楓(山崎紘菜)は磯貝(横山裕)の婚約者を奪った25人殺しの最凶シリアルキラー!復讐か刑事としての正義か——因縁の直接対決が迎える衝撃の結末とは ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話
水ドラ★イレブン『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(カンテレ・フジテレビ系/毎週水曜 午後11:00)の最終回(第12話)が9月16日に放送されました。
警視庁捜査一課の刑事・ 鶴岡楓(山崎紘菜)が25人殺しの最凶のシリアルキラー(猟奇的連続殺人鬼) だと判明し、自らオトリとなった楓の同期・磯貝史郎(横山裕)。 殺人犯の手に触れると殺した人数が見える力を持ち、磯貝とタッグを組んで“謎の通報者”としてシリアルキラーを警察に密告していた相棒の黒井ヒナタ(関水渚)をまいて、ついに楓と磯貝ふたりきりの直接対決…その結末を振り返ります。
(以降、最終話のネタバレを含みます)
(以降、最終話のネタバレを含みます)
◆楓の“特別な場所”へ。磯貝を待ち受ける最終決戦
前回の第11話で、ヒナタの特異能力により楓がシリアルキラーであるという恐るべき真実にたどり着き、自ら「殺しのトリガー」を引くために命がけのプロポーズというオトリ作戦に出た磯貝。そのアプローチを受けた楓は、磯貝とふたりきりで出かけることを提案します。彼女が案内したのは、疲れたときに訪れるという雑木林の奥深くにある絶景ポイント。
ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話 鶴岡楓(山崎紘菜)
「誰にも見せたことがない、史郎くんだけには見てほしかった」——そんな言葉だけを聞けば、好意を寄せる相手との特別な時間にも見えます。しかし、磯貝の目的はもちろん別です。3年前に消えた磯貝の婚約者・川田梓(小島藤子)殺害の証拠を見つけること。そして、楓が25人もの命を奪ったシリアルキラーである正体を暴くこと。磯貝はさりげなくその場を離れ、周囲を探ります。
ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話 磯貝史郎(横山裕)
しかし次の瞬間、背後から音もなく近づいた楓が、磯貝の太ももに容赦なくナイフを突き立てます。ついに優秀な刑事の仮面が剥がれ落ち、シリアルキラーとしての冷酷な本性をむき出しにした瞬間でした。
◆「驚きと恐怖でぐちゃぐちゃになった顔が好き」——楓がついに牙をむく
痛みに顔をゆがめる磯貝に対して楓が放った言葉は、「そう、その顔…私はね、驚きと恐怖でぐちゃぐちゃになった顔がだぁい好きなの」。もう、やばすぎる。磯貝の決死のオトリ作戦でしたが、やはり楓の方が一枚上手でした。「謎の通報者」が磯貝とヒナタであることも、磯貝のプロポーズが嘘(うそ)であることも、すべてお見通しだったのです。
さらに視聴者を戦慄させたのは、楓の口から嬉々(きき)として語られた過去の真相です。楓は母親の治療費のために窃盗に手を染めた後輩刑事の牧野信一(奥野壮)の弱みを盾に脅迫。牧野を“捨て駒”として利用し、ヒナタを殺させようとしていた冷酷な事実が明らかになります。
さらに視聴者を戦慄させたのは、楓の口から嬉々(きき)として語られた過去の真相です。楓は母親の治療費のために窃盗に手を染めた後輩刑事の牧野信一(奥野壮)の弱みを盾に脅迫。牧野を“捨て駒”として利用し、ヒナタを殺させようとしていた冷酷な事実が明らかになります。
ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話 牧野信一(奥野壮)、鶴岡楓(山崎紘菜)
そして何よりも、磯貝の婚約者であり親友だったはずの梓を殺めた理由です。「今の私があるのは楓のおかげ」と心から感謝し、お揃(そろ)いのワンピースをプレゼントしてくれた梓に対し、楓が抱いた感情は「心の底から殺したくなっちゃった」。「梓はね、とってもいい顔で死んでいったんだよ」「思い出すだけでゾクゾクする」。そう恍惚(こうこつ)の表情で残酷かつ壮絶な真相を語る彼女は、完全に猟奇犯の顔。優秀な刑事として警察組織や世間に完璧に溶け込み、優しく磯貝に寄り添っていた楓の内面は、到底理解できない狂気に支配されていました。猟奇的という言葉すら生ぬるい、“サイコパス”の究極形を見せつけられたようで、画面を直視できないほどの恐ろしさでした。
◆横山裕VS山崎紘菜、慟哭(どうこく)と狂気が真正面からぶつかり合う
