助け合う北陸の水族館、イルカ物語に感動【ウラマヨ!】
2024.10.05
「これは“カマイルカ”というイルカで、(石川県にある)のとじま水族館から避難してきた2頭です」館長の松原亮一さんがそう紹介してくれたのが、屋外プールで気持ちよさそうに泳ぐ2頭のイルカです。
元日の北陸地方を襲った能登半島地震は多くの被害をもたらしました。越前松島水族館から離れること約150km。震源地近くで営業していたのとじま水族館は、大きな被害を受けて多くの生き物の飼育が困難に。
日本水族館協会を通してイルカの受け入れ要請があったのが1月3日。その3日後の6日、越前松島水族館のスタッフ5人がのとじま水族館へ。まだ震度5クラスの余震が続く中、被災地で不足していた飲み水等を積んでトラックを走らせました。
通常なら片道2時間半ほどですが、被災した道路を走るため4時間以上。飼育員がつきっきりで海水をかけながら運搬し、無事搬入することができたそうです。
今回、受け入れを即決した裏側について、「実はうちの水族館としての“27年前の恩返し”でもあるんです」と切り出した松原館長。
奇しくも同じ年始の1997年1月2日、重油を積んだロシアのタンカー“ナホトカ号”が日本海沖で悪天候により沈没。6000キロリットル以上とされる大量の重油が海に流れ出てしまうという事故が起きました。
「本当に油で波が立たないぐらい海がドロドロになったんです。水族館では海から水をくみ上げて使っているんですけど、その汚水がうちのイルカプールに流入したんです。飼育し続けることはできないということで当時SOSを出しまして、その時に二つ返事で受け入れてくれたのが、のとじま水族館だったんです」
ちなみに2頭のカマイルカは、のとじま水族館のプールの修復が進んでいることから、今のところ11月中に“帰郷”する予定だということです。
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