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ゼロから始める「花のある暮らし」【第1回】花束を飾ってみよう! ~お花のプロに聞く長持ちの秘訣~

2024.06.06

ゼロから始める「花のある暮らし」【第1回】花束を飾ってみよう! ~お花のプロに聞く長持ちの秘訣~
今年も梅雨の時期がやってきました。雨の日も心晴れやかに過ごすために、お部屋に花を飾ってみませんか。最近は駅ナカにもフラワーショップが増え、スーパーでも花を取り扱うなど気軽に花を買えるようになりましたが、家に花を飾る機会が少ない方の中にはあつかいがむずかしいと感じる人も多いようです。そこで、お花のプロ・フラワースクールQuelle主宰 高木優子先生に、5,000円のブーケを最大限に楽しむ方法を教えていただきました。
●まずは、そのままの形で飾る

こちらが、高木先生に予算5,000円で作っていただいたブーケ。まずは、そのままの形で飾ってみましょう。ブーケは通常、形をたもつために根本のところで束ねてあるため、水を入れた器に挿すだけでなんとなく様になります。
ブーケを生ける器は、どんなものが良いのでしょうか。「花瓶があれば良いですが、なければピッチャーやマグカップ、グラスジョッキなど、家にあるものでもいいですよ」と、高木先生。花のボリュームにあわせて、しっかりと安定感があるものを選びましょう。
●水の量はどのくらい?

次に疑問なのが水の量。器に対して、どのくらい入れたら良いのでしょう。高木先生によると「ブーケのままの時は必ず結束点(けっそくてん)までは水を入れること。ブーケを分解して別々の器に飾る場合には、少なくとも器の半分までは水を入れましょう。」とのこと。結束点とは、ブーケを束ねるゴムや紐などが巻き付いている部分のことです。

少なくとも、器の半分くらいまでは水を入れる

「茎を水につけない方が水はにごらないからと、3センチくらいしか水を入れない方もいます」。気持ちはわかりますが、いくら何でも少なすぎるのでは……。

「植物は切り花の状態でもたくさんの水を必要とします。例えばブーケの中にユーカリの葉などがあると、一晩で2センチくらい水位が下がってしまうことも。植物がしっかりと水を吸えるように、たっぷりと入れましょう」

葉っぱが水につからないよう、しっかりと取ること

水を入れるときに気をつけたいことが、もうひとつ。「水に葉っぱがつかると、そこから腐ってしまいます。なので、水につかる部分の葉っぱはしっかり取って」。水をキレイに保ち、しっかりと吸わせてあげることが、植物を長持ちさせるコツのひとつのようです。

●花を長持ちさせるコツは?

ほかに花を長持ちさせるために必要なことは、何があるのでしょうか。「ひとつは水替え。理想は毎日ですが、少なくとも夏場は2日、冬場は3日ごとを目安に替えてあげましょう。水替えの際に、台所用洗剤で花瓶を洗うのもお忘れなく。バクテリアをしっかり取り除いて、きれいな水をキープできます。そして水換えの際には、お水に浸かっていたステムの部分を水道水ですすいでキレイにし、ステム(茎)の先を5ミリから1センチほど、ななめに切りましょう。古い部分をカットすることで、茎が水を吸いやすくなります」(高木先生)。

きれいな水をキープすれば、花も元気

カットに使うのは、花きりばさみがベター。「ただ、花きりばさみがないからと言って、キッチンばさみを使うのはNG。刃の部分が厚く、茎の細胞部分を潰してしまうため、避けたほうがよいですね」。花きりばさみは、ホームセンターなどでも販売していますが、ほかに何か代用できそうなものはないのでしょうか。

「花きりばさみがない場合は、カッターナイフでも代用できます」と、高木先生。ただ使用後は、さびないように水分をきっちり拭き取ること、あとは手を切らないように十分注意が必要。これなら、花きりばさみを用意した方がストレスなく作業できそうですね。

●飾るのに適した場所は

花を飾るのには涼しい場所がベター。室温20度くらいまでの場所が理想です。とはいえ、部屋の中では場所も限られてしまいますよね。少なくとも窓際など、直射日光が当たるような場所は避けましょう。

そして意外なのが、熟したフルーツの近くに置かないこと。「フルーツが発するエチレンガスで、花の開花が早まり、寿命が短くなってしまいます」。高木先生によると、エチレンガスが発生しやすいフルーツには、リンゴやバナナやマンゴーなどがあるそうですよ。

花が少なくなったらグリーンだけでも楽しめます

「上手に管理すれば1週間くらいはブーケの形のまま、お花を楽しめますよ」と高木先生。しおれた花や茶色くなった葉を取り除き、キチンとお手入れすれば、気温が高い真夏は2週間、冬場なら3週間程度は持つのだそうです。さすがお花のプロ! そんなに楽しめるなんて、なんだか得した気分です。

次回は引き続き、ブーケのお花を分解して楽しむ方法を教えていただきましょう。
文:二木繁美(にきしげみ)
パンダライター。パンダ団子を食べ、パンダのうんこの香りを嗅いだ人間です。アドベンの明浜・優浜の名付け親で日本パンダ保護協会会員。インタビューや旅メディアでも執筆。
 
   
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