聞いてみよか

鈴木保奈美「あっという間に年は取る。思い立った時がスターティング・オーバー」

2024.06.07

鈴木保奈美「あっという間に年は取る。思い立った時がスターティング・オーバー」
鈴木保奈美さんと言えばトレンディドラマ『東京ラブストーリー』。1991年のあの大ブーム以降も、プライベートでの節目を超えながら映像で活躍中。そんな彼女が子育てを終えて復帰後は、2022年に『セールスマンの死』、23年には『レイディマクベス』と舞台出演が続いています。さらに今回は「6年越しの夢がやっと実現します」と熱く語る、コメディの舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』に主演。映像の人、と思っていた彼女にいったい何があったのか。その心境を知りたくて直撃インタビューしました。
-コメディはお好きなんですか? 舞台出演へのきっかけは? 
コメディは大好きで、見るのも大好きです。今回は、2018年に冨坂友さん(※)の『卒業式、実行』という舞台を拝見して、なんておもしろい舞台を作る人がいるんだろうとビックリして、シンプルに私も一緒に出たいなぁと思ったことがきっかけでした。そして、本当におこがましいんですが、もっといろんな人にこのおもしろさを見てもらいたいとも。でもまさか、本当にお仕事出来るとは思いませんでした。
※(人気コメディ劇団の「アガリスクエンターテインメント」を主宰、ポスト三谷幸喜と呼ばれる今注目の作・演出家)
-それから“部活”と称したサークルを作り、クイズ番組の賞金を稽古場費用に充てながらワークショップをしたり、舞台への準備を開始。すごい行動力ですね。
それは少し大げさかと(笑)。私は舞台に出るためのお勉強を何もしてきていないので、いったいどこからとりかかるべきか、まったくわからず。映像に関しても、もともとお仕事を始めるにあたって何も訓練をしてきていなくて。きちっと自分の中で学んで蓄えていくものがないといけないなと、ずいぶん長いこと考えていました。そんな中で舞台をいろいろ見るようになって、わからないなりに自分で行動しないとだめだなと。でないと、困ったな、どうすればいいんだろうと言うだけで、どんどん年をとって人生終わるなと思い始めたんです。で、思い切って周りの人に何を勉強したらいいか聞いて回って、「私も舞台に出たいです」ってアピールして。で、舞台に詳しい知り合いから「とりあえずいろんな戯曲を読んだりしてみたら?」と言われ、友達2、3人と集まってやろうというところから始まったんです。お友達に声をかけてもらったりして、少しずつ人が増えていって、「来月集まれる人~!」って同好会みたいな感じですね。
-「来月集まれる人~!」って言える、リーダー的な素質のある人なんですね。当て書きされる冨坂さんの作品でも、NPOの代表とか、今回も政治家の役で。
そういうの、全然ないです! 全然ないけど、もう少し勇気を出さないと本当にやりたいことができないなと思って、ものすごい勇気出して言ってるんですよ。ドラマの撮影現場でも、周りの俳優さんに話しかけたりする時は、とても緊張して、勇気を出してしゃべりかけてるタイプなんです。多分、周りの人に聞いたら、誰もリーダータイプって言わないと思います(笑)。今回は知事の役ですけれど、真ん中でポヤンとしていると、いい方にも悪い方にも周りがやってくれたり、あんまり引っ張る力はないんです。実は実力があるのは周りの副知事とか黒幕の人たちで、けっこう翻弄されると思います。ま、旗だけ大きく振り回します(笑)。
-それなのに、新しいことに挑戦するというのは?
ただ単純に欲張りなんだと思います。かなり引っ込み思案で、やりたいな、でも言えないなって、ぐじゅぐじゅしている期間が実はけっこう長くて。でも、45、50歳ぐらいから、これはぐじゅぐじゅしてるとあっという間に年とるぞ、と。逆に、ある程度年をとってくると、間違ってもいいや、とか笑われてもいいや、とか、ちょっと開き直りは出てきますよね。そんな感じで、やるなら今だと自分で自分のお尻を叩いて、飛び込もうとしているところもあります。今までゼロだったものを3ぐらい頑張って、あれやりたい、これ好きなんだけどなって、少しずつ撒いていくと、時間はかかりますけど実現することもあるんだなぁと、今回本当に実感しています。でも、「やってみたいなぁ」と思ったことがかなうのは、本当に恵まれている、周りに感謝しかないですね。
-これが“スターティング・オーバー”(※)、新たな始まりになるのでしょうか。
この舞台に限らず、いろんな意味でやってみたいと思ったことは、ただ待っているだけじゃなくて、少し思い切って欲張って声を大にして言ってみると、意外と物事が動く。自分が動くことで自分がきっかけになるかもしれない。ほんとにスターティング・オーバーですね。
※今作の「エピソード・ゼロ」と言える、フジテレビ『生ドラ!東京は24時-Starting Over-』(今年3月関東エリアで放送・6月に関西エリアで放送予定 脚本・監督/冨坂友 主演/鈴木保奈美)の中で歌われた、印象に残るジョン・レノンの名曲  
-『逃奔政走』はこれからお稽古開始、そして7月の東京公演を経て京都劇場へ。
開幕がゴールではいけないと思っているので、どう作れるか、これからが試練ですけれど。シンプルに約2時間、夢中になって見て、笑っていただける作品に絶対なると思います。そして、公演を一度も1人も欠けることなく完走したいですし、お客様にも100%笑っていただいて千秋楽を迎えられるといいなと思っています。

取材・文/高橋晴代
公演概要
舞台『逃奔政走 -嘘つきは政治家のはじまり?-』
【日程】2024年7月20日(土)~7月21日(日) [全3回公演]
【会場】京都劇場
詳しくは https://www.ktv.jp/event/touhonseisou/
番組情報
『東京は24時-Starting Over-』
6月9日(日)25時00分~(関西ローカル)
miyoka
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