蒸し暑い季節になってきました。
そしてお世話になっている方への夏のごあいさつとして贈り物を選ぶ季節でもありますね。
手土産やご家庭用にも、見た目が涼しく、食べてヒンヤリを楽しめる、美しい和菓子を紹介します。
「瑞(ずい)」 駿 surugaya 大阪市北区
天神橋筋商店街からすぐの落ち着いたエリアに大阪の老舗和菓子店「大阪本家駿河屋」が展開する店舗が「駿 surugaya」です。
京都伏見で寛正2年(1461年)に創業した駿河屋が天保8年(1837年)に大阪にのれんを掲げたのが大阪本家駿河屋。2021年秋に新ブランドとして天満天神エリアに「駿 surugaya」を出しました。
ここでは羊羹(ようかん)やどら焼きのほかに、くずをつかった涼菓くず「瑞(ずい)」(918円)が人気です。
白桃や日向夏、トマトなどを使ったツートンカラーの「瑞」は、常温保存が可能ですが、この時期は冷蔵または冷凍して食べると口の中がひんやりとします。
駿河屋の岡本千寿さんによると、凍らせる場合は備え付けのへらで最初にカットしておき、パッケージごと冷凍。食べる分だけお皿にとってまた冷凍庫に戻すとよいそうです。葛は完全に凍らないのですぐに食べることができます。冷やすとつるんとした食感の「瑞」は、凍らせるともっちりした食感となり、温度によって違った口当たりを楽しむことができます。
6月には新商品として「メロンヴァンムスー」、「フランボワーズ」が登場。
メロンヴァンムスーは静岡県産のクラウンメロンをピューレにしたものと、フランス産のスパークリングワインを合わせたもので、口の中にかすかにシュワっと感が広がります。まるでメロンソーダを食べているような感じ。アルコールは飛ばしてあるのでお子さまでも安心です。
フランボワーズは甘酸っぱさが爽やかで、フランス産の果実をピューレにしたものをくずで固めています。
賞味期限は製造日より40日間。贈り物にもいいですね。
また、抹茶好きの方には「くず煉(ねり)」(432円)もおすすめ。京都・一保堂の新茶を使ったもので濃い茶が好きな方にピッタリ。抹茶の苦みや香りが引き立つ、こちらもつるんとした口当たりの涼菓で、新茶の季節のみの商品となり、8月上旬ごろまで販売予定。賞味期限は製造日より冷蔵で2日間です。
店舗情報
駿 surugaya
大阪市北区紅梅町2-17
06-6354-3333
平日 10:00 ~18:00 / 土日祝 10:00~17:00
https://www.instagram.com/oosakahonkesurugaya
「ガストロノミックハーブ」 上(しょう) 兵庫県芦屋市
岸和田市に本店を構え、大阪市新町にも店舗を持つ「もち匠しづく」が展開する和菓子販売店。「お菓子で百薬の長を目指す」というコンセプトを掲げ、素材選びや作り方はお菓子が薬になることを基準にしているそうです。
店内はジュエリーショップあるいは美術館のような空間が広がり、漆喰で仕上げられた壁と天井、そして目を引くのが地層のように固められた土のテーブル。この上にまるでアート作品や宝石のようにお菓子が並べられています。
芦屋店だけの商品として「雫」「静神丸」そして「土」などもち菓子や練り切りが並ぶ中、ひときわ目を引くのが「ガストロノミックハーブ」(454円・税込み)です。
ぷるんとした水のような透明な錦玉の中に色とりどりのエディブルフラワーが散りばめられています。これらは広島県の梶谷農園から取り寄せたハーブだそうで、「ここのじゃないとダメなんです」と店主の石田さんは語ります。
横から見るとハーブが何層にも重なっていて、とても手間暇かけて作れていることが想像できます。
カップから取り出し一口いただくと、ハーブの風味が口の中に広がります。ほのかな苦みや、清涼感につながる酸味を感じ、エディブルフラワーそれぞれに味が違うことを実感します。錦玉のぷるんとした食感にハーブのシャキシャキ感がアクセントになっていて、香りや味わいに加えて、食感の違いも楽しめるお菓子です。
日持ちは2日間。他の生菓子は当日中にお召し上がりくださいとのこと。
前日までに電話をすればお菓子ひとつから予約ができます。
店舗情報
上(しょう)
兵庫県芦屋市茶屋之町10-9
0797-38-3781
11:00~18:00
火曜日定休
https://www.instagram.com/mochi_shizuku943/
「レースかん」 太極殿本舗六角店 京都市中京区
京都市営地下鉄の烏丸御池駅からほど近い六角通にのれんを掲げるのは、創業明治18年(1885年)の老舗京銘菓のお店・太極殿(だいごくでん)本舗の六角店。
よく手入れされ、スッキリとしたたたずまいに老舗の風格が漂います。
夏季限定で販売するのが夏羊かんの「レースかん」(1,890円・税込み)。
レモンリキュールを寒天で固めて生のレモンをレースのように配置しています。昭和初期にまだレモンが一般的ではなかった頃から夏のお菓子として提供し続け、「若あゆ」という京都の夏定番お菓子とともに人気の逸品です。
レモンは瀬戸内から取り寄せ、生で使うことにこだわります。その理由は色。
蜜につけてしまうとレモンのきれいな色が出にくいそうで、味とともに見た目にもこだわりを感じます。
生のレモンなので切り分けるときは、少しこするようにレモンに包丁を入れ、その後すとんと刃を落とすときれいに切れるそうです。
「先に小分けにしておいて、密閉容器に入れて冷蔵庫で保管しておくと、食べたい時や来客時にすぐ出すことができて便利よ」と、おかみの柴田さんが教えてくれました。なるほど!
上品な甘みと生レモンの酸味が清々しいお菓子です。
「レースかん」と一緒に夏季限定で販売されるもう一つの夏羊かんが「ゆずしぐれ」(1,728円・税込み)。
こちらは初夏の青い状態のゆずをジャムにしたものと、道明寺、ぬれ納豆を固めたものです。
こちらもほんのりとした甘みが上品なお菓子です。
どちらも常温だと製造日から約12日間ほど保存が可能で、冷蔵庫だともう少し日持ちします。
売り場奥の甘味処「栖園」では涼しげな喫茶メニューが用意されています。
月替わりで味が替わる「琥珀流し」(980円)は、5月は抹茶、6月は梅酒、7月はペパーミントと続きます(高倉通四条の本店は別味)。
糸寒天を使用して柔らかく仕上げた寒天ゼリーに、7月の「琥珀流し」はグリーンミントリキュールで作った蜜がかかっています。それだけでも清涼感があるのですが、さらにもっと涼しさを感じてほしいということでサイダーが添えられています。
ちょっとレトロな器もおかみさんのこだわり。ちゅるんと柔らかい寒天がさじから逃げないような形状のものを選んで使っているそうです。
店舗情報
太極殿本舗六角店
京都市中京区六角通高倉東入
075-221-3311
9:30~18:00(六角店)/10:00~17:00LO(栖園)
水曜定休
https://www.instagram.com/daigokuden.seien/
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