大阪・関西万博で連日大行列を記録し、来場者を魅了してやまない、あの「イタリア館」。その中でも特に注目を集めた芸術作品が、万博閉幕後に大阪・天王寺にやってきます。
選りすぐりの芸術作品4点が公開されるのは、大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開かれる特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」。会期は、2025年10月25日から2026年1月12日までです。美術館で万博の感動が再び…とでも言いたくなるような、豪華で文化的価値の高い展覧会です。
この企画は、日本とイタリアの国交樹立160周年を記念し、万博の文化的レガシーを継承するために実現したもの。イタリア館で展示された作品の中から、反響の大きい巨人アトラスが天球を背負う古代ローマの大理石像「ファルネーゼのアトラス」と、ルネサンス期の画家ペルジーノの「正義の旗」に、日本初公開となるレオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」2点を加えた計4点が、大阪の地に凱旋(がいせん)展示されます。まさに万博の熱気を、そのまま天王寺に届けてくれるような試みですね。
万博閉幕3日前の10月10日にイタリア館で行われた記者発表には、マリオ・ヴァッターニ・イタリア政府代表や横山英幸・大阪市長らが登壇。大阪市立美術館の内藤栄館長は「ダ・ヴィンチのアトランティコ手稿は、万博で展示されたものではなく、水都・大阪にちなんだ“水”に関係する作品2点を新たに選び、日本初公開します。イタリアの素晴らしい作品の展示の話をいただけて、ありがたい」と喜びを語りました。
イタリア館は、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、カラバッジョらの作品が間近で鑑賞できることで話題を呼び、7時間待ち超えを記録するほどの人気パビリオン。ヴァッターニ・イタリア政府代表は、「創造性や革新は人間が文化に囲まれることで生まれるもの。展覧会に展示される3か月間、イタリアの文化を代表する至宝を多くの方々に、愛でていただきたい」と笑顔で話していました。
あの行列に並べなかった人も、あの感動をもう一度味わいたい人も、万博ロスの人も…。芸術の秋、大阪・天王寺でイタリアの文化と芸術を堪能できそうです。
西部マキコ エンタメライター。初出の話を引き出すインタビューが得意。いま、ハマっているのは、大阪・関西万博とUSJ。万博閉幕間近で、すでにロス気味。