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完売続出!約300年続く奈良・中川政七商店のひな人形が今アツい

2025.02.26

完売続出!約300年続く奈良・中川政七商店のひな人形が今アツい
3月3日のひな祭りは、女の子の健やかな成長を願い、桃の節句として、ひな人形を飾る伝統行事。しかし、現代の住宅事情もあり、段々と私たちの暮らしから“ひな人形を飾ること”そのものが失われつつあります。
そんななか、奈良県に本社がある1716年創業の「中川政七商店」のオリジナルひな人形が次々と完売しているという情報をキャッチ。昨年(2024)には、オリジナルのひな飾りが売り上げ6倍成長を遂げたという同社の広報担当・佐藤菜摘さんに現代のひな人形事情や今年の新作ひな人形の魅力を聞きました。
※ 画像はすべて「中川政七商店」提供/価格はすべて税込

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現代のひな人形は、大人のインテリアとして人気

小スペースにも置け、伝統もしっかり感じる現代の暮らしになじむひな飾り

もともと、江戸時代に地場産業である奈良晒(ならざらし)の商いからスタートした中川政七商店。現在は、「日本の工芸を元気にする」をビジョンに掲げ、日本各地の工芸を生かした生活雑貨などの商品を展開しています。まずは、現代のひな飾り事情について聞いたところ、「従来のお子様やお孫様の初節句祝いだけでなく、季節感を取り入れる大人のインテリアとして購入する方も増えています」と佐藤さん。

「鳴子こけしの雛飾り 小」(44,000円)

お正月飾りやお月見飾りと同じような感覚で、子どもの有無にかかわらず「季節のしつらい」として桃の節句を楽しめるよう提案したのが、日本の工芸技術を生かした現代のインテリアになじむデザインのおひな様でした。とりわけ、宮城県の鳴子こけしを生かした「鳴子こけし雛飾り」や陶器でできた「瀬戸焼の雛箱飾り」がインテリアとして人気です。今年からは、新作の「硝子の雛飾り」も。玄関の棚やリビングなどに、「季節のしつらい」として取り入れる人が多いのだとか。

硝子の雛飾り(28,600円)

手軽な値段の「注染てぬぐい」を壁に、「瀬戸焼のまめ雛飾り」をちょっと置くカジュアルな飾り方も人気です。

「瀬戸焼のまめ雛飾り」(1,650円)

人気の秘訣(ひけつ)&オリジナルひな飾り誕生秘話

手織り麻の木目込み雛飾り 十人飾り 背景(几帳)・素木台(418,000円)

インテリアとして取り入れられる価格帯のひな人形だけでなく、同社は、本格的な節句飾りも開発。その売り上げは6倍成長するほど、人気を博しているオリジナルひな飾りですが、誕生のきっかけは、同社の育児休業を経験した一人のデザイナーさんの思いからでした。「周りのお母さんたちが、初節句の飾りをどこでどんなものを買えばよいか悩んでいたのを目にしたこと」なのだとか。子や孫の初節句の提案を「中川政七商店」でもしてあげられるのでは?という思いと新たなチャレンジに理解を示した職人さんたちがその思いに応えて生まれたのが、「家のインテリアになじむ雛人形」だったのです。2019年から本格的な販売がスタートしました。

現代は、マンションやアパートといった住環境の家庭が多いので、広いスペースが必要になる「七段飾り」などの段飾りや江戸時代に上方(関西)ではやった豪華絢爛(けんらん)な「御殿飾り」などの伝統的なひな人飾りを飾ることは、物理的にも難しくなってきました。また、何かと忙しい現代では、ひとつひとつの小物を飾り付ける時間もありません。
中川政七商店のひな人形は、そんな現代のニーズに応える、今の暮らしに合うコンパクトな大きさが特徴です。

手織り麻の木目込み雛飾り 十人飾り 背景(几帳)・素木台(418,000円)

なかでも「私たちの理想のおひな様ができた」と佐藤さんが語る、人気の「手織り麻の木目込み雛飾り」は、創業100余年を迎える東京・御徒町の老舗人形メーカー「真多呂人形」と作ったものです。木目込み人形は、胴体に彫った溝に布地の端を埋め込んで、衣装を着せたように見せる人形で、「真多呂人形」は、発祥の地である京都の上賀茂神社から木目込み人形の正統伝承者として唯一の認定を受けています。

着物には、中川政七のルーツである手績み手織り麻を使用し、ふっくらとした愛らしい顔と収納時も便利なコンパクトなサイズ感を実現した商品です。同商品の親王飾り、五人飾り、十人飾りのタイプは、すでにオンラインショップでは一部完売(桜染めは、すべて完売)の人気ぶり。まだ直営店で購入できるものも多いとのことなので、気になる方は訪れてみてください。

他にも、奈良の伝統工芸・一刀彫と作った「奈良一刀彫の雛飾り」も完売し、その他も完売間近のものが多い状況なのだとか。これだけの人気を得た秘訣を佐藤さんは、「今の暮らしに合うコンパクトな大きさと、伝統的な佇まいの要素がポイントだと思います」と説明します。本棚や小型家具の上など小さなスペースにも飾れるサイズでありながら、職人さんの“手仕事によるものづくり”を大切している姿勢も人気の秘訣なのです。

今年は人間国宝の染織家・志村ふくみ「アトリエシムラ」とコラボ

アトリエシムラ×中川政七商店の「草木染めの衣裳着雛飾り」(495,000円)

洋風和風問わず現代のインテリアになじむ色合いが魅力の同店オリジナルひな人形。今年は、人間国宝の染織家・志村ふくみ氏の芸術精神を継承した染織ブランド「アトリエシムラ(atelier shimura)」と初コラボした「草木染めの衣裳着雛飾り」を生み出しました。

アトリエシムラ×中川政七商店の「草木染めの衣裳着雛飾り」(495,000円)

アカネやサクラ、シコン、ベニバナなど15種類の植物の根や枝、葉を採取し、手作業で糸を染めた草木染は、“自然のゆらぎ”をそのまま映し出す色糸が特徴。さらに着物は、すべて手織りによってつくられています。それを埼玉県川越市で三代にわたり、ひな人形をつくり続ける「津田人形」が衣裳着びな【公家の正装である束帯(男雛)、十二単(女雛)を着せつけた雛人形】に仕上げ、柔らかい雰囲気をまとっているのが魅力です。

職人による古き良き伝統と現代のライフスタイルに寄り添うデザイン性をバランスよく合わせ持った「中川政七商店」のひな人形。これならば、ひな祭り気分を存分に味わえ、片付けも簡単です。春の訪れを感じるインテリアとして、あなたの身近にひな人形を置いてみてはいかがでしょうか?

「中川政七商店」ひな人形特集ページ
https://nakagawa-masashichi.jp/shop/e/ev0272/

※商品ページより店舗の在庫有無をご確認できます。取り置きは各店舗に直接お電話ください。
miyoka
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