秋は、優しい甘さのさつまいものスイーツが恋しくなる季節です。天満周辺の「おいもスイーツ専門店」を探すとおいしそうな店が3軒見つかりました。さっそく取材してみると、それぞれ違ったアプローチでさつまいもの魅力を伝える個性的なお店でした。お散歩がてら制覇して欲しい3軒をご紹介します。
※それぞれの店舗の住所は末尾のGoogle Mapから確認できます。
紅はるかとアイスが相性抜群『蜜芋専門店 oimo de.』
JR天満駅から徒歩1分の天神橋筋商店街の中にある『蜜芋専門店 oimo de.』。白を基調とした爽やかな店内を進むと、カウンターにテカテカと光る焼きいもが並んでいます。実はこのツヤは、さつまいもから自然としみ出してくる蜜。
同店は、茨城県の「紅はるか」を蔵のなかで1年以上ねかした熟成蜜いもを使用しています。さつまいもは熟成させると、蜜の配分が多くなり、小ぶりなさつまいもにぎゅっとおいしさが濃縮されるそう。実際に焼きいもをいただいてみると、砂糖などの甘味を一切加えていないのにとびきり甘くてトロトロな仕上がりがまるでデザートのようです。
この蜜いもにマネージャーの浅井留美子さんが出会ってから約1年で、同店をスピードオープン。留美子さんが「芋娘にならへん?」と声をかけて、娘の三奈さんが店長を引き受けています。
「以前のアパレルの仕事をしていたときは同世代の人としゃべる機会が多かったんですが、おいもは老若男女がほんまに好きやから、いろいろな人と関わりが持てるようになって毎日が楽しいです」と笑顔で話す三奈さん。オープンからまだ半年ほどですが、取材中もさまざまな人から「こんにちは」と声がかかり、すっかり街になじんでいる様子です。
メニューは焼きいもだけでなく、蜜いもをつかったデザートが豊富にスタンバイ。特に人気があるのは「oimo de.パフェ」(770円)。カットした焼きいも、さつまいもを練り込んだドーナツ、生のさつまいもをスライスして素揚げしたスティック、フレーク状のおいもと、人気芋スイーツ全部のせ!がうれしい。さらに、蜜いもとの相性抜群のハーゲンダッツのアイスクリームと白玉も添えられていて、ボリュームがありつつさつまいもの自然の甘さでペロリといただけます。店内のベンチも利用できますが、これからの季節なら食べ歩きもいいですね。
土のプロが作った究極のさつまいも『蜜香屋 中崎町本店』
大阪メトロ谷町線の中崎町近くにある『蜜香屋』は、ちょっぴり変わった経歴のお店です。大阪芸大出身の代表が率いる会社は、実は肥料屋さん。米ぬかを使ったこの肥料を使うと土の中の微生物が活発に動き出し、おいしいさつまいもができあがったことからおいも屋さん“も”することに。
最初は焼きいも屋さんらしく屋台のような路地裏の小さなお店からスタートしましたが、食堂のおばちゃんが「引退するからここを使っていいよ」と声をかけてくれて、今の場所にお店を開きました。おばちゃんが食堂で使っていた年代物のレジや椅子など、使えるものはできるだけ利用しながら、塗り壁にはさつまいもの畑の土を練り込み、外壁のトタンを叩いてのばすなどしてスタッフみんなで作り上げました。
さらに、和歌山では社員が土にこだわり、さつまいもを育てていると言います。植え付けや収穫期には、お店のスタッフも泊まりがけで家族を連れて手伝いにいくそう。だからこそ、さつまいもに愛着があり無駄にしてはいけないという気持ちが強いと店長の岡山幸司さん。
そんな大切なさつまいもを使った「焼き芋」は、その時期に美味しい2〜3品種が量り売りで販売されます(200グラム440円〜)。ほかに人気があるのはおいもを薄くスライスして米油で揚げ、企業秘密のさっぱりとした「芋蜜」をかけた「中崎ポテト」(720円)で、あまじょっぱいパリパリのおいもに食べる手が止まらなくなってしまいます。
また、焼きいもに2種類のおいもアイスが乗った「おいもとアイス」(720円)も、毎日食べても飽きないと根強い人気。和歌山の温泉で豆を洗ってから焙煎するコーヒーやお芋に合うこだわりの牛乳とともに、おいもカラーの店内でほっこりするのがおすすめです。
贈り物にぴったり、おいもスイーツ『高級芋菓子しみず』
おいもスイーツを手土産にしたい人におすすめなのが、西天満にあるテイクアウト専門の『高級芋菓子しみず 大阪工房直売所』です。鹿児島で収穫して2〜3ヶ月熟成したさつまいもを使用したスイーツは、パッケージも高級感があり喜ばれること間違いなし。
気の置けない友人との集まりにオススメなのは「スイートポテト」(ワッパ入り4種1670円)です。紅はるか・紫芋・さつま金時・シルクスイートなど品種ごとに手作りされたスイートポテトは、見た目もカラフルでしっとりとした仕上がり。おしゃれなワッパ入りなので、そのままテーブルに出して、みんなでワイワイ選ぶ楽しい時間が過ごせそうです。
ほかにも、やわらかい「大学芋」(1パック680円)、2層の「芋プリン」(1個540円)、大福の上に紫芋のクリームを絞った「モンブラン大福」(1箱3380円)、「究極のお芋フィナンシェ」(1個240円)などもそろうので、集まる人を想像しながら、喜ばれるおいもスイーツを選んでみてはいかがでしょうか。
文:太田浩子
「美味しい」&「楽しい」関西の魅力をご案内。プライベートでは和菓子にハマっています。
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