扇町を演劇の街に! OMCこけら落とし公演 劇団数珠つなぎコラム#2【匿名劇壇・福谷圭祐】
2023.10.20
大小合わせて10の空間で、演劇から展示まで様々なアーティストたちが活動、文化発信の基地となります。
CUBE01と名付けられたホールでは、関西を拠点に活動する劇団の中から8団体が、12月30日(土)までの3か月間に渡りこけら落とし公演をつなぎます。期待と興奮が渦巻く中、各劇団の主宰者たちは今何を思うのでしょうか。OMCに寄せる思いをコラムの形で数珠つなぎにしていきます。
第二回は10月28日(土)から二日間にわたり上演を予定している匿名劇壇の福谷圭祐さん。
―「劇場」にとって、「客」とは誰か。―
だからといって、集客力のない団体や、つまらない作品ばかり上演する劇場になってしまえば、そりゃあ未来は明るくないだろう。「いい作品をつくろう。そして、たくさんの人に見てもらおう」というのは、劇場と劇団の共通課題だ。……我々の方が切実だと思うが。
さて、1億台の販売数を突破したNintendo Switch。「ハコ」である劇場は、ゲームにおける「ハード」だと考えていい。僕たち劇団=コンテンツメーカーだって、せっかくつくるならSwitchで売りたい。みんなが持っているハードだから。Switchにおいて、驚異的な販売台数を誇るソフトは……、『マリオカート8 デラックス』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『あつまれ どうぶつの森』などなど。おっと、どれも任天堂じゃないか。
ハードとソフトは、表裏一体だ。そのソフトが遊びたいから、みんなそのハードを買う。そのハードを持っているから、みんなそのソフトを買う。劇場と劇団こそ、共同でコンテンツメイクをしていく必要がある。そうでなければきっと、「すごいソフト」は生まれない。
ただの貸しスタジオなら他にある。ボチボチの作品を上演する団体もいくらでもいる。すでに評価されている作品を、移植ゲーのようにリメイクするのもアリかもしれない。
が、ここはひとつ、扇町ミュージアムキューブと我々で、コンテンツの共同開発していこうじゃないかと叫びたい。我々でなくたって構わない。ソフトメーカーと、開発してほしい。単なるプロデュース公演ではない。作家と演出家と役者を集めて、企画をしろということではない。開発だ。劇場と劇団で、開発をしよう。すごいコンテンツを、つくろう。だからもう、金を出せ。いっつも赤字や、俺ら。ほんまもう、頑張るから。口悪くてごめんな。おもろいもんつくるから、俺らのこと、「お客様」やと思わんといてな。
匿名劇壇・代表 福谷圭祐
―さて、次のバトンはどなたに渡るのでしょうか。お楽しみに。
匿名劇壇・代表 福谷圭祐
2011年に近畿大学舞台芸術専攻の学生らで結成。
作風はコメディでもコントでもなく、ジョーク。ロジカルな語り口に、シニカルな笑いを点在させることが特徴。
公演概要
【公演日時】10月28日(土)~29日(日)
【会場】扇町ミュージアムキューブ CUBE01
【料金】全席指定席 4,000円(前売り)/4,300円(当日)
U22、高校生以下チケット各種あり。
※未就学児の入場はご遠慮下さい
【チケット】チケットぴあ http://w.pia.jp/t/tokumeigekidan/
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