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【天満のひと】未来を担うこどもを応援したい!ー中西金属工業サステナビリティ戦略部未来共創室・蒲莉英さん-

2023.10.02

【天満のひと】未来を担うこどもを応援したい!ー中西金属工業サステナビリティ戦略部未来共創室・蒲莉英さん-
JR天満駅すぐの天神橋筋商店街の中にある「なかにわカフェ」。実は、ベアリングリテーナーやコンベアなどを製造する中西金属工業という会社がこのカフェを運営しています。
金属加工の会社がなぜカフェの運営をするのか?カフェを担当しているサステナビリティ戦略部 未来共創室の蒲莉英さんにお話を伺いました。

-「なかにわカフェ」とは?
私たちの会社は100年近く天満に所在しています。地域へ何か還元できないかということで、もともと都島区で運営していたこども食堂を2022年11月に天神橋4丁目に移設し、「なかにわカフェ」としてオープンしました。
会社が「こどもを応援する」という取り組みを長年続けていることから、その延長線上にこども食堂があるのですが、天四に引っ越しして、より人が集う場所になったことで、こどもだけではなく何か別の支援もできないかと考えました。そこで、昼間は障がい者が働くカフェとして営業し、水曜日の夜はこども食堂という形をとっています。カフェではNPO法人ご協力のもと、関連施設から4~5人の方に交代で働きに来ていただくことで障がい者の就労支援に取り組んでいます。
カフェのランチは月~火曜日は生パスタとローストビーフ、水~金曜日は「腸活ランチ」と称して野菜や麹をたっぷり摂ってもらえる定食メニューになっています。とてもおいしくて人気があります。
-こども食堂はどのように運営されているのですか?
こども食堂は経済的に困難な状況にあったり、孤食にならざるを得ないこども達を支援する目的で立ち上げました。大阪市の北区社会福祉協議会にご協力いただき、利用者を募っています。こどもだけではなくご家族での利用も無料です。
今は対象者を絞っていますが、将来的には地域の方に広く利用していただき、あらゆる環境にいる方が一緒に食事をとることで、顔見知りになって、お互いに助け合う状況が作れたらいいなと思っています。
ただ、対象者を絞らないということになるとオーバーフローすることが予想されます。
なので、近隣の店舗等地域の方々にお声がけして、私たちの活動に共感していただけたら、ちょっとずつ力を合わせてみんなでこども達の成長を支える、循環型の仕組みができたらいいなと考えています。昔の日本も、私が育った中国もそうでしたが、「地域の子供たちを地域で育てよう」というスタンスがとれたらいいなと。
-なぜ中西金属工業がこども食堂を?
社長がこどもを応援したいという気持ちが強いのです。
中西奨学会という給付型の奨学金制度もありますし、とにかく未来を担うこども達を応援するという理念があります。こども達がいろんなことを経験して成長すると、日本はもっとグローバル社会で戦えるようになると考えているみたいです。
こども食堂では食事支援だけではなく、体験できるイベントも実施しています。ここでいろんな経験を積んで成長してもらえたら。
社長も私たちに任せっきりではなく、いろんな食材やお菓子を自宅から持ってきてくれるんですよ。

-こども食堂では社員の方が調理していますね。
2018年のこども食堂立ち上げ当初は先輩社員たちが運営していましたが、 障がいを持つ方々の経験の場になればと思い、障がい者の自立を支援する団体に運営を委託するようになりました。調理をしてもらったり、こども達と触れ合ってもらったり、新たな経験機会を提供できたという点ではとてもよかったと思います。しかし、利用者が何を求めてこの場に来てくれているのかは、やはり自分たちで運営し、こども達と直接関わらないと分からないということに気がついたんです。それで毎週水曜日は私たち社員自ら、こども食堂を運営することにしました。そうなると、こども達ともそうですが、親御さんとの関係もできてきて、そこで初めて気づくことが多く、より深くこども食堂のあり方が見えてきたところがあります。
-例えばどんなことでしょうか。
今のこども達は様々な事情で、経験できることが限られているなと感じました。実際、家庭でできないことがこども食堂でできればいいな、という親御さんのご希望もあります。
こども食堂を天満で運営していて、積極的に家の外へ出て行くことが難しいこども達もいることに気がつきました。家族や学校の先生など身近な人たち以外との交流は確かに気おくれしてしまいますが、こども食堂の食事をキッカケに外へ出てきてもらって、ここで出会った人とちょっとずつ仲良くなっていって、最終的にはみんなでごはんを一緒に食べたり、遊んだり、宿題をしてもらえたりしたらいいなと思います。
-蒲さんご自身の夢は?
やっぱり、こどもにかかわる仕事をしていきたいです。
私が生まれた地域(中国・四川省)は貧富の差が激しいところでした。私は大学に進むことができて、日本語を勉強する機会に恵まれ、そのおかげで日本に留学も出来たし、就職することもできました。そうでなければ自分の生きている世界はとても狭かったと思います。だから、どんな環境におかれたこどもであっても、自分で自由に生き方を選べるようになる力をつけるための支援をしていきたいです。
こども食堂では、ただの食事支援だけではなく、学習支援や体験活動を提供できたら。私たちが関わったこども達が大きくなった時に、その経験を思い出して、次につなげてもらえたらうれしいです。
なかにわカフェ Instagram
11:00-15:00(月~金曜日)※水曜日のみ14:00まで ※土日祝休み
大阪市北区天神橋4-6-25
06-6940-4378

中西金属工業社会貢献活動
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