思えば毎回、時空SFを得意とする上田脚本の妙がさく裂していますよね。かつ第3回まで視聴して強く感じるのは、伏線回収を超えて発揮されるハートフルな“あたたかさ”。元の世界へ戻った違法トラベラーの後日談がエンドロールで展開されるのも作品に横たわる“あたたかさ”の一例で、視聴者をなごませているのがXの反応からうかがえます。
さらに上田さん自身がXで「各話のサブタイトル楽しみにしててください」と投稿しているように、時間にまつわるSF映画をオマージュしたサブタイトルがニクい!
第1話「アバウト・タイムパトロール」←『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』(2013年)
第2話「10年先の彼女」←『1秒先の彼女』(2020年)
第3話「きみがぼくを見つけた夜」←『きみがぼくを見つけた日』(2009年)
上田さんはこうも続けます。「ロゴまで毎話(映画に)寄せてくださっているらしいと聞いて震えている」と。見比べてみると、オープニングアニメの最後に登場するサブタイトルのフォントは、モチーフになっている映画ビジュアルのタイトルロゴにそっくり! 山岸聖太監督をはじめとするスタッフの遊び心が細部にまで散りばめられているのを感じ取りたくて、目を皿にように凝らしながら毎話3回ほどTVerで“おかわり”しています。
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文:岡山朋代
編集・ライター。ぴあ、朝日新聞社「好書好日」など主にエンタメ系メディアで取材・執筆を手がける。