『秘密』原作・清水玲子さん ドラマを見て「もう感無量ですね」

『秘密』原作・清水玲子さん ドラマを見て「もう感無量ですね」
 
 
原作者・清水玲子さん 脚本家・佐藤嗣麻子さん
 

『秘密~THE TOP SECRET~』清水玲子(原作)× 佐藤嗣麻子(脚本) スペシャル対談【前編】

ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』の原作者・清水玲子さんと、脚本家・佐藤嗣麻子さんの「夢の対談」が実現。前編では、お二人の出会いや映像化への経緯に加え、ドラマ公式Xに寄せられた視聴者の方からのさまざまな質問について答えていただきました。

清水玲子さんのサイン入り原作本(全12巻)のプレゼントも実施していますので、ぜひご応募ください。

――科学警察研究所の法医第九研究室(第九)のセットをご覧になった感想は?

【清水】 (セットは)クラシカルな作り込みがおもしろいなと。ちょっと昭和初期のような。
【佐藤】 そうそう、昭和の感じ。あれは、セットデザイナーさんが「昔の秘密基地っぽい感じにしたい」と言って。MRI映像をさかのぼって再生するときにキュルキュルってくるくる回すのはいいですよね。
【清水】 そう!「あ、漫画の感じを活かしている」と思った。

青木一行(中島裕翔)、薪剛(板垣李光人)

――清水先生と佐藤さんの出会いについて教えて下さい。

【清水】 (佐藤さんが)萩尾望都先生のCD-ROM作品集の監督をされてらっしゃったんですよね。それでインタビューに来てくださって。
【佐藤】 そこで知り合いになって、その後も舞台を萩尾先生と一緒に見に行ったり。あと、よく漫画家さんのパーティーに呼ばれて出入りしていたので、しょっちゅうお会いしていましたね。
【清水】 基本、少女漫画脳の方だから(笑)。その上に映像が乗っかっているみたいな人なんですよ。
【佐藤】 そう、基本が少女漫画(笑)。元々、萩尾先生の作品を勉強して、ページ数とコマ割りを見て起承転結を覚えたんですよ。だから脚本を書くにしても萩尾先生の漫画がベースになっていますね。

清水「映像の怖さではなく、人間関係が見どころのドラマ」

――『秘密』の映像化は何度か企画が立ちあがったというお言葉がありましたが、どのような経緯を経て今回実現したのでしょうか?

【佐藤】 長いお話なので、私はやっぱり連ドラがいいと思っていたんですが、なかなか引き受けてもらいづらかったというか、内容が激しいので(笑)
【清水】 そうですよね。そこは読者の方々も心配していたところだと思います、「地上波で大丈夫なの?」って。漫画のほうはかなりグロいので(笑)
【佐藤】 漫画はそのグロさが美しい画でオブラートに包まれているんですが、ドラマだとどうしてもそこがリアルになってしまう。でも本当はそれをやりたかった、デヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』みたいな感じで。
【清水】 あはははは。そういう意味では、映像の怖さではなくて、“人間関係”が見どころのドラマになっていますよね。
【佐藤】 そう。やっぱり4人(薪・鈴木・青木・雪子)の人間関係がどう変わっていくかという話を作りたくて。Xで募集した質問の中にも「どうやってエピソードを選定していますか?」とありましたけど、4人の関係が変わるエピソードを選んでいます。あと、「どうして(露口)絹子の事件が1話目だったのか?」という質問もありましたが、それは、4人の関係が変わる話じゃないんですけど、もったいないから絶対やりたいと(笑)。大好きなエピソードだったので。
【清水】 わかります。私も絹子のエピソードは、『秘密』最初の12巻の中ではかなり好きなほうです。

三好雪子(門脇麦)、薪剛(板垣李光人)、青木一行(中島裕翔)

佐藤「薪の気持ちをきちんと視聴者が追体験してほしかった」

――清水先生に伺います。ドラマをご覧になった感想はいかがでしょうか?

【清水】 もう感無量ですね。生きている鈴木を自分でもあまり描いたことがないので、1話目でがっつり生きている鈴木を見ることができて、「あー鈴木をもうちょっと描けばよかったな」と思っちゃいました。なので、それを読み切り作品として描きました。鈴木をちょっと回想するお話です。

――それが『メロディ4月号(2/28売)』に掲載される特別編ですね。鈴木が1話目から出てきたことについてどう思われましたか?

【清水】 すごくサディスティックですよね(笑)。漫画では最初から死んだものとして描いていますけど、ドラマでは、あんなに優しくて頼っていた鈴木がいなくなっちゃうんですから。

――鈴木を1話目から登場させるというのは、どのような意図をお持ちだったのでしょうか?

【佐藤】 映像作品だと、フラッシュで出てくる過去回想はどうしても弱いんです。「これなんなの?」って思っているうちに終わっちゃって感情移入ができない。やっぱり視聴者の方には、薪と同時に貝沼に会って欲しいし、鈴木に会って欲しいし。で、鈴木に死んで欲しいし、貝沼に死んで欲しい。その薪の気持ちをきちんと視聴者が追体験してから青木に会って欲しかったんです。そうじゃないと、薪がなぜあんなに悩んでいるのか、なぜすぐに気絶しちゃうか、一緒に体験しないとわからないと思うんですよね。

――そういった原作からの変更は、どのような話し合いの元に進めていかれたのでしょうか?

