パリのルーブル美術館がピンチ!?「深刻な荒廃状態」と訴える現状を緊急取材【海外特派員リポート】
フランス・パリの中心部に位置するルーブル美術館。
12世紀に要塞(ようさい)の一部として建設され、1793年に美術館となりました。
館内には7,000点の絵画など、35,000点の美術品が展示されています。
『民衆を導く自由の女神』、そして『サモトラケのニケ』など、世界的に有名な作品の数々をみようと、去年は1年間でおよそ870万人が訪れました。
ずらりと絵画が並ぶ展示スペースですが、少し視線を上げると、天井が剥がれ落ちているのが分かります。
館内を歩けば別の場所にも水漏れの形跡などがちらほらあり、雨の日には一面が水浸しになることもあるということです。
こうした状況の中、ルーブル美術館が1月、フランス政府に対し「美術館の中ではいたる場所に損傷があり、深刻な荒廃状態にある」として、改修などを訴える文書を送っていたことが判明します。
その上で美術館の内部について、「防水性をなくした場所や、深刻な温度変化の影響で作品の保存が危ぶまれている」と指摘しています。
この文書の中で、危機感を強調していたのがこの場所です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作、「モナリザ」。
この場所には、毎日およそ25,000人が殺到しています。
この状況についてルーブル美術館は、「作品と作者を理解しないまま熱狂した大衆が押し寄せていて、美術館としての使命が問われている」として、今の展示のあり方に疑問を呈していました。
地元メディアによると 、ルーブル美術館はおととしから国に対して繰り返し対策を求め、水面下で協議が続けられていました。そしてマクロン大統領がルーブル美術館を訪れ、モナリザの前で大規模な改修計画を発表したのです。
計画では、水漏れや老朽化した館内の修復をはじめ、モナリザ専用の特別室を地下に建設し、独立したアクセスを確保した上で専用チケットの購入を求めるということです。
また、現在の入館口となるガラスのピラミッドの混雑を緩和するため、敷地の東側に新たな入り口が建設されます。
地元メディアによると、工事の総額はおよそ1,100億円~1,300億円にのぼるということです。
費用は企業などの支援に加え、EUの外から訪れた観光客の入場料を、来年1月から値上げすることなどでまかなわれるということです。
フランス政府は2031年までに一連の工事を終えたいとしています。
ルーブル美術館がピンチ!? 「深刻な荒廃状態」とまで訴える現状を緊急取材 マクロン大統領の起死回生の一手とは【関西テレビ・newsランナー】
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