ハッピーエンドの未来が全く見えない「夫間違い」聖子(松下奈緒)と一樹(安田顕)の「電話シーン」どう解釈する?【ドラマ『夫に間違いありません』】
松下奈緒主演『夫に間違いありません』第10話レビュー
松下奈緒さんと桜井ユキさんによる“劇中バトル”の激しさが増しているドラマ『夫に間違いありません』(毎週月曜よる10時~放送/カンテレ・フジテレビ系全国ネット)。その第10話が3月9日に放送されました。
遺体を行方不明の夫・一樹(安田顕)と誤認してしまい、生命保険金を受け取ってしまった妻・朝比聖子(松下奈緒)。
第9話では聖子が、週刊誌記者・天童弥生(宮沢氷魚)と聖子が営む飲食店で働いていた葛原紗春(桜井ユキ)が手を組んで、一樹の行方を追っていることに気づきます。聖子と紗春は、お互いが握っているそれぞれの秘密を黙っている代わりに、今後関わり合わないことを約束します。しかし聖子は、紗春が娘の希美(磯村アメリ)を虐待していると考え、児童相談所に連絡。こうして二人は再び対峙(たいじ)することに…。
第9話では聖子が、週刊誌記者・天童弥生(宮沢氷魚)と聖子が営む飲食店で働いていた葛原紗春(桜井ユキ)が手を組んで、一樹の行方を追っていることに気づきます。聖子と紗春は、お互いが握っているそれぞれの秘密を黙っている代わりに、今後関わり合わないことを約束します。しかし聖子は、紗春が娘の希美(磯村アメリ)を虐待していると考え、児童相談所に連絡。こうして二人は再び対峙(たいじ)することに…。
『夫に間違いありません』第10話 磯村アメリ、松下奈緒
第10話では、聖子の息子・栄大(山﨑真斗)が、死んだと思っていた父親の一樹が生存していることに勘づき始めます。そして、聖子と一樹が連絡を取り合っていることを目にしたことで、疑いが確信に変わります。感情の行き場を失った栄大が連絡した相手、それは一樹の罪を暴こうとする、聖子の天敵・天童でした。
『夫に間違いありません』第10話 宮沢氷魚、山﨑真斗
二人が向き合ってしゃべる場面が連続する理由
第10話では一つの特徴的な傾向が見られました。それは、二人の登場人物が向き合いながら会話をする場面がとても多かったこと。聖子と紗春。聖子と弟・光聖(中村海人)。光聖の婚約者・まゆ(松井玲奈)と、まゆの母親で、汚職で逮捕された国会議員の九条ゆり(余貴美子)。天童と栄大。これらの場面でカメラは、お互いを正面から撮影。そして、画面を何度も切り返すのです。
『夫に間違いありません』第10話 松下奈緒
この切り返しは、古くから映像作品で使われている撮影・編集の技法です。今回の第10話では、それを多用することで会話に臨場感を生んでいます。また、目の前にいる相手との因縁や自分の覚悟が強調される効果も持っています。テンポが早ければ切迫感が生まれ、ゆっくりであれば心理的な重さが際立ちます。
たとえば聖子と紗春の会話の場面では、正面からの撮影と切り返しの編集により、相手に抱く憎しみや自分の意地が衝突するところが際立って見えます。はたまた聖子が、光聖をあえて突き放す場面では、姉と弟の思いの深さが視聴者にじっくり染み渡るようになっていました。
たとえば聖子と紗春の会話の場面では、正面からの撮影と切り返しの編集により、相手に抱く憎しみや自分の意地が衝突するところが際立って見えます。はたまた聖子が、光聖をあえて突き放す場面では、姉と弟の思いの深さが視聴者にじっくり染み渡るようになっていました。
『夫に間違いありません』第10話 中村海人
一方、留置場にいる九条ゆりにまゆが面会に訪れる場面では、正面撮影と切り返しの編集により、お互いの覚悟と執念が激しくぶつかり合うように見えました。まゆの姿から感じられたのは、悪事を犯した母親と縁を切ることも厭(いと)わない覚悟です。一方の九条ゆりからは、縁を切ることなんてできないと怒りが伝わってきます。そしてカメラは、「面会終了!」と怒号を飛ばす九条ゆりの表情を、正面から接近撮影します。九条ゆりの強烈な表情を捉えたその画面は、まゆの視界そのものと言えるでしょう。つまりその瞬間、母親の姿がどのように見えたのかを視聴者にも味わわせているのです。
『夫に間違いありません』第10話 松井玲奈
『夫に間違いありません』第10話 余 貴美子
ちなみに留置場での面会なので、まゆと九条ゆりの間には仕切りのアクリル板があります。しかし九条ゆりの迫力は、その仕切りも打ち破って“こちら側”に迫ってくる印象を与えます。九条ゆりという人物が持つ底知れぬ怖さが、撮影と編集によって生々しく伝えられました。
聖子と一樹の電話での対話シーン、どのように解釈?
ここで興味深い場面を一つ挙げます。それは、聖子と一樹が電話で話をするところ。ここでもお互いの表情が正面から撮影され、画面の切り返しが何度かあります。ただほかの同様場面と決定的に違うのが、二人は直接向き合っておらず、離れた場所にいること。
ほかの場面は直接向き合っているので、相手の表情などから感触をなんとなくつかむことができます。でも、聖子と一樹はそれができません。
ここは、ご覧になる方によっていろんな解釈ができると思います。二人は向き合っているようで、実はずっと前から向き合えていなかった。生きる場所が違った。逆に、離れていても心の奥底では結びつくことができていること――。
二人はお互いのことをどう思っているのか。それは残り2話で明かされるはず…ですが、どんな結末を迎えるのかまったく読めませんよね。何ならこの第10話の時点で、まだまだ話が広がっていますから。ハッピーエンドの未来が見えないのですが、果たして!?
ほかの場面は直接向き合っているので、相手の表情などから感触をなんとなくつかむことができます。でも、聖子と一樹はそれができません。
ここは、ご覧になる方によっていろんな解釈ができると思います。二人は向き合っているようで、実はずっと前から向き合えていなかった。生きる場所が違った。逆に、離れていても心の奥底では結びつくことができていること――。
二人はお互いのことをどう思っているのか。それは残り2話で明かされるはず…ですが、どんな結末を迎えるのかまったく読めませんよね。何ならこの第10話の時点で、まだまだ話が広がっていますから。ハッピーエンドの未来が見えないのですが、果たして!?
『夫に間違いありません』第10話 安田 顕
文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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