【佐藤】 元々最初に作った構成を清水さんに「いかがですか」って感じで見せていたんです。
【清水】 なので、貝沼の設定が違うということは当初から知っていました。
【佐藤】 その後も、違うかなと感じる部分はお互いに話をしてきました。清水さんから「いや、ちょっとこれは」って言われたら直して、こちらから「ここはこうしたい」ってご相談したり。
【清水】 うんうん。(後編に続く)

貝沼清孝(國村隼)、薪剛(板垣李光人)

『秘密~THE TOP SECRET~』清水玲子(原作)× 佐藤嗣麻子(脚本) スペシャル対談【後編】

※原作本全巻プレゼントへの応募方法は、後編にてお知らせいたします。

<原作者・清水玲子さん>
1983年「三叉路物語(ストーリー)」でデビュー。2002年に「輝夜姫」で第47回小学館漫画賞を、2011年には「秘密-トップ・シークレット-」で第15回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。現在は「MELODY」(白泉社)にて「秘密season0」を連載中で、最新作「DNA」編11・12巻は2月20日に同時刊行されたばかり。麗かつ繊細なタッチで描いた絵と、深く壮大な世界観の少女漫画作品は、熱狂的なファンを獲得している。

<脚本家・佐藤嗣麻子さん>
映画監督、脚本家。1987年、ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールへ留学後、脚本・監督を務めた日英合作映画『ヴァージニア』(1992年)で東京国際ファンタスティック映画祭「アボリアッツ賞」を受賞。また、1995年の監督作『エコエコアザラク』が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で批評家賞(南俊子賞)を獲得。
映画・テレビドラマの『アンフェア』シリーズやドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』、映画『陰陽師0』など、数々のヒット作を手掛ける。
miyoka
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この記事へのコメント

パジャマっこ

・本当に毎週楽しく見ています。1週間が待ち遠しくて、でもその回が終わってしまうのが惜しくて…私は原作を読んでいるので、いわば「答え合わせ」のようなものになってしまうはずなのに。こんなにも新鮮に、毎回毎回の視聴が楽しみで楽しみで、ひとつひとつが大切で宝物です。
・原作漫画がメロディに掲載されたら楽しく読んで、次をただ待つだけだったのがドラマ化で毎週の楽しみができてたくさんの人が同じように楽しんでいて、こんなにエキサイティングな時がくると思いませんでした。
・どんなに素晴らしい原作があってもそのままを映像にすれば良いわけではなく、映像化にあたりカットしても大丈夫な部分、肉付けした方が良い部分などの取捨選択は非常に難しいと思いますが、原作者がどこを描きたくて、どこを見せたい伝えたいのかを汲んでこんなにも素晴らしいドラマにしてくださったこときっと一生忘れないです。漫画と映像では体感速度が違うし、コマとコマの間の動きや表情などは役者の力が必要、そしてそれを監督がひとつの映像として「現実」のものにしてくれる。私は常々、この清水玲子先生の世界の住人になれたらどんなにか素敵でしょう…と思っていたのですが、ドラマがそれを叶えてくれました。あの薪さんが、鈴木や青木、第九が、同じ次元にいるんです。自分が生きているこの世界で行われているんだ、そうなのかもしれない!と…そんなことが叶うなんて夢みたいです。
・おふたりの対談の内容や、日常的にやり取りしている様子から、本当に心の底から信頼し合っていることが窺えます。また、そんな相手と一緒に仕事ができるという喜びも感じられます。佐藤嗣麻子先生がご担当で本当に良かった。本当に嬉しいです。幸せな歴史にしてくださってありがとうございます。
・ドラマが放送開始してから「良かったね、本当に楽しみにしてたものね」と人に言われて初めて、自分がそれほどに不安や緊張を抱えて、でもドラマ化は嬉しいからそれを素直に喜べば良いのにどうしてそうできないんだろう…など様々な思いのすべてが「楽しみ」に凝縮されていたのだとわかりました。そう!私本当に本当に楽しみにしてたの!という気持ちを知っているかのように、本気でこの「秘密」の世界観を表現しようと、元々の原作ファンだけではなく、すべての視聴者に伝えてくださっているのだなと感じています。1話を見た時点で「この素晴らしい原作を表現したい、伝えたい」という気持ちで作ってくれてる!と確信が持てました。
・「この漫画が好き」だけではなくどこがどういうふうに好きで、どうしたいのか…が「薪をもっと苦しめようと(笑)」の一文を拝見して、この作品の脚本は佐藤先生にしか書けない。佐藤先生だからこそ最高のドラマとなる!!と思いました。この先の秘密season0の物語のテレビドラマ化、映画などの展開を期待しています。そして、その際も絶対に佐藤先生の脚本が良いです。そんな素敵な作品をいつか拝見できることが、私にとっての夢であり「願いだ」です。ぜひ続編もよろしくお願いします!!!

