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パリで開催、AIアクションサミット【海外特派員リポート】

2025.03.08

パリで開催、AIアクションサミット【海外特派員リポート】

パリで開催、荒れ模様となったAIアクションサミット【海外特派員リポート】

2月にフランス・パリで開催された「AIアクションサミット」。100以上の国から政府や企業の代表など1,000人以上が出席しました。アメリカと中国を中心に人工知能=AIの開発競争が激化する中、フランスのマクロン大統領は国際的な枠組みを構築していくことを目指していました。
しかし、首脳級の会合で表面化したのは 「規制」と「開発」をめぐる足並みの乱れです。

アメリカのバンス副大統領は 「アメリカのAI技術が世界の基準であり続ける」と述べ、 過度な規制には反対すると主張。地元メディアによると、 バンス副大統領はそのまま退席したということで、「AIのリスクに対処し、透明性に関する作業を継続すること」などが盛り込まれた共同声明には、日本や中国、フランスなど60の国と地域が署名した一方で、 アメリカとイギリスは署名しませんでした。
サミットが目標とした歴史的な合意に至ることはできなかった一方で、会場には世界中から研究者などが集まり、AIが描く未来の姿があふれていました。

ナイジェリアのスタートアップ企業のブースでは、目の不自由な人の生活をサポートするアプリを紹介していました。
このバイシス(VISIS)というアプリには、 目が不自由でもスムーズに読書ができるようにと、文字を認識して読み上げる機能が備わっています。加えて、撮影した写真から自分自身がいる場所の周囲の情報まで、音声で伝える機能も開発しました。

また、AIを活用してアフリカが抱える「言語の壁」と言う課題を乗り越えようとしている人にも出会いました。
チュニジアの大学で教授を務めているハダドさんは、およそ2,000あるアフリカの言語のデータベースを作っています。現在は40の言語をカバーしているということですが、 背景には少数言語を話す人たちゆえの苦悩がありました。ハダドさんは、「言語の壁」を乗り越えることが、様々な分野のイノベーションに繋がると考え、 アフリカの発展に貢献したいと考えています。

一方で、AIのリスクに向き合う必要があると話す人もいます。
アメリカの名門校の一つ、MIT=マサチューセッツ工科大学の研究グループに所属するピーター・スラテリーさんです。スラテリーさんのグループは、 AIによってもたらされる「不当な差別」や「虚偽の情報」などに関連した1,000以上のリスクを特定して公開しています。

「アメリカのAI技術が世界の基準」とバンス副大統領 荒れ模様となったAIアクションサミット フランス・パリ〈カンテレNEWS〉

miyoka
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