大阪のソウルフードといえば、お好み焼き、たこ焼き、焼きそばなどの、いわゆる「粉もの」。これらのすべての料理にはソースが使われていて、ソースが重要な味の決め手の一つでもありますよね。
そんな大阪人にとって重要な調味料と言えるソースですが、実は大阪には大阪生まれの個性豊かな地ソースがさまざま存在しています。今回は大阪の地ソースの魅力を発信するたこ焼き店「たこ焼 ソース」(大阪市阿倍野区)の店主・鴨田 俊さんに、大阪の地ソースについて詳しい話を聞きました。
大阪の地ソースメーカーのすべてのソースを取り扱っている「たこ焼 ソース」。お店には「お好みソース」「たこ焼きソース」「焼きそばソース」「とんかつソース」など、9社から発売されている約20種類もの地ソースがズラリと並んでいます。スーパーではあまり見かけないものが多く、レア感たっぷりです。
お店に並ぶソースについて鴨田さんは、「これまで大阪の地ソースは主に飲食店に販売していたのですが、近年一般向けにも販売されるようになってきました。つまり、お店で使われている秘伝のソースが家庭でも使えるということ。地ソースを使うと家庭で作るお好み焼きや焼きそばなどの味がワンランク上がりますよ」と、教えてくれました。
また、「地ソースは機能面でも素晴らしく、お好み焼きソースなら鉄板に垂れにくいように作られていて、焼きそばソースなら炒めるときに酸味が飛んでうまみが凝縮するところまで計算されて作られているんですよ」と鴨田さん。
そんな秘密があったとは…。こだわり抜いて作られている地ソースに、興味津々になってしまいます。
「たこ焼き ソース」の店内だけでも約20種類ある地ソース。これだけたくさん種類があると、どのソースを選ぶか迷ってしまいます。
もちろん、それぞれのソース名に合わせて選ぶこともできますが、鴨田さんによると何にでも使えるソースがあるのだそう。
「実は『とんかつソース』と書かれているソースはどんな料理にも使える万能ソースで、いわゆる標準的な濃厚ソース。お好み焼きや焼きそば、たこ焼き、揚げ物など、どんな料理にも合うので、迷ったときにはとんかつソースを選ぶのがおすすめです」。(鴨田さん)
どんな味か知ってから購入したい方や、気軽に大阪の地ソースを味わいたいなら、「たこ焼 ソース」にてたこ焼きを注文するのがおすすめです。
たこ焼きのソースは16種類あり、たこ焼きを注文すると自分の好きなソースを選んでかけてもらえます。
イチヂクの甘みとスパイスの効いた味が特徴の「鼓(つづみ)ソース」(羽曳野市)、甘めの味で子どもにおすすめの「パロマたこ焼きソース」(松原市)、リピーターが多い「パロマゆずソース」(松原市)、しょうゆのようなあっさりとした風味が特徴の「ダイコクたこ焼きソース」(大阪市福島区)、など、普段はなかなか味わうことのできない地ソースが2種類〜10種類かけてもらえます(たこ焼きの数によって異なる)。
大阪の食文化の魅力が詰まった地ソース。個性豊かなソースをぜひ家庭でも楽しんでみてください。
取材・文:野村真帆
関西に特化した編集・ライター。プライベートでは小学生と犬2匹の母。美味しい食べ物と車の運転が好き