聞いてみよか

「大丈夫」って強がるところが似ているかも。桜田ひより&細田佳央太『あの子の子ども』

2024.08.04

「大丈夫」って強がるところが似ているかも。桜田ひより&細田佳央太『あの子の子ども』
カンテレ制作のドラマ『あの子の子ども』(毎週火曜午後11時)で、主人公の川上福(かわかみ・さち)を演じる桜田ひよりさんと、福の恋人の月島宝(つきしま・たから)を演じる細田佳央太さんにインタビュー。2人がそれぞれ大切にしていることや、休日のリフレッシュ法、そして作品への思いなどを伺いました。
ー桜田さんも細田さんも幼少期に芸能界入りしたそうですが、俳優のお仕事を始めたきっかけは?
【桜田】私は小さいときに、母の隣で昼の再放送ドラマを見る時間がすごく好きだったんです。母と一緒に、崖に追いつめられるようなサスペンスドラマをよく見ていました。それで「私もあのドラマの女優さんみたいにテレビに出たい」と母に言ったことがきっかけで、5歳でこの世界に入りました。
【細田】小さいころゲームが大好きで、ある時、ゲームをプレイしているCMを見て“テレビに出たらゲームができるんだ!”と思い、母親に「テレビに入りたい」と言ったのがきっかけです。 母は子どもが「やってみたい」と言ったことはやらせてくれる人だったので、僕の言葉を聞いてチャレンジさせてくれて、4歳からこのお仕事を始めました。
―今、自分らしくいるために大切にしていることを教えて下さい。
【細田】感謝を伝えることです。作品づくりの現場は、いろんな部署のたくさんのスタッフさんが関わっています。僕はそのうちの俳優部。俳優はメイクさんにメイクしてもらって、衣装さんに衣装を用意してもらって、撮影部さんに撮影してもらっています。それぞれ専門分野の人たちの力があって作品が作られるから、やってもらうことが当たり前じゃないし、それを常に忘れないように感謝を伝えることを大切にしています。
【桜田】うわぁ! 「感謝を伝える」ってすてきな言葉! 私は切り替えですね。作品で重いシーンがあるとのめり込みすぎてしまうことがあるんです。その役に入り込むのはもちろんいいと思うんですけど、終わったあとには引きずらないように気をつけています。ちゃんと役と向き合いつつ、終わったら切り替えてお弁当を美味しくいただく、という感じ。仕事が終わったら、楽しいことは思いっきり楽しむことを大切にしています。
―お2人ともお仕事で忙しい毎日だと思いますが、休みの日はどんなふうにリフレッシュしますか?
【細田】最近は家の周りを走っています。宝が陸上の選手を目指している役なので、撮影前に教えてもらった走る姿勢をキープする目的もあって走り始めたら、今はそれが自分の習慣になりました。
この作品に入ってから、休みの日もどこか頭の片隅でこの作品のことを考えていて、僕が休みでもドラマチームは撮影しているなぁ〜と考えてしまうんですけど、走っているときは何も考えずにいられるので、いいリフレッシュになっています。
【桜田】え〜! 休みの日も考えているんですか! すごいですね。でも、それがきっと細田くんにとってベストな状態で、細田くんらしくていいところでもあると思います。
私は休みの日はできる限り仕事のことは忘れて休日を楽しみます。おうち時間のリフレッシュは、お昼寝! 休みの日もくせで朝6〜7時に起きちゃって二度寝ができないタイプだから、朝ごはんを食べて、映画やドラマを見て、音楽をかけてお昼寝する。それが至福の時間。
……とは言え、頭の片隅には、やっぱりドラマのことが残っている感覚はあるかもしれないです。翌日撮影するシーンのことが気になったり。撮影に入っているときとそうじゃないときの休みの日の脳の状態は違うかもしれません。撮影期間の休日には、物語のつながりの関係で髪色や前髪の長さをそろえたり、メンテナンスすることも多いです。
―数々の作品で活躍するお2人ですが、だれかの応援に励まされたエピソードを教えてください。
【細田】先日、電車で仕事に向かっていたとき、たまたま同じ電車に乗り合わせていた中学校時代の同級生が声をかけてくれました。「最近、すごくいろんな作品に出ているよね、家族で見てるよ、がんばってね」って言ってくれたんです。
