行ってみよか

雨だからこそアートに浸る、関西で行ってみたい美術館3選

2025.06.01

雨だからこそアートに浸る、関西で行ってみたい美術館3選
雨の日は、どこか気分も沈みがち。でも、そんな日こそ感性を潤す絶好のチャンスです。傘を閉じて一歩足を踏み入れれば、静かな空間に広がる名画やアートの世界へ…。関西には、駅チカで雨にほとんど濡れずに行ける美術館があるんです。今回は、雨の日にこそおすすめしたい、関西の美術館を3つご紹介。外の雨音をBGMに、静かな空間でアートにひたるぜいたくな時間を過ごしてみませんか?

雨のお買い物の気分転換に「大阪浮世絵美術館」

■ 巨匠ら浮世絵版画作品を、ルーペでじっくり
葛飾北斎の代表作で新千円札の裏にも描かれた「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が常設展示されているほか、浮世絵師の四大巨匠である北斎・歌川広重・喜多川歌麿・東洲斎写楽をはじめ、大阪や京都ゆかりの浮世絵版画作品を多く所蔵。2019年のオープン以来、海外からの観光客にも人気のミュージアムです。

大阪を代表する繁華街・心斎橋筋商店街のアーケード内に位置しており、雨が降っていても傘いらず。同館の峠さんが、「館内は静かで落ち着いた雰囲気なので、憂鬱になりがちな雨天の気分転換におすすめの環境かと思います」と話す通り、雨の日でもお買い物の合間に気軽に立ち寄れるのがうれしいポイントです。
同館の楽しみ方のひとつが、ルーペを利用して間近で作品を鑑賞できるところ。「浮世絵版画は小さなサイズながら非常に高度な技術で作られています。ルーペは無料で貸し出していますので、じっくりとご鑑賞ください」と峠さん。

併設されたミュージアムショップには、江戸時代から明治時代に制作されたオリジナルの浮世絵版画や、復刻版の版画も販売され、ポストカードやマグネット、しおりなどのオリジナルグッズも多数あり、目移りするほど。現在は、企画展『べらぼうな浮世絵師18人展』が開催中(7月13日まで)。
マグネットやしおりなどのオリジナルグッズのほか、本格的な浮世絵も購入できるミュージアムショップ

マグネットやしおりなどのオリジナルグッズのほか、本格的な浮世絵も購入できるミュージアムショップ 提供:大阪浮世絵美術館

「大阪浮世絵美術館」
https://www.osaka-ukiyoe-museum.com/
アクセス:大阪メトロ 「心斎橋駅」6号出口より心斎橋筋商店街のアーケード内を難波方面にまっすぐ徒歩約5分。ヨーロッパ通りの信号横断以外は傘いらず。
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-2-23 不二家心斎橋ビル3F
営業:10:00~17:00(最終入館 16:30)展示替え日(2025年7月14日)は休館
料金:大人1,000円、学生600円、小学生300円
電話:06-4256-1311

雨天の京都観光に「京都国際マンガミュージアム」

■ マンガ家の手が並び、約5万冊が読める博物館
明治〜昭和初期のマンガ雑誌や戦後の貸本、現在の人気作、海外作品など、今や日本のカルチャーとして世界に定着したマンガ関連約30万点の博物館であり、図書館でもある同館。総延長200メートルの壁面書架に並ぶマンガ約5万冊は読み放題、とマンガ好きにとって夢のような空間です。

「マンガの作り方」や「マンガ家はお金持ちなの?」といった疑問に答える常設展示、100人以上のマンガ家の石膏手型などが展示されるほか、マンガ・アニメ風のキャラに描いてもらえる「ニガオエ」、昔なつかしの紙芝居を体験できる「えむえむ紙芝居」、マンガ制作の現場を見学できる「マンガ工房」(土日祝のみ)といったコーナーも常設。

雨天は京都観光に来ても出歩くのを控えるのか来館者が増えるといい、同館の中村さんが、「好きなマンガを手にとり、その世界に浸っていただいたり、展示を通してマンガの見方や読み方が広がったり…」と話すように、雨の日にこそゆっくりとマンガ文化を楽しめるようです。
またカフェは、京都の老舗喫茶「前田珈琲」が併設。落ち着いた店内には、マンガ家の直筆イラストやサインが壁面いっぱいに描かれていて、好きなマンガ家を見つけるとテンションが上がりますよ。

そのほかミュージアムショップには、マンガやアニメに関するグッズがずらり。同館マスコットキャラクター・マミューのグッズや、珍しい翻訳マンガ、マンガの研究資料、期間限定グッズなどが販売されます。
「京都国際マンガミュージアム」
https://kyotomm.jp/
アクセス:地下鉄「烏丸御池駅」2番出口を出て、烏丸御池交差点を左折し烏丸通を北へ徒歩約2分
住所:京都市中京区烏丸通御池上ル金吹町452
営業:10:00~17:00(最終入館〜16:30) 水曜休(休祝日の場合は翌日)、年末年始など休館あり
料金:大人1,200円、中高生400円、小学生200円
電話:075-254-7414

映えスポットで