電源を入れてからある程度室温が安定したら、上下ボタンで好みの室温に近くなるように調整して快適な状態に近づけましょう。一方、こまめに設定温度を変えたい人は「冷房」が向いています。

除湿の方式は機種によって異なるのですが、室温をあまり下げずに除湿したい場合に向いています。湿度を下げるだけでも涼しく感じられますが、除湿ではできるだけ温度が下がらないように運転するので、暑くて室温を下げたい場合は冷房にします。冷房にしてもある程度除湿されます。
室内機の断面。室外機とパイプの中のガスを通じて熱をやりとりしています

室内機の断面。室外機とパイプの中のガスを通じて熱をやりとりしています

エアコンによっても機能や設定が異なるというので、取材を終えて帰ってから、直感で使っていたエアコンの説明書をあらためて見てみました。すると、最初に必要なエアコンの据付位置設定(部屋に対して壁の左側に設置しているなどを設定する)さえもしていなかったことが判明。風量自動でも人感センサーで人がいる場所を検知して風を向けるモードがあるとか、ワンタッチ操作で室内・屋外温度に応じた自動運転をおこなう「快適自動」ボタンがあったことに初めて気がつきました。もしかしたら説明書を読むことも節電につながるかもしれませんね。

協力:ダイキン工業 https://www.daikin.co.jp
取材・文:太田浩子
「美味しい」&「楽しい」関西の魅力をご案内。プライベートでは和菓子にハマっています。
miyoka
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