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音月桂、YOUと撮影現場でBTS話 “推し活”で幸せを実感

2024.11.18

音月桂、YOUと撮影現場でBTS話 “推し活”で幸せを実感
趣里さん主演の月10ドラマ『モンスター』(毎週月曜午後10時)で、パラリーガルとして大草圭子法律事務所で働く村尾由紀子(むらお・ゆきこ)を演じる音月桂さんにインタビューしました。音月さんは、元宝塚歌劇団の雪組男役トップスターとして脚光を浴び、2012年の退団後は俳優として舞台やドラマなど幅広い分野で活躍されています。

演じるうえで感じていることや共演者とのエピソード、音月さんが最近ハマっていることなど、たっぷりと語っていただきました。

村尾由紀子(音月桂)【5話】

Q. 音月さんが演じる村尾由紀子はパラリーガルであると同時に、同じ事務所で働く村尾洋輔(むらお・ようすけ)の妻であり、小学生の一人息子を持つ母という、作中でいろいろな顔を見せる役どころでもあります。演じるうえで、何か心がけていることはありますか?

このお仕事のお話をいただいたときに、まず“パラリーガル”という職種がどういうものなのかを調べました。耳にしたことはあったものの、実際にどんな仕事をしている方々なのかは馴染みがなく、詳しく調べていくなかで理解を深めていったんです。

ドラマを観てくださる方の中には、きっと私のようにパラリーガルについてあまり知らない方も多いのではないかと思います。法律関係の職業なので難しいイメージを抱く方もいるかもしれませんが、洋輔や由紀子は夫婦ということもあり、家庭的で和やかなムードを作り出せる存在でもあるんです。シリアスな作中にもアットホームな雰囲気を差し込めるキャラクターだと思うので、ちょっとした親しみやすさを演出していけるように心がけています。

村尾由紀子(音月桂)、杉浦義弘(ジェシー)【6話】

Q. 役作りのために取り組んだことなどはありましたか?

意識的に取り組んだことはあまりないかもしれません。リーガルドラマ特有の緊張感を、程よくほぐせる存在でいたい思いもあるので、肩の力を抜いてリラックスした状態で演じられるようにはしているかも。

現場では、村尾さん(宇野祥平)がたくさん話しかけて下さるんです。今回初めて共演させて頂いたのですがずっと前からお知り合いだったんじゃないかと思うくらい、すぐ打ち解けることができました。村尾さんの性格の方が穏やかで、由紀子の方がパワーバランスが強めという夫婦関係なのですが、そういった関係性も自然と作り上げられたように思います。

舞台では稽古期間も含め、共演者の方と1か月以上ご一緒するので、比較的関係性が築きやすいです。対してドラマでは長い時間を一緒に過ごすわけではないので、お話する機会をたくさん作ってくださる宇野さんに、いつも支えていただいています。

村尾洋輔(宇野祥平)、村尾由紀子(音月桂)【5話】

Q. 普段から、宇野さんのことを役名で“村尾さん”と呼んでいらっしゃるんですか?

確かに!役名でお呼びするくらい、宇野さんとのコミュニケーションは役に入り込んでいるのかもしれません。撮影中も、監督さんのアイデアで夫婦ならではの会話をアドリブで入れさせていただいたこともあって、自然体で演じやすいですね。

洋輔と由紀子の間には小学生の息子がいる設定なのですが、宇野さんが「子どもの名前、何がいいと思う?」と聞いてくださったのをきっかけに、名付けの本を読んだり、漢字の画数を調べたりして名前を提案させていただきました。物語上の設定であっても、実際に名前をつけてみるとリアルさが増して、上辺だけでない関係性を築けるようになるので、それが演技にも表れていたらうれしいですね。

