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なつめ(伊原六花)と父の仲をとりもつ幹太(伊野尾慧)

2025.05.20

なつめ(伊原六花)と父の仲をとりもつ幹太(伊野尾慧)

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第8話レビュー

1日3分だけ、別世界に生きる幹太(伊野尾慧)となつめ(伊原六花)が会えるミックスの時間。前回はその3分間の終わり際に異変が起き、幹太となつめは「ミックスが終わるのかもしれない!?」と不安を抱きます。幹太が、トースターが何かのトリガーになっていると予測して調べているところへ、なつめの父を名乗る男性・神矢吾郎(デビット伊東)が訪れました。以前にもワンカット映っていて気になっていたのですが、なつめの父親だったんですね。

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
神矢吾郎(デビット伊東)

なつめが幼いころに家族を残して家を出た吾郎は、最近になって娘の死を知り、線香をあげに来たのでした。謝るどころか、最後まで何もしてあげられなかったことを後悔している、と話す吾郎。ミックスが終わるかもしれない、と危惧した幹太は、その夜のミックスで突然なつめと父を会わせることに。ところが吾郎は気まずさからか、なんと寝たふりをするのです! なつめは、ひょっこり現れた父に激怒。結婚の連絡をしたときにも「おれに娘はいない」と言った人が今さら何さまのつもりか、と辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせます。きっと父に置いていかれた怒りやさみしさを感じていただろう、となつめが怒る気持ちがわかる気がしました。それにしても、吾郎。死んだはずの娘が現れたことに驚くならまだしも、寝たふりをするなんてちょっとびっくりです。

落ち込んだ吾郎は並川家を後にしますが、なつめの言葉が本心ではないと思った幹太は、吾郎を追いかけます。このまま永遠になつめと会えないかもしれないから、「もう一度会って、なつめに思いを伝えてやってください」と吾郎に頼みました。

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
左:幹太(伊野尾慧)
右:神矢吾郎(デビット伊東)

翌日のミックスで、幹太は再びなつめと吾郎を会わせます。今度こそ、吾郎はなつめを置いて出て行ったことを、心のからの言葉と態度でなつめに謝りました。そして「立派に育ってくれてありがとう」と伝えるのです。ところがなつめは「あなたのことを親だなんて思っていない」と頬をふくらませました。
その様子を見た瞬間、吾郎は片手でなつめのふくらんだ頬をはさみます。なつめのこのクセは、幼いころに吾郎と遊びながら身についたものだったのです。幼いころと同じ父の行動になつめが驚いた表情を見せたと同時に、この日のミックスが終了しました。

なつめにきちんと謝ることができた吾郎は「現実を受け止めて生きていく。なつめのことをよろしくお願いします」と幹太に頭を下げたのですが、まるで結婚するときのあいさつのようだなと感じました。幹太サイドのなつめはもう死んでしまっているからこそ、切なさを感じたシーンでした。

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
左:幹太(伊野尾慧)
右:神矢吾郎(デビット伊東)

そして、なつめも何か父に言いたいことがあるはずだとわかっていた幹太は、次のミックスで自作の梅酒を取り出し、これを持って吾郎に会いに行くようにとなつめにすすめます。「会えるって当たり前じゃない、それを知っているから」と。

なつめは幹太の言葉に納得し、自分の世界の吾郎に会いに行きます。最初は「俺に娘はいない」と強がっていた吾郎ですが、なつめが頬をふくらませると、条件反射のようにその頬を片手ではさみました。その行動に思わず笑い出す2人。父と子の間を隔てていた長い氷の年月が、一瞬で溶けてなくなったようでした。なつめの強がりは父親譲りだったんですね。

父と和解できたなつめは、その夜のミックスで幹太に感謝を伝えます。「お父さんにぺこっとしてもらいたくて、わざとほっぺたをふくらませてた」と思い出を語るなつめに「おれもぺこってしたいです!」と幹太。このときの2人、ほのぼのしてとてもかわいかったですね。いつまでもこんな時間が続けばいいのに〜と思うけれど、何やらトースターから火柱があがったことが気になりました。

そして、ミックスが終了したあと、吐き気を催した様子のなつめ。まさかの……妊娠?! いったいどういうことなのでしょうか…次回の展開も楽しみです!

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実
左:なつめ(伊原六花)
右:幹太(伊野尾慧)

文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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