パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第7話レビュー
幹太(伊野尾 慧)となつめ(伊原六花)のひき逃げ事件の犯人がつかまって一安心かと思いきや、今回は冒頭で謎の美女が登場!? ある朝、なつめの会社に幹太の学生時代の友人・花子(井桁弘恵)が訪れたのです。幹太となつめの夫婦SNSの投稿で幹太の訃報を知り、あいさつに来たようです。以前から何回か映って気になっていましたが、もしや幹太の元カノ!?
花子は、初対面のなつめに対して敵対心を隠さないというか……なつめが「妻です」と自己紹介すると、間髪入れずに「(妻)でした」と訂正したりして、あんまり感じがよくないです。しかも幹太を「かんちゃん」呼び。幹太の思い出話をしながら「かんちゃんは私のコンパス」「いつか2人で世界をめざそうと約束してた」と涙を流す花子。妻のなつめより自分のほうが幹太との絆が深い、と言わんばかりの態度です。なつめがモヤモヤする気持ちがよくわかりました。
一方、花子は幹太のもとにも訪れ「私にできることがあったら何でもやる」と、人目もはばからず幹太の手を握ります。「おい花子、職場だぞ!」とツッコみたくなりましたが、そんな花子に対して、莉子(齊藤なぎさ)があからさまにいぶかしむ様子がコミカルで楽しいシーンでもありました。莉子は「なつめの夫に手を出すなんて絶対に許さない!」と、丸山(野村康太)のバーで田村(松倉海斗)相手にいらだちをあらわにします。ここで、莉子が花子のふるまいを再現して田村の手を握ったのですが、田村がドギマギする様子がかわいかったですね。
SFマニアの田村は恋愛とは無関係な印象ですが、莉子のことは少し意識しているのでしょうか? でも、莉子は丸山のことが気になっていそうだし、丸山は今もなつめのことが忘れられない様子。田村、莉子、丸山の一方通行の恋愛模様も見てみたいな〜と妄想がふくらむシーンでした。
次のミックスで幹太の世界にも花子が現れていることを知ったなつめは「2人の深い絆を感じた」と落ち込んでしまいます。「自分はもう幹太と太陽の下を歩くこともできない」ことや、ミックスになにか異変が起きていることも気がかりな様子。
さらに追い打ちをかけるように、幹太から花子が線香をあげに家に来たことを聞かされたなつめ。勇気を出して「(花子のことが)好きなんでしょ?」とたずねます。やきもちを焼いて、素直に質問するなつめは、とってもかわいかったです。幹太から「彼女に恋愛感情はない」と聞いて、安心したような笑顔が見られ、ほっとしました。
ひき逃げ事件の犯人を見つける前には、幹太に対して「手を組もう」としか言っていなかったなつめですが、さまざまなできごとから少しずつ幹太の人柄を再確認して、愛情が復活し始めているようにも感じました。
幹太から、花子が翌日地元に帰ると聞いたなつめは、再び花子に連絡して会うことに。花子に「勝手に元カノと思い込んでいた」と謝ります。花子のほうも「かんちゃんのことが好きでした」と話し、「告白ができなかったから、こっそりウエストポーチに刺しゅうをした」となつめに大切な秘密を打ち明けます。このときの花子が言った「過去は今の私を作ってくれたたいせつな時間。でもこの先の未来を作るのは、これからの私」という言葉、とてもすてきでしたね。幹太となつめの未来はどうなるんだろう、と考えさせるキーワードのようにも思えました。
その夜のミックスで、なつめは花子がつけたウエストポーチの刺しゅうをこっそり確かめます。幹太は気づかない、なつめと花子だけの秘密、なんだかいいですよね。幹太となつめのミックスの時間はなごやかに過ぎていましたが、突如部屋が暗くなり姿が消えかかってしまう2人。1日3分だけ会えるミックスの時間はこのまま続くのか、それとも、いずれ幹太となつめは会えなくなってしまうのでしょうか。幹太となつめにどんな未来が訪れるのか、引き続き見守りたいと思います。
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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