村尾洋輔(宇野祥平)、村尾由紀子(音月桂)【4話】

Q. 音月さんといえば、やはり“宝塚”。ドラマのほか、長きにわたって舞台でも活躍されていますが、お芝居をされる際にドラマと舞台で意識的に変えている点はありますか?

演じる役に向き合う過程や演技のアウトプットの仕方などは、あまり変えていないかもしれません。「役を演じる」という意識はあまり持たず、「その役のままに呼吸し生きる」といった感覚で、舞台もドラマも全力を注いでいます。

ただ、お芝居中の意識の向け先には、少しだけ違いがあるのかも。舞台の場合は、目の前のお客さんに向けて自分からエネルギーを発している感覚なんです。でもドラマや映像作品では、共演者の方々とその場で空気感を作り上げたり、スタッフさんからのアドバイスを自分の中で消化して演技に生み変えたり……。舞台はエネルギッシュな持久力が必要で、映像作品では周囲をよく見る柔軟性や繊細さが試される、そんな感じです。

これまで舞台中心に活動してきたこともあって、現場では今までに使ったことのない演技の筋肉を使っているような難しさがあります。だからこそもっとたくさん経験したいし、まだまだ勉強中なんです。

Q. 舞台とは異なる演技の仕方を、現在進行形で吸収されているのですね。

そうですね。自分の出番がないときも、モニターを見て他の皆さんの演技を学ばせてもらっています。特に主演の趣里ちゃんは、普段はふわっとしていて柔らかな雰囲気なのに、撮影に入るとすぐにスイッチが入ってものすごい集中力を発揮するので、そういった切り替えの仕方なども勉強させてもらっていますね。

年齢を重ねていくと、何かを教えてもらう機会が減っていくので、自分で学んでいかないといけないと思っていて。年上・年下関係なく、俳優さん一人ひとりに素敵な個性があるので、たくさん吸収していきたいと思っています。

Q. 大切なお仕事や特別な日に行う、音月さんならではの願掛け的な習慣があれば、ぜひ教えてください。

靴やズボンなど、履物類は必ず左足から、という自分だけのルールがあるんです(笑)。宝塚時代に気づいたら定着していた習慣で、なんでそうするようになったのかも覚えていないんですが……。舞台衣装の早替えでも「左から準備をお願いします」とスタッフさんに必ず頼みますし、間違って右足から履いてしまったら、もう一度脱いで履き直すくらい、これだけはなぜか徹底しています。

左足からスタートできたら、その日は気持ちよくパフォーマンスできそうな気がするし、なんだか背筋が伸びるんです。『モンスター』の現場でも、いつも左足から衣装を履いて気持ちをシャキッとさせています。

Q. お守り的な習慣が1つあると、安心につながりそうですね。最後に、音月さんが最近ハマっていることについて教えてください。

実は最近、“推し活”にハマっているんです。大好きなBTSさんのダンス動画を視聴して元気をもらったり、推し活仲間と語り合ったりする時間がすごく楽しくて!今回共演するYOUさんもBTSが大好きだそうで、控え室でも推しトークで盛り上がっています(笑)。

私自身、若い頃から舞台に立つお仕事を続けていますが、自身のパフォーマンスでたくさんの人に喜びを与えている方々には本当に尊敬の思いでいっぱいなんです。同時に、長年応援してくださっているファンの皆さんの気持ちがわかるようになって、ますます感謝の思いが強くなりました。「推しのいる生活って、こんなに幸せなんだ」って……!

たまにInstagramでK-POPアーティストのダンスをカバーした動画をアップしているんですが、最近は『モンスター』の共演者さんと一緒にコラボ動画を撮影するのを密かに夢見ています。趣里ちゃんやジェシーくんもダンスがすごく上手だし、ちゃんみなさんの「FOREVER」やI Don’t Like Mondays.さんの「Shadow」とドラマの楽曲も素敵なので、ぜひいつか一緒に踊ってみたいですね。
文・神田 佳恵
フリーライター 兼 一児の母。
取材・インタビュー、エンタメ記事、エッセイなど、複数媒体・分野で執筆中。
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