この仕事をしているといろんな人に応援していただいて、SNSでもコメントをいただけるのはとてもありがたいです。それとは別に、芸能人としてではない、素の自分を知っている人がかけてくれた言葉に、うれしさと共に心の中が温かくなる感覚がありました。素直に「がんばろう」と奮い立ちました。
【桜田】それはうれしいですよね! 私は、毎年1回開催しているファンイベントです。みなさんから「応援してるよ」ってエネルギーをもらえるし、頑張ろうって思えるんです。私もファンの人たちと年に1回会えるのをすごく楽しみにしています。
なので、参加者の方全員に手書きのメッセージカードをプレゼントしています。枚数はたくさんあるけど、これだけたくさんの人が来てくれるんだ、とうれしく思いながら書いています。
―初共演のお2人ですが、お互いの印象は?
【細田】ひよりちゃんは、自分の意志を持っていて、芯がしっかりしている人。そんな強さと共に、周囲の雰囲気がぱあっとなるような明るさと愛嬌も持っている人。このドラマがすてきな雰囲気で制作できている理由の一つは、ひよりちゃんの人間性なんだろうな、と強く感じています。
そんなひよりちゃんが、本当に元気かな? って気になります。現場でもいつも明るくて、疲れた様子なんていっさい見せないけれど、弱さを見せられる場所はあるのかな、って。福ちゃんみたいに、大丈夫じゃないときも「大丈夫」って言ってしまう人だと思うから。
【桜田】えぇ〜! 元気ですよ(笑)。ちゃんとおなかいっぱい食べてます。今回の現場は穏やかな雰囲気で、毎日がすごく楽しいんです。制作に関わるみんなが同じ方向を向いて進んでいるから、睡眠時間を削られるような大事なシーンがあったとしても、疲れはいっさい感じません。元気なまま過ごせています。
細田くんはいいところしか見当たらなくて、もっと悪いところを見たいな、って思うくらい、本当に優しさのかたまりみたいな人です。だから細田くんもたぶん、大丈夫じゃなくても「大丈夫」って言うタイプなんじゃないかなと思いました。そこは共演していて自分と似ているかもしれません。ほとんど毎日一緒にお仕事をして信頼関係も築けてきているので、私がいることによって少しでも細田くんの肩の荷が下りる瞬間があるといいなと思います。
―では、今回のドラマを通して視聴者にどんなことを受け取ってほしいですか?
【桜田】福と宝の選択は、正解でも不正解でもなく、答えがいつかわかる日が来るのかどうかもわかりません。だからこそ、こんな道もある、こんな考え方もある、と、見てくれる人の選択肢を広げるきっかけになったらいいなと思います。
センシティブな内容なので、家族と見るのが難しかったら見逃し配信のTVerや録画で見てもらえたらうれしいです。見てくださる人の心に、何かひとつでも届いたらいいなという思いで作っています。
【細田】若い世代の方たちが、福と宝が一緒に悩みながら歩む姿を見て、なにか考えるきっかけになったらいいなと思います。この作品はとても大切なテーマを扱っていて繊細に描いていますが、だれに教わったらいいかわからない、だれかと話し合うのが難しい内容かもしれません。だからこそ、ドラマを見てもらえたらそれだけでうれしいです。そして若い世代だけではなく、親世代の方々にも見てほしいです。
―原作とドラマを見てくださっている方へのメッセージをお願いします。
【細田】原作を読んだときの宝の印象は「かっこいい!」だったんですが、ドラマの宝は、実際に同じ状況になったら感じるはずの焦りや不安といった人間らしさを表せられるように演じています。原作の宝よりはスマートではないかもしれないけれど、福に対する思いや寄り添う気持ちは、原作を超えるくらい大切にしているつもりです。原作もドラマも両方楽しんでいただけると思います。
【桜田】スタッフみんなが原作にリスペクトの気持ちを持っています。その上で、ドラマとしてのオリジナリティもある作品。漫画とドラマのどちらがきっかけでもいいから、『あの子の子ども』という作品に興味を持ってもらえたらうれしいです。
見逃し配信はこちら(TVer)
見逃し配信はこちら(カンテレドーガ)
『あの子の子ども』公式HP
『あの子の子ども』公式Instagram
『あの子の子ども』公式X
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。
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