行ってみよか

自分らしく暮らす。宮崎に家族で移住して手に入れたもの。

2023.11.13

自分らしく暮らす。宮崎に家族で移住して手に入れたもの。
仕事も趣味も家族とも。大切なものを大事に、自分らしく生きたいと思うことありますよね。
地方へ移住してみるのもいいかな、と思うことはありますか?
「ちょっと興味がある」という方に、気軽な情報交換の場として、「宮崎ひなた暮らし 移住相談会」が11月18日(土)にカンテレ1階のなんでもアリーナで開催されます。
ゲストスピーカーとしてイベントに登壇予定の三村隆之さん。元愛知県庁職員の三村さんは宮崎県日向市に家族で移住して11年が経過しました。移住後の暮らしは以前とどう違うのでしょうか。お話を聞きました。
―移住を考えたきっかけは?
妻が宮崎出身でして、年に1回は家族で妻の実家に帰っていました。夫婦二人ともサーフィンが趣味で、愛知にも夫婦共通のサーフィン仲間がいまして、たまたま宮崎の大会に来ていた仲間と合流したときに「奥さんが宮崎出身で、二人ともサーフィンが好きなのに何でここに住まないの?」って聞かれたんです。以前から海の近くに住むことにあこがれていましたが、「移住」という発想はなかった。でも確かに宮崎には縁がある。また、その質問は「おまえは本当のサーファーなのか?」と問われている気がして、「ハッ」としました。それがきっかけです。

―宮崎県の中でも日向市を選んだのは?
サーフポイントがあるところに旅をして、いくつかの町を見て回りました。
妻の実家との距離も考慮しつつ、いろいろなサーフィンのポイントがある場所に住みたいなと思っていました。その中で日向市は、海までのアクセスの良さ、町のつくりや、人口は6万人ほどの小さな町だけれど田舎過ぎず、都会過ぎずな感じが気に入りました。
―実際に住んでみていかがですか?
10年以上前でしたので、移住に際しての細かい情報が少ない中で引っ越しをしましたが、思っていた以上に住みやすいところです。実際に住んでみて初めて分かることも多かったです。
町の人たちのフレンドリーな雰囲気は心理的な安心につながっていますし、生活面での不便さも感じません。
気候は温暖で、愛知の冬では必須だったダウンジャケットを着ることが少ないくらいです。
サーフィンに関して言うと、愛知では冬型の気圧配置になると波が小さくなりすぎて、波に乗れない日が続きます。そのためわざわざ日本海側に遠出をしてサーフィンをしていました。こちらでは冬でも近場でサーフィンを楽しめる日が多く、海水も比較的温かいのがうれしいですね。
―移住で苦労したことは?
移住してからの数年間は仕事が変わり、収入も減りましたので大変でした。
住民税が前年の収入にかかってくるので、特に移住して1年目はきつかったかな。
引っ越しして、住む環境が整ったら移住にまつわる費用はそれ以上かからない、ということではなかったのですね。考えが及んでいなかった経済的な負担がいろいろとあり、しばらくは退職金を切り崩して生活していました。
私の収入が減ることは予想していましたので、当時専業主婦だった妻とは、「移住したら共働きだね」と話していましたが、妻のパート先がなかなか見つからなかったので2~3年はお金の心配がつきまとっていました。
移住は私の仕事が見つかってやっと実行に移せたのですが、私自身も職探しには苦労しました。特に資格も持っていなかったので、30歳近い年齢になってからの事務系の転職は募集が少なくて。本当だったらすぐに移住したかったのですが、結局3年かかりました。
―移住して変わったことは?
愛知にいたときも海へのアクセスがいい場所に住んでいて、勤務先の名古屋まではバスやJR、地下鉄を乗り継いで片道1時間40分かけて通っていました。仕事は年々忙しくなり、責任も重くなってきて、残業が多く最終電車に間に合わず帰れない日もあるような状況でした。そんな状態なので育児は妻任せでした。移住を検討し始めたころ子どもは1~2歳でしたが、妻はワンオペでかなりストレスをためていたと思います。
残業代が出ていたので収入はそれなりにあったけれど、家庭生活が幸せだったかどうかは…。

移住した後は1日や1週間の過ごし方がガラッと変わりました
通勤時間は10分以内になり、平日でも家族と一緒に過ごす時間ができました。朝ごはん、晩ごはんをやっと家族と一緒に食べられるようになり、今は先に家を出て学校に行く子どもを送り出して、それから出勤しています。家族を大切にできる生活が送れているかな。
前は仕事が8割という状況だったけれど、今は仕事が4割、家族との時間が4割、自分の時間が2割と時間の使い方が変わりました。
自分の時間も増えて、資格取得に向けての勉強をしたり、サーフィン以外の趣味が増えたり、地域の行事にも参加したりと、生活の質が変わりました。職場の仲間にマラソンに誘われ、毎年ハーフやフルマラソンに参加するなど運動の機会も増えて健康になったかも。
―移住してうれしかったことは?
移住する前は「よそ者」扱いを受けるかな、と少し心配したこともありましたが、こちらの方は移住者に対して「よく来てくれたね」といった感じなので、不安はすぐ払しょくされました。時間と精神的にも余裕ができたおかげで、地域の活動やPTAにも参加しています。いろんなところに顔を出していると「地元の人以上に地域に関わっているね」なんて声をかけられることもあってうれしいです。
日向も含めて宮崎は高校を卒業してから20~30代が極端に少ないのです。進学や就職を機に県外に出てしまう人が多く、高齢者が多いところなのでスポッと抜けている私のような年代の人は重宝がられますね。
―イベントではどんなことを伝えるのですか?
「自然が豊か」「人が優しい」「御飯がおいしい」はどこの地方でも出てくるキーワードかなと思います。それよりも日常の楽しい一コマをお話ししてもっとリアルな情報をお伝えしたいです。

子育て世代の方は、特に子どもに関係することに一番関心があると思います。地方は学校やクラスの数も少なくて、部活や習い事など都会では当たり前の環境がこちらでは整っていないところがあります。選択肢が少ないので、教育面で気になることは多いかもしれません。

一方で、少ないことのメリットもあります。
子供と保護者の距離が近い。私の子どもが通う中学校は全校で約460人。1学年4クラスで人数も少ないから生徒どうし、保護者どうしの距離感が近いです。自治会などでみんながよく顔を合わせるので、家庭だけではなく、町ぐるみで子供を見守っているというところがあります。都会と比較して、物理面で教育環境に満足できないかもしれませんが、日常の中で育めることの魅力もお伝えできれば。

イベント概要

『宮崎ひなた暮らし 移住相談会』 
【日時】11月18日(土)11:00-16:00 ※入場無料・キッズスペースあり
【場所】カンテレ扇町スクエアなんでもアリーナ(大阪市北区扇町2-1-7)

https://www.ktv.jp/event/miyazaki-hinatagurashi/
miyoka
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