憎悪と敵意をむき出しにして向かってくる磯貝に対して、楓は怯(ひる)むどころか「そんな風に憎しみをむき出しにする人を殺すの初めてだな…私、どうなっちゃうんだろう」と、さらなる快感を覚える始末。絶体絶命のピンチの中、磯貝のジャケットに忍ばせていたGPSを頼りに駆けつけたヒナタが助けに入りますが、楓は躊躇(ちゅうちょ)なく拳銃を発砲。磯貝とヒナタは、銃撃を受けながら逃げることに。
ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話 磯貝史郎(横山裕)、黒井ヒナタ(関水渚)
追い詰められ、楓に刺された足のケガで限界を迎えた磯貝に対し、楓はさらに「梓はね、硫酸で殺したの」「最期の言葉はね…史郎くん熱いよぉ―」と、残酷な最期を笑いながら突きつけます。怒りで我を忘れた磯貝は楓に飛びかかり、揉(も)み合いの末に拳銃を奪い取り、とうとう楓に銃口を向けました。
ここで見せた磯貝と楓の演技のぶつかり合いは、本作最大の見せ場。あくまで徹底したシリアルキラーとして、どこまでも“人間ではない”猟奇犯のまなざしを貫いた楓を演じる山崎紘菜さんの怪演。対する磯貝を演じた横山裕さんは、愛する梓を無残に奪われ、「こいつだけは絶対に許せない」という激しい憎悪と、ヒナタの「(梓は)復讐(ふくしゅう)を望んでいない」などの言葉を受けて、自分を想ってくれる人たちのために殺人鬼になってはいけないという葛藤の間で引き裂かれ、苦しみ抜く慟哭を見事に表現しました。ギリギリの感情と命が交錯する攻防に、ただただ息をのむしかありません。
ここで見せた磯貝と楓の演技のぶつかり合いは、本作最大の見せ場。あくまで徹底したシリアルキラーとして、どこまでも“人間ではない”猟奇犯のまなざしを貫いた楓を演じる山崎紘菜さんの怪演。対する磯貝を演じた横山裕さんは、愛する梓を無残に奪われ、「こいつだけは絶対に許せない」という激しい憎悪と、ヒナタの「(梓は)復讐(ふくしゅう)を望んでいない」などの言葉を受けて、自分を想ってくれる人たちのために殺人鬼になってはいけないという葛藤の間で引き裂かれ、苦しみ抜く慟哭を見事に表現しました。ギリギリの感情と命が交錯する攻防に、ただただ息をのむしかありません。
◆今度はヒナタが止める番。復讐を越えたバディの絆(きずな)
憎しみのままに引き金を引こうとする磯貝を止めたのは、同じ想いを抱えてきたヒナタの説得でした。「磯貝さんと笑えなくなるのは嫌だよ」。復讐を果たしてしまえば、心から笑うことはできない。大切な人を奪われた底知れぬ悲しみと怒りを抱えながらも、ヒナタの痛切な叫びが、磯貝を「殺人鬼」に堕ちる一歩手前で踏みとどまらせたのです。殺したいほど憎い相手を前にして、それでも殺さないことを選んだ。その選択は、磯貝にとって決してきれいごとではなく、苦しみ抜いた末の決着でした。磯貝とヒナタは最後まで“謎の通報者”として楓を警察に引き渡し、因縁の事件に幕を下ろしたのです。
そして数日後。ラストシーンでは、再び街角でティッシュ配りをするヒナタと話す磯貝の姿が描かれます。
ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話 黒井ヒナタ(関水渚)
大切な人を奪われた喪失感や苦悩を抱えながらも、互いに支え合い、「自分たちのような思いをする人が出ないように、人を救うために生きてみよう」とバディを続けていくという結論を選びました。最後には軽口を叩(たた)き合いながら、新たなシリアルキラーを追うふたりの姿が描かれ、見守り続けた視聴者にとっては救われる展開。この凸凹バディの絶妙なやり取りが楽しめました!
◆日常に潜む“悪”と、それでも誰かを救おうとする“善”
最終回で猟奇犯の顔を見せた楓に、「お前は、人間じゃない」と断じた磯貝に対し、楓は「私はね、おばあちゃんになって、意識がなくなるまで人を殺し続けたいの」と言ってのけました。生きること=殺すこと、という彼女の在り方は、まさにシリアルキラーそのもの。本作は、そんな圧倒的な“悪”が、私たちが生きる日常のすぐ隣に、善良な顔をして潜んでいるというリアルな恐怖を最後まで描き切っています。しかし同時に、警察のルールからは逸脱した存在の「謎の通報者」として暗躍しながらも、磯貝とヒナタの根底にある人としての“善”が、深い絶望の淵(ふち)から確実に人を救ってくれるという強いメッセージを提示してくれました。スリルと恐怖、そして人間の恐ろしさと美しさが交錯する、見応えのある作品だったと思います。
ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』最終話 黒井ヒナタ(関水渚)、磯貝史郎(横山裕)
文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
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