齊藤京子×水野美紀 W主演『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』第8話 レビュー
ママ友いじめによって娘の優奈(大友花恋)を失った55歳の母親・玲子(水野美紀)が、闇医者・成瀬(白岩瑠姫)の手による全身整形で25歳の新米ママ・レイコ(齊藤京子)に生まれ変わり、ママ友たちに復讐(ふくしゅう)してゆく——。ぶっ飛んだストーリーと俳優陣の迫真の演技に中毒者続出中のドラマ『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』(カンテレ・フジテレビ系/毎週火曜よる11時~放送)。
11月18日(火)放送の第7話では、玲子=レイコ(水野美紀/齊藤京子)がボスママの新堂沙織(新川優愛)に復讐を宣言するも、沙織の脅迫におびえるママ友・彩(香音)から協力を拒まれ、沙織と夫の新堂幹久(竹財輝之助)の秘密を探る手がかりを失う様子が描かれた。
▶加藤小夏演じる空の母親・さちの毒親っぷりは必見
11月25日(火)放送の第8話では、レイコが引き取って育てている少年・空(佐藤大空)の実の母親・さち(加藤小夏)と恋人のタクヤ(長野凌大)が現れ、空を一億円で買い取るよう要求。さらに空を誘拐する騒動まで起こってしまう。
空に1ミリの情も未練も抱かず、遊ぶ金をせびり取る道具としか思っていない、さちの毒母っぷりは不快を超えて爽快ですらある。
さち役の加藤小夏は、ことし3月放送のドラマ『ススキノ・インターン』でスナック立て直しに奔走するエリート大学生を演じたのが記憶に新しいが、今回の汚れ役も見事にハマっている。
そんなさちに引きずられるタクヤを演じるのは、話題のダンスボーカルグループ「原因は自分にある。」の長野凌大。この2人の小悪党感は、真の悪党ぞろいの本ドラマではむしろ微笑ましく映るのがおもしろい。
▶天才子役・佐藤大空くんの愛らしさにメロメロ!
レイコは当初、ママ友グループに近づくため、さちから虐待されていた空を引き取り、自分の息子に仕立て上げて幼稚園に潜入した。だが、さちの起こした誘拐騒動によって、レイコは空が自分にとってかけがえのない存在になっていたことに気付く。
さちとタクヤの手から空を救い出した帰り道、成瀬とレイコと空の3人は河川敷を共に歩き、空にかかった虹を見上げる。すべてを失ったと絶望し、復讐心に囚われていた玲子が初めて、今そばにある大切なものに気づく。
ドロドロの復讐ドラマの中で初めて、じんわり温かな幸福を感じさせる注目のシーンだ。
ちなみに今回、空を演じているのは、ドラマ『ライオンの隠れ家』で世間をあっと驚かせた天才子役、佐藤大空くん。
レイコに向かって「ママ、迎えにきてくれたの?ママのおうちに帰っていいの?」と不安げに話しかける姿。
末期ガンに冒された元夫の健司(津田寛治)の病床で涙するレイコを「泣いちゃダメ、泣いちゃダメだよ」と健気になぐさめる姿。すべてが愛らしすぎて、もうメロメロ。今後も成長と共にさまざまな演技を見せてくれそうな佐藤大空くんの、6歳の今だけの無垢(むく)な輝きをしかと見届けたい。
▶レイコの嘘(うそ)に気付きながらも騙(だま)されたふりをしていた健司に涙
さらに本話最大の見どころとなるのが、健司と玲子=レイコの別れのシーン。
成瀬の治療を受けるも、日に日に衰弱してゆく健司のために一日も早く優奈の復讐を果たしたいと焦る玲子=レイコ。健司はそんな彼女に「もう十分だよ。ありがとう。もう十分だから」と感謝を告げ、やがて静かに息を引き取る。
家族のために自身を犠牲にしながらも誰も恨まず、穏やかに笑顔でこの世を去った健司の姿は、津田寛治の人間味あふれる演技もあいまって、深く胸に迫る。
後日、レイコは成瀬から健司がレイコが玲子であることに気づいていたと告げられる。騙されたふりをしていた健司の優しさを思い、初めて号泣するレイコ。すべてを健司に告白して、優奈を失った悲しみを夫婦で乗り越える道もあったはずなのに——。
本話の一連の出来事が、玲子の復讐劇に今後、どんな影響をもたらすことになるのか?今後も、玲子の心の動きにフォーカスしていきたい。
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