磯村勇斗×𠮷田恵輔監督が語る映画『mentor』──「‟新感覚シネマトラクション“を楽しんで」【インタビュー】

磯村勇斗×𠮷田恵輔監督が語る映画『mentor』──「‟新感覚シネマトラクション“を楽しんで」【インタビュー】

■「あんなに真っ白な末澤くんはもう撮れない」

映画『mentor』の一場面 (C)2026「mentor」製作委員会

映画『mentor』の一場面 (C)2026「mentor」製作委員会

──“赦(ゆる)し”にすがり“謝罪”にのめり込んでいく拓海を演じた末澤誠也さんの演技はいかがでしたか?
磯村:彼の純粋さと誠実さが役にマッチしていました。監督の要求に戸惑いなく応える肝の据わった部分があり、素直ですばらしかったです。
𠮷田監督:何も考えず、ピュアに全力でぶつかってくる演技で、まっすぐすぎて怖いという面白さがありました。今後、映画の主演を重ねていけば、きっと擦れていくのではないかと思うので、あんなに真っ白な末澤くんはもう撮れない。少女の成長を撮っているような気持ちで撮影していました(笑)。
左から、𠮷田恵輔監督、磯村勇斗さん(2026年10月、カンテレ)

左から、𠮷田恵輔監督、磯村勇斗さん(2026年10月、カンテレ)

──ファンから「イソスエコンビ」と呼ばれて、親しまれていることについては?
磯村:エゴサ(エゴサーチ・自身の名前などをネット検索)をする時間はもったいないと感じるタイプなので、自分から調べることはないですが、盛り上がってくれるのはありがたいです。
𠮷田監督:僕はエゴサが大好きで、自分の映画に星1つの低い評価をつけたり、長文の悪口を書いたりしている人を見つけると、ウキウキして酒のつまみにするタイプです(笑)。
──火事で妻子を失ったのにもかかわらず、不気味なほど優しい埜本を演じた綾野剛さんの演技はいかがでしたか?
磯村:剛さんの作品は全て拝見していますが、その中でもまた新しいキャラクターが誕生したと思いました。龍之介にストレスを与える芝居で、本当に助けていただきました。ダークに演じるかと思いきや、ポップでファニーに演じてくださったのが面白かったです。
𠮷田監督:笑っていいのかわからない、暗くなりそうな序盤の展開を和ませてくれて非常にありがたかったです。

■磯村さんにとって映画とは──

左から、𠮷田恵輔監督、磯村勇斗さん(2026年10月、カンテレ)

左から、𠮷田恵輔監督、磯村勇斗さん(2026年10月、カンテレ)

──磯村さんにとって「映画」とは、そして「演技」とは何でしょうか?
磯村:映画は子供の頃から見て育ってきたので、心のよりどころであり「相棒」のような存在です。演技とは「捨てるもの」で、演技に縛られず捨てられたときに脱力して一歩抜け出せる気がしています。
──𠮷田監督にとってはいかがですか?
𠮷田監督:映画監督は幼稚園のころからの夢でしたが、いまだに「模索中」でよくわからない存在です。いままで十何本と映画を撮ってきましたが、映画の「え」がわかったぐらいです(笑)。演技にとって大事なのは「説得力」。本物に見えるリアルさと役者としての華のバランスが重要だと思っています。
──最後に読者・観客へのメッセージをお願いします。
磯村:普段そんなに映画を観ない人にとって、感情のアトラクションを楽しめる、新しい映画体験ができる作品になっています。構えず、ポップコーンを片手に気楽に観に来てほしいです。僕は(アーチェリーの)弓を構えていますけどね(笑)。
𠮷田監督:映画のジャンルを一言で言うのは難しいですが、映画通の人には「A24(エッジの効いた独創的な作品で知られるアメリカの映画スタジオ)っぽい映画」と言われます。“新感覚のシネマトラクション”として楽しんでもらえればうれしいです。
映画『mentor』の一場面 (C)2026「mentor」製作委員会

映画『mentor』の一場面 (C)2026「mentor」製作委員会

取材・文/華みず希 映画評論家も務める関西在住ライター
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