食べてみよか

シーズン到来、進化しつづける関西のご当地いちご4選

2025.02.05

シーズン到来、進化しつづける関西のご当地いちご4選
いよいよ旬を迎える「いちご」。近年は全国各地でさまざまな品種のいちごが開発、栽培され、スーパーなどの店頭では個性的ないちごがズラリと並ぶ光景を目にします。
実は関西でも各自治体で独自品種のいちごが開発されており、続々と市場に登場しています。今回は関西の独自品種のいちごとその魅力について、各自治体の担当者に聞きました。

奈乃華(なのか)/奈良

近年「古都華」や「アスカルビー」などの独自品種で知られている奈良県のいちご。最新の品種として2024年に「奈乃華(なのか)」が登場しています。
「いちごは一般的に暖かくなる春先に果実の柔らかくなりやすいのですが、春先においても果実が硬く、大きくて甘いいちごとして育成された品種です」(奈良県担当者)。
味わいは先端部分がとても甘く、へたの周りはほどよい酸味があるのが特徴。奈良県の担当者によると、「口の中で甘みと酸味が混ざり合ってコクが感じられますよ」とのことで、そのまま丸ごと頬張って食べるのがおすすめなのだそう。「古都華」や「アスカルビー」などと一緒に食べ比べして楽しむのもおすすめです。

2024年に登場した奈良県の独自品種「奈乃華」
(提供:奈良県農業研究開発センター)

まりひめ/和歌山

和歌山からは2010年に生まれた「まりひめ」がスタンバイ。和歌山県の民芸品「紀州てまり」のようにかわいらしく、皆に愛される品種となることを願って「まりひめ」と名付けられた独自品種です。
「早生で豊産性の「章姫」とコクのある味わいの「さちのか」を交配した中から、品質・収量とも有望な系統を選抜し、誕生したいちごです」(和歌山県の担当者)。親となる品種のいちごの良さを最大限に引き出されているので、11月中旬頃~5月中旬頃と長期間楽しめるのだそうです。
「甘味がとても強く、やさしい酸味が特徴。果汁が多く、食べたときのジューシーさと香りが魅力ですよ」(和歌山県担当者)。
ちなみに大きさが35g以上の大粒の果実で、なおかつ糖度の高いものは「毱姫様」としてプレミア化され販売しているのだそう。「まりひめ」の生産量のわずか0.1%程度しか出荷されない貴重ないちごなので、贈答品などにおすすめです。

果肉も紅色を帯びていて美しい和歌山県の独自品種「まりひめ」
(提供:和歌山県農林水産部)

あまクイーン・紅クイーン/兵庫県

2017年に品種登録された兵庫県の独自品種「あまクイーン」と「紅クイーン」。生産者の方々から「イチゴ狩り、直売所販売に適した兵庫独自のイチゴ品種を!」との声が多く上がり、「とにかく甘くておいしい果実、忘れられない印象的な果実」を目指して開発されました。

艶やかな赤が美しい兵庫県独自品種「あまクイーン」
(提供:兵庫県立農林水産技術総合センター)

甘味と酸味のバランスが抜群!兵庫県の独自品種「紅クイーン」
(提供:兵庫県立農林水産技術総合センター)

「あまクイーンは糖度が高く酸度は低いため、甘みを強く感じられるのが特徴。また、実は柔らかく果汁が多くてジューシーな口当たりが楽しめます」(兵庫県立農林水産技術総合センター担当者)。
そして、「紅クイーンは、糖度は高めながら、程よく酸味もあるなど、バランスの良い味わいが特徴。果実はやや硬めですが、輸送にも耐えるので持ち運びにも安心です」(兵庫県立農林水産技術総合センター担当者)。どちらも異なる特徴を持っていて、いちご好きなら食べ比べしたくなってしまいます。
いずれも地元のスーパーや直売所なら手に入りやすいそうです。この春は関西独自品種のいちごをめがけてお出かけするのもいいですね。
取材・文:野村真帆
関西に特化した編集・ライター。プライベートでは小学生と犬2匹の母。美味しい食べ物と車の運転が好き
miyoka
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