4月8日(日)、ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』の制作発表が東京都内にある撮影スタジオで行われました。この作品は、4月15日(月)からスタートするカンテレ制作の連続ドラマ。ある事故をきっかけに記憶障害を抱えた脳外科医・川内ミヤビ(杉咲花)が、アメリカ帰りの脳外科医・三瓶(若葉竜也)や彼女の主治医である大迫(井浦新)など、周囲の支えや反対を受けながらもあらためて脳外科医として歩んでいく物語です。
会見に登場したのは杉咲花さん、若葉竜也さん、岡山天音さん、生田絵梨花さん、千葉雄大さん、吉瀬美智子さん、井浦新さんの7名。桜が満開でお天気も良い日だったため、井浦さんがあいさつの際に「お花見日和の日曜にわざわざお集まりいただきありがとうございます」とコメントしました。
全員が”緊張しい”だからこそ生まれる演技がある
杉咲さんは「一昨年プロデューサーの米田さんに声をかけていただいて、すばらしい制作陣の方々が集まりました。今日まで何百時間、アンメットに関わる方々とこの作品について話し合ってきたのだろうと思うとジーンとします」と、この作品への思いを語っていました。制作スタッフからも「杉咲さんのこの作品にかける真摯(しんし)な思いが現場を良くしている」と制作スタッフから言葉が挙がっているそうです。
現場については「すごくすてきな現場でみんな仲良しですし、毎日現場に行くのがとても楽しみです」とのこと。「今までで初めてというくらい、自分を含めたすべての俳優の方々がすごく緊張しているように感じます。私は緊張しいでそれがコンプレックスだったんですけど、みなさんの姿を見ていて緊張するからこそたどりつけない演技があるんだと光を見つけられたような気持ちです」と話しました。
杉咲さんが主演の作品に出るのは4回目だという若葉さんは「ど緊張してますよね(笑)」といじりつつも、「座長としても役者としても人間としても信頼してます」と話し、杉咲さんも「わたしも全く同じ気持ちなのでうれしいです。若葉さんは人が疑わず見過ごすようなところに幸せを見つけたり、私たちがないような視点で作品のことを考えてくださったりする方なんです」と答え、お二人の信頼関係が伝わってきました。
若葉さんがこの作品に出ようと決めた理由は、米田プロデューサーと一緒にできることと「杉咲さんから電話がかかってきて「やるよね」と言われたのでやろうかなと思った」とのこと。杉咲さんも「三瓶先生にぴったりだと思ったので電話しちゃいました」と笑顔。
今回はトレードマークのショートヘアを封印した吉瀬さん。「普通はお声がけいただくタイミングがギリギリだったりするので髪を伸ばす時間がありませんが、今回は早かったので“伸ばせちゃうな”と思って原作に見た目を寄せています」と語りました。
岡山さんは「クランクインの日端にいる人が杉咲花さんで緊張しました。お休みの日に僕らのシーンに顔を出してくださって、今までそんな方はいませんでした。魅力的な人だし、座長としての生きざまがすてきな人」と話されていました。これに対して杉咲さんは「たまたま予定が合ったので見学させてもらい、自分自身もあらためて気合いが入りました。声をかけるのは恥ずかしいのでそっと見て帰ろうと思ってたらバレてて圧力かけちゃったみたいで……」と笑いました。
「愛のない政略結婚コンビ」の相方である生田さんについて聞かれた岡山さんは「シーンはさらっとしていますが、いろんな場所でこれまでお仕事をされている方なので、いろんなフィールドのお話を聞いて楽しいです、優しい方です」とコメント。
生田さんは「緊張しますが、カメラのないところでプロデューサーさんや天音さん、井浦さんと話す機会をいただいていて、毎日がんばれています。先日もランチを食べながら役についてお話ししました」と、対話の機会が多い現場であることを明かしました。
千葉さんは「がっつり医療ドラマをやらせていただくのは初めてなので、指導してもらいつつ楽しくやっています。でも、熱い男・ムードメーカーと紹介されるのがプレッシャーなのでやめていただいて……」と笑いを誘っていました。
現場ではやっているのは”吻合(ふんごう)練習”?
現場ではやっているものを聞かれ「吻合(ふんごう)練習じゃないですか?」と答えた若葉さん。「手術シーンの縫合の練習をしていたものの、撮影の前日にその縫合ではないものが必要になったとわかりました。杉咲さんはそれまで毎日練習していましたが変更を受け、スタジオで撮影が終わってもこもりっきりで練習されていて、医療指導のお医者さんたちが度肝を抜かれていました」と明かしました。
千葉さんも「花ちゃんがずっと練習しているのを見てていて、何かやることないかなと自分も奮い立たせられました」と続けましたが、杉咲さんは「若葉さんはコツをつかむスピードが早くて、私が長時間かけてやっとできるようになったことをちょっと貸してと言ってすぐにできるようになってしまった、やめてほしいです」と笑っていました。若葉さんも「確かに僕は手先が器用なんですが、僕には手術するシーンがないので、実際に撮影するとなるとプレッシャーがすごいと思います」とフォロー。
続いて井浦さんも「僕も何でもできるんですけど、残念なことに僕の病院のセットには手術の道具が全くなくて。全く道具をさわれないまま手術シーンの撮影を控えるあぶない状態になってます」と笑いを誘った。セットでは植物に囲まれている井浦さんは「植物はとても好きですが、大迫教授が面白いなと思うのは、自分が好きな植物を集めるんじゃなくて、枯れかけたり捨てられたりいらなくなった植物を集めてなおして育てているところ。そこがとっても素敵だなと役から教えてもらいました」自身の役どころについて話しました。
唯一医療従事者の役ではない生田さんは「手術には関われないですけど、人間関係のところで視聴者の方をまどわすというか、楽しんで見守っていけたらなと思っています」とコメントしました。
杉咲花さんから視聴者の方へのメッセージ
「最近、生きていて不安なことだらけだなと感じていて、私を含めそんな方は多いと思います。アンメットは直訳すると「満たされない」という意味なんですけど、自分が恐怖に感じることとか苦手なことを、そばにいる人が理解してくれようとしたり想像してくれようとするだけで自分のことをもう少しだけ受け入れてみようと思えたり、明日のことを考えてみようって思えるんじゃないかなと思います。そんな風に光に包み込まれるようなドラマになったらいいなと思っています。
アンメットに関わる全員が血の滲むような努力をしています。労力を費やさなければならなかったとしても、いいものになるなら険しいほうの道を選ぶような気概のある現場でものづくりをできていることを幸せに感じる日々です。今までもこれからも、本当にたくさんのドラマが作られてきて、作られていくと思うんですけど、“指折りの傑作を作りたい”と恥じらいもなく言ってみたい気持ちです。期待してもらえるとうれしいです。」
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公式HP
文:ぐみ
熱量高めなエンタメライター・編集。ドラマ・映画・アイドル・アニメなどのコラムやレビュー、インタビューを執筆中。
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