ヌルヌルの転生は“常設シアター”&“回って震える建物”、大阪に帰ってきた落合陽一が明かす“第三の部屋”とは

万博レガシーイベント「Resona EXPO Re:Future」で講演を行った落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

万博レガシーイベント「Resona EXPO Re:Future」で講演を行った落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

メディアアーティスト・落合陽一氏が、2026年8月23日(日)に行われたイベント「Resona EXPO Re:Future」で講演。講演後に取材会を開き、万博パビリオン「null2(ヌルヌル)」の体験とレガシーを引き継ぐ「null2n(ヌルヌルネクサス)」「null4(テトラヌル)」について説明しました。

■ 五感を刺激し来場者を驚かせたパビリオン「null(ヌルヌル)」

万博レガシーイベント「Resona EXPO Re:Future」にブース出展していた「null2 3Dスキャンタワー体験」(2026年8月・ATCホール)

万博レガシーイベント「Resona EXPO Re:Future」にブース出展していた「null2 3Dスキャンタワー体験」(2026年8月・ATCホール)

万博会場だった夢洲の隣・咲洲にある大阪南港「ATCホール」(大阪市住之江区)に訪れた落合氏。講演会では、「ヌルヌル」の構想から設営、運営、解体までを振り返り「現地視察をした5年前は、本当に何もない更地。プロトタイプをたくさん作って、チームで手作業で積み上げました」と回想しました。
講演で「ヌルヌル」を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

講演で「ヌルヌル」を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

周囲に響く低音で壁面を震わせ、近未来的な外観がパビリオンの中でも特に異彩を放った「null2(ヌルヌル)」。内部ではデジタルな合わせ鏡による未知の体験が五感を刺激し、来訪者に驚きを与えました。
「人気すぎて人が入れない問題が起こってしまったので、本来はしたくなかった“ウォークスルーモード(立ち止まらず歩いて館内を見学できる方式)”を導入。それでも会期終わりまでに60万人くらいしか入れなかった」と、悔しさと手応えをのぞかせていました。

■ 没入型のシアターとして転生した「null2n(ヌルヌルネクサス)」

講演で「ヌルヌルネクサス」を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

講演で「ヌルヌルネクサス」を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

そんな「ヌルヌル」を引き継ぐ体験施設のうち「null2n(ヌルヌルネクサス)」は、常設の没入型シアターとして「横浜ランドマークプラザ」(横浜市西区)に万博閉幕1周年の翌日となる2026年10月14日(水)オープン。
プロトタイプの「ヌルヌルネクサス」に3Dプリンタで作った人形を置いて検証する様子を説明する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

プロトタイプの「ヌルヌルネクサス」に3Dプリンタで作った人形を置いて検証する様子を説明する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

落合氏は、「ヌルヌルの5倍ぐらいの面積があるから、結構長いこと滞在できます。(2部屋ある)ミラールームの構成も以前と変わっているので、視覚的にかなり面白い状態になってる」と説明します。
プロトタイプの「ヌルヌルネクサス」を紹介しながらLEDの数が「ヌルヌル」より多いと説明する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

プロトタイプの「ヌルヌルネクサス」を紹介しながらLEDの数が「ヌルヌル」より多いと説明する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

さらに、「ミラーの反射率が良すぎて、ヌルヌルでは視覚障害の方がよく聞こえなかったと聞いたので、音だけの部屋を作りたかった」と、第3の部屋として音の反射をほとんどなくした“無響室”が新設されることを発表。
映像はまったく流れない部屋で、無数のスピーカーから音が自由に動き回るその空間はミラールームの先に設置され、落合氏いわく「デジタルデトックス(水風呂)のような不思議な音体験」が得られるとのこと。

■ ヌルヌルの約15倍の来場者を案内できる、回って震える「null4(テトラヌル)」

講演で「テトラヌル」を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

講演で「テトラヌル」を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

また、2027年3月19日(金)から9月26日(日)まで、神奈川県横浜市で開催される「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」に登場するパビリオン「null4(テトラヌル)」については、「回って震えてる建物」と説明。
大阪・関西万博で、庭園のなかで環境問題を問いかけていた「モナコ館」のように、自然に溶け込んだ4つの棟には建物内に入る没入体験もありつつ、建物自体が回転しながら振動して、外観や動きを鑑賞することに重きを置いたといいます。
「テトラヌル」を実サイズで組み立てて検証する様子を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

「テトラヌル」を実サイズで組み立てて検証する様子を紹介する落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

建物には「各棟に8個ずつ、合計32個の“目(カメラ・センサー)”が設置されていて、近づいて話しかけると喋りますんで」と説明。鑑賞だけでなく、建物とコミュニケーションが取れる対話型体験ができると話します。
さらに限定のフルツアーも用意される予定といい、「幸運な当選者は、アテンダントの案内つきで4つの棟すべてを回れる特別なツアーに参加できます。“未来の森”みたいな感じ」と紹介。
大阪・関西万博で早々に見学予約が閉幕まで埋まった「カーボンリサイクルファクトリー」の「RITE未来の森」「地球の恵みステーション」「化けるLABO」を例にあげ、内部の見学は貴重な体験となりそうです。
日が暮れると“パリピ状態”になると話す落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

日が暮れると“パリピ状態”になると話す落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

その一方で、「敷地前の空間が非常に広くて、4棟のうち“第3棟”は予約なしで誰でもふらっと入れるのと、エリア全体でヌルヌルの約15倍(約500万人規模)の来場者をスムーズにさばけるよう計画しています」と明かし、前回はなかなか入場できなかったファンの懸念にも配慮しているとのこと。
講演後に取材に応じた落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

講演後に取材に応じた落合陽一氏(2026年8月・ATCホール)

昼と夜で一変する二面性があり、「昼は心地よい風を感じながらビールやジュースを片手にぼーっと動きを眺めるのがおすすめ。夜はライトバキバキの“パリピ状態”になってライブも演るので、煌々(こうこう)と輝くパビリオンを楽しめます」と時間帯に寄って楽しみ方もさまざまなよう。
万博ファンならずとも、最新技術を駆使した近未来を体験しに、横浜まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材・文:武並慎治(di;hype)
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