マーチャ

『秘密』はこの世で1番好きな漫画です。
大阪の原画展にも行き、生の美しさに涙が出ました。
ドラマ化されると聞いてショックだったのですが、だんだん板垣さんが薪さんに見えてきて自分でも驚きました。
雑誌で『秘密』の特集記事を見るたび、板垣さんの顔つきがどんどん薪に近付いてキリっとしていくのでドキリとします。
原作厨として抵抗しつつも引き込まれてしまいます。
これも清水 玲子先生の作品のすごさがあってこそです。
先生は漫画で虐待や介護、性犯罪など社会問題を取り上げながら少女漫画としての面白さも両立させていて本当にすごいです!
こんなに難しいことをやってのける漫画を他に知りません。
私も登場人物たちのようなつらさを経験したことがあり、長年悲しみや苦しみを持て余してきました。
そんな時に出会った、誰も見向きもしない人々の苦しみを掬い上げて、寄り添いすぎて怒って泣いちゃうのに真正面から向き合う薪さんの存在が救いになりました。
薪さんがいたら、こんな風に私のために悲しんで怒ってくれたかもしれない、と慰められました。
おかげさまで今は立ち直ることができました。人生を変えてくれた作品です。
そもそも、ドラマ化にショックを受けていながら私が『秘密』を知ったきっかけは実写映画を観たことでした。
実写化で傷ついてしまう原作者の方も多い中、アニメ化や映画化、ドラマ化を許してくださる先生の懐の大きさがなければ私は『秘密』と出会うのがもっと遅かったかも、最悪出会えなかったかもしれません。
こんなに美しくて切なくて面白い作品を知らなかったかも、と思うと恐ろしいです。
今回のドラマ化で、同じように苦しみを抱える人たちが『秘密』と出会えることを祈りながらドラマを観ます。
素晴らしい作品を読ませてくださった清水先生に心から感謝しています。
いつまでもお元気で、お幸せでいてくださることを願っています。本当にありがとうございます。
これからもずっとずっと『秘密』を楽しみにしています。

chappy

初回放送の日に本当にたまたまテレビをつけてやっていたのが秘密でした。
面白かったなぁ、原作もあるんだぁと電子版で読み始め、先が気になりすぎて止まらず寝不足になりながらも一週間ほどで読破してしまいました…!
原作もドラマもどちらも素晴らしいです!!こんな名作に出会わせてくれて感謝です。
そしてもう折り返し地点なのが悲しいくらいです、、シーズン化や映画化があるといいなぁと思っています。

しいたけ

6話まで放送され折り返したことがすでに寂しくもあります。観たいけど終わって欲しくない気持ちでいっぱいです。
改めて素敵な対談を実現していただきありがとうございます。
原作を読んだ状態でドラマを観るとより深いところまで理解して観ることが出来ますが、原作を読んでいなくても充分に原作の世界観、間、社会性を感じることができる稀有なドラマだと思います。
まだ原作を読んでない人には是非読んでドラマを見直して欲しいですし、原作は読んでるけどドラマを見ていない人には見てほしい!そんなことを毎日考えています。
お二人の対談は、原作ファンの方にも納得してドラマを見ていただくきっかけになると感じています。
原作者の清水先生と相談のうえ脚本が書かれていること、清水先生のファンである佐藤先生が脚本を担当されていることを伝えていただきありがとうございます。
この後の展開を思うと見たいような見たくないようならの葛藤に苛まれています。
蒔さんの鈴木への思いは創世記を読んでこそ理解できると思うので1話分組み込まれていたりしないでしょうか。そんなことを思いながら今後も楽しみたいと思います。
素敵なインタビュー、素敵なドラマをありがとうございます。

ManAmi

先生方の対談、楽しく拝読させて頂きました!
原作をまだ読めていないので、貝沼の設定や鈴木の登場のシーン、改変した部分もたくさんあることを知り、
ドラマも良いけど原作も読んでみたいなぁ...と思ってしまいました。
それくらい秘密にずっぷりハマっています!

ハナハナ

ドラマを見て惹かれ、原作が清水さんと知り、漫画を読んですっかりはまりました。
ドラマは2人の切ない関係性がより色濃く出て、つらくなりますが、最後に救いがあると信じて最後までしっかり見たいと思ってます。

1022chan

ドラマ秘密、大好きです!!ドラマ秘密にハマってからは毎週月曜日が楽しみで仕方ありません。毎日薪さんと青木のことを考えてます!笑
原作者清水さんと佐藤さんは、原作を本当に大切にしていらっしゃるのが伝わってくるし、原作ファンを置いていかない、、だからこそ原作ファンにも愛される作品になっているし、実写化として本当に素晴らしいと思いますㅠ_ㅠ

oden311

お二方の作品への情熱と愛情と作品の理解度が深まる対談で興味深く読ませていただきました。素敵な機会をありがとうございます。
今後もドラマ秘密、楽しみです!

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