3月8日(土)に迫った『R-1グランプリ2025』。
決勝戦にコマを進めたファイナリストたちのインタビューを毎日1本ずつ掲載していきます。
トップバッターはさや香 新山さん。
新山さんはお笑いコンビ、さや香として2022年『M-1グランプリ』2位、2023年は3位という成績を残されています。ただ2024年は大会不参加。ただ『M-1』を一度お休みしたことが、『R-1』決勝進出に結びついたと思いますか。
『R-1』に関してはそれが本当に大きいです。『M-1』に出ていたら、決勝まで進出すると12月半ばまでそのことしかできない。でも時期的に、『R-1』の予選のスタートとも重なる。キャパが広い人なら両立できるかもしれませんが、でも『M-1』が終わったと思ったら、次は『R-1』の2回戦、3回戦となると自分としては中途半端さが出てしまう。その点、今回は『R-1』に専念することができました。『M-1』に出ていたら、『R-1』決勝進出は間違いなくなかったと思います。
『R-1』に挑むことで個人としてのお笑いの強度も上がったのではないでしょうか。
一人でやることで、個人の強度は上がっているはず。漫才のときは相方がおもしろいことを言って、自分がツッコミをいれる形が多いですが、ピンでは自分からおもしろいことを言ったり、やったりしないとダメ。誰の助けもありませんし。そうなると、ほんまにおもしろいことをしないとピン芸はウケない。そこを突き詰めたり、考えたりするなかで、プラスになることはたくさんあります。
なるほど。
漫才ってベースがあるんです。で、それをどうやって崩すか。その崩し方がいかに新しいかというところの戦いやと思います。ただ、ピン芸ってもっと自由度が高くて、なにをやってもいい。極論を言うと、前フリを作る必要もない。漫才はベースがあるのでそれをやりつつ、崩して作るのがベタなやり方。漫才とピン芸はその考え方が違うので、やっていて純粋に楽しいです。
準決勝のネタも新山節がさく裂していましたね。
漫才を考えているときに浮かんだ設定であったり、自分はコンビではもともとはボケをやっていたので、そのボケを入れてみたり。だから漫才でやってきたことの蓄積でもあります。今までのコンビとしての経験や、自分の実体験などを詰め込んでいるので、集大成ですね。僕の総集編。『新山』という作品みたいな感じやと思います。それが決勝戦でどのような評価がされるか楽しみです。
『R-1グランプリ2025』は2025年3月8日(土)よる6時30分から生放送(全国放送)です。
関連記事は
こちら
取材・文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。