1度目の人生とは違う展開に直面するミチル(伊原六花)!優吾(七五三掛龍也)の温かな人柄と料理への姿勢から考える「成功と幸せの形」 ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話
「水ドラ★イレブン」枠のドラマ『小麦とバターと復讐と』(毎週水曜 午後11:00~/カンテレ・フジテレビ系全国ネット)の第3話が、10月21日に放送されました。
2年前にタイムリープしたパン職人・野崎ミチル(伊原六花)が、過去をやり直しながら奪われた人生と本当の幸せを取り戻していく同作。第3話ではミチルが、1度目の人生で自分をパン職人の成功へと導いてくれた人気モデル・ハルナ(トラウデン直美)と“再び”出会うことに。しかし、2度目の人生でもミチルのパン職人としての未来を左右するハルナとの大事な場面で、 1度目の人生とは違う展開が起こります。 将来、ミチルの助手になり、夫・野崎賢人(味方良介)と浮気をする杉本カナエ(寺本莉緒)が、ミチルとハルナの間に突然割って入ってきたのです。
ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話 ハルナ(トラウデン直美)
ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話 野崎ミチル(伊原六花)、杉本カナエ(寺本莉緒)
◆レシピ通りに作ることが必ずしも正解ではない
第3話では、数々の“想定外”が発生します。
特に印象的なのが、2年前にタイムリープしたことで、パン職人の夢をかなえる前に戻ったミチルが再び通う料理教室の先生・伊能優吾(七五三掛⿓也)の存在です。
特に印象的なのが、2年前にタイムリープしたことで、パン職人の夢をかなえる前に戻ったミチルが再び通う料理教室の先生・伊能優吾(七五三掛⿓也)の存在です。
ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話 伊能優吾(七五三掛⿓也)
ミチルは、パン職人として成功した1度目の人生の再現を試みます。しかし、1度目の人生で考えついたパンのレシピは、2度目の人生では簡単に思い出せないという“物語上のルール”が存在。 そこで、前回と同じ人生を歩むことで、パンのレシピを思い出していこうとします。それはすなわち、1度目の人生で自分を裏切り、再び不倫をする将来がわかっていながらも 夫・賢人(味方良介)と一緒に過ごすことを意味します。
もちろんそれくらい、ミチルにとっては考案したパンのレシピは大切なもの。でも果たして、自分の本音を誤魔化しながら賢人と一緒にいることは幸せなのでしょうか?そんなミチルが気持ちを変化させるきっかけとなるのが優吾です。優吾は、“野菜嫌いの子どもに野菜を食べてもらえる料理”作りに協力してほしいと、ミチルにお願いします。この調理場面がとても大切に思えました。
ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話 伊能優吾(七五三掛⿓也)、野崎ミチル(伊原六花)
どれだけ味や食感が良くても、野菜嫌いの子どもにとっては、野菜が入っていると目で見て分かっただけで食べることをためらってしまいます。食べる人の心情まで深く読み取る優吾は、料理の見た目にも工夫を加えようとするのです。
ミチルはいつの間にか、1度目の人生の“成功体験”をなぞることばかり考えていました。パン職人として成功するためには何をすべきか。誰と出会い、どんな道をたどればいいのか。そんなことばかりに意識が向いていたのです。
ミチルはいつの間にか、1度目の人生の“成功体験”をなぞることばかり考えていました。パン職人として成功するためには何をすべきか。誰と出会い、どんな道をたどればいいのか。そんなことばかりに意識が向いていたのです。
一方の優吾は、おいしく食べてもらう=成功するための“レシピ”を考えながらも、その通りに作ることを必ずしも正解とは捉えていませんでした。つまり、ミチルが再現しようとしている1度目の人生も、いわば成功するための“レシピ”。しかし、料理のレシピが食べる人に合わせて変わるように、人生だって一度成功した道筋が、必ずしも今の自分にとっての正解とは限らないのです。
◆七五三掛龍也さんの柔らかな演技
第1話、第2話では、まさにドラマタイトルの小麦やバターのように、物語を形作る食材の一つだった優吾。しかし第3話では、その存在感が一気に増しました。七五三掛龍也さんの柔らかな物腰を感じさせるお芝居も相まって、優吾はまさに焼き上がったばかりの温もりあるパンのようです。
ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話 伊能優吾(七五三掛⿓也)
ただ、優吾の存在が大きくなればなるほど、筆者の胸はザワザワしてしまいます。“ミチルの宝物ハンター”のカナエの影がチラつくからです。1度目の人生では、ミチルから賢人を奪ったカナエ。2度目の人生でも賢人を自分のものにし、そればかりかミチルのパン職人としての世間の評価まで横取りしようとします。
ミチルにとって2度目の人生で大切な存在になりつつあるのは、優吾です。もしそれにカナエが気づいてしまったら…。“優吾に限ってそんなことはない”と思いつつ、それでも万が一、カナエの誘惑に乗るようなことがあれば、私たちはこの世の中でいったい何を信じれば良いというのでしょうか(笑)。
“人生はレシピ通りにはいかない”ということを踏まえると、“そんなはずはない”と思っていても、何が起こるか分からないのが怖いところ。ミチルにとって2度目の人生に“想定外の幸せ”が訪れる可能性がある一方で、絶対に起きてほしくない“想定外”もあるかもしれません。
ドラマ『小麦とバターと復讐と』第3話 野崎ミチル(伊原六花)
文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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