聞いてみよか

【インタビュー】田辺桃子が髪を切って変化したことは? 

2024.04.12

【インタビュー】田辺桃子が髪を切って変化したことは? 
京本大我が主演のドラマ、火ドラ★イレブン『お迎え渋谷くん』(毎週火曜午後11時)。渋谷くんの恋のお相手となるヒロイン・青田愛花(あおたあいか)役を演じる田辺桃子さんに、ご自身のことや趣味のカメラのこと、お仕事のことなどについて語っていただきました。

─今回のドラマは漫画が原作ですが、ご自身は漫画は好きでしたか?
幼いころはあんまり少女漫画を読んだことがなかったんですが、りぼんガールになったことをきっかけに読むようになりました。『ひよ恋』(原作:雪丸もえ )という作品が大好きで、毎号の発売日を楽しみにしていました。
その作品は、高校生同士の恋愛物語。主人公の女の子が人見知りで、なかなか行動する勇気が出ないところを、正反対の性格の男の子がそっと背中を押してあげるような優しい関係性のお話でした。まだ小学生だったので、私もこんなすてきな関係の恋愛をしてみたいな、と憧れていました。
ーモデルもしていた田辺さん。お芝居の仕事との違いはどんなところですか?
もともとはお芝居を先に経験していて、セブンティーンでは初めて本格的なファッションモデルに挑戦しました。モデルのお仕事は静止画特有の面白さと難しさがあります。どんな気持ちでこの服を着ているかといった感情や、服自体の魅力を写真1枚で表現するための方法をいろいろと研究するのが、楽しくもあり難しくもありました。

自分がふだん写真を撮るので、写真ももちろん好きですけど、お芝居は自分の体を使うので、生きている感覚をありありと感じます。相手役の人とセリフを交わすことで生まれる化学反応というか、自分の中に新しい感情が芽生えるのはお芝居ならではだと思うし、その瞬間に出会うために日々を積み重ねていると思います。

映像作品の現場では、自分も役者としてその役の感情をどう表現するか考えて想像しますけど、その通りにいかなくても面白いし、いろんな正解があります。俳優やスタッフさん、みんながチームとして、作品のことを話し合って作り上げるところはやっぱりすごく面白い部分だと思います。
ー今回のドラマのために、ずっとロングヘアだった髪をばっさり切ったそうです。なにか変化はありましたか?
もともと私は、作品に入るときにも衣装や髪形やメイクといった、役柄の外見にいい意味で影響されやすい部分があったかもしれません。いつか作品で髪形を思いっきり変えてみたいな、と思っていたので、今回の愛花を演じるにあたって髪を切ったことは、「愛花先生をやるぞ!」と自分のなかのスイッチの切り替えにもなりました。

ふだんの生活でも、フットワークが軽くなった気がします。今まで先延ばしにしていたこととか、行ってみたい場所や食べてみたかったごはんとか、その日に思い立ったら「今日やろう!」って実行できるようになりました。見た目が変わると、気持ちや考え方に変化があるものだなって感じています。周囲の人にも「雰囲気が柔らかくなったね」と言われるようになりました。
ードラマ公式のSNSでフィルムカメラが趣味だと言っていました。どんなものを撮るんですか?
現場にカメラを持っていくときは、保育園の子どもたちやセットのかわいい壁面装飾など、愛花が見ているこの景色が最高だな、と思った瞬間を撮っています。ほかにも撮影の帰り道で沈みかけている夕日を撮ったり、共演者やスタッフさんを撮らせてもらったり。自分が、「この瞬間を残したい」と思ったときに、フィルムに残しています。

ーデジタルカメラよりフィルムカメラが好きなんですか?
そうですね。フィルム代や現像代などもありますし、替えがきかないというリスクもあるんですけど……その瞬間にシャッターを切って1枚の写真に残す特別感はやっぱり代えがたいものだなって思います。自分もふだんお芝居で1回のテイクに思いを込める行為をしているから、フィルムカメラの「その瞬間を1枚に残す」という特別感に惹かれるのかもしれません。

カメラ以外でも、オーダーメイドとか、ハンドメイドとか、その地域だけの特産品といった、気持ちを込めて作られた1点ものに魅力を感じます。
ーフィルムカメラにハマったきっかけは?
高校生のころ、雑誌「Seventeen(セブンティーン)」のモデルをしているときにお世話になったカメラマンさんにいろいろと教えてもらったのがきっかけです。それまでは私はデジカメで撮っていたんですが、そのカメラマンさんにフィルムカメラのあれこれを教えてもらったり、その方がフィルムカメラで撮った写真が誌面に掲載されたときの色の魅力を知ったりして興味を持ったんです。自動じゃなく手動でフィルムを巻き上げたりする、カメラの機械自体もすごくすてきだなって。そしたら、その方が「試しにやってみたら?」ってフィルムカメラをくださったんです。それがきっかけでフィルムカメラにハマリました。

ー主演の京本さんもカメラが趣味だそうです。カメラトークはしますか?
京本さんはもともとデジタルで撮られていて、最近フィルムカメラを使い始めたらしいんですけど、最近撮った写真を見せてもらったりして、「この色みいいですよね」とか「これってなんのフィルム使ってるんですか?」とか、そういうオタク話をしています(笑)。カメラ本体と、使うフィルムによって出やすい色みの相性とかもあったりするので、「こういう色みが好きだったら、このフィルムを使ってみてほしいです」とか、おすすめしあったりもしています。
ーでは今回のドラマで、保育士の愛花を演じる上で意識していることは?
カメラがまわっていない時間にも、子どもたちと話したり遊んだりしてコミュニケーションをとることを大事にしています。実際にいい関係を築けていると、不思議とその雰囲気がお芝居にも表れると思うんです。お芝居の中で、子どもたちと私との間に自然に生まれる空気感を大切にしたいなと思っています。
ー元気いっぱいの子どもたちとの撮影はどんな感じですか?
すごく楽しいです。朝イチからテンション爆上がりで「すごいな〜!」って思うことも(笑)。子どもたちと同じ目線で、友だち感覚でおしゃべりしています。
先日の撮影では、エキストラの園児の女の子が私の似顔絵を描いてプレゼントしてくれたんです。「いつ描いたの?」って聞いたら、恥ずかしそうに「きのうのよる……」って教えてくれて。私が大好きな水色を使って描いてくれて、とってもうれしかったです。
ー『お迎え渋谷くん』への意気込みを教えてください。
原作を読んだとき、夢中になって一気に読んでしまうくらい、笑いながら癒やされながら、すごくパワーをもらいました。この登場人物たちの関係性を、実写で描けたらいいな、と。愛花と渋谷くんとの絶妙な雰囲気や、愛花と幼なじみのぽんちゃんとの信頼関係など、目には見えないし言葉にもしにくいけど、お互いを大切に思い合っている関係性を表せたらいいなと思います。原作漫画に刺激をもらって、「絶対に作り上げてみせます!」っていう強い気持ちを持ちました。

ドラマでは、うぶキュンな部分と、コミカルな部分、どちらも大事に作っているので、楽しいところは思いっきり笑ってほしいですし、登場人物たちの感情や関係の変化を一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。私にとって、愛花は太陽みたいにいつも温かいイメージ。私も愛花にエネルギーをもらっているので、見てくれる方に、毎週火曜の夜に元気を届けられたらいいなと思っています。
『お迎え渋谷くん』公式HP
『お迎え渋谷くん』公式Instagram


文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。ほんのりオタク気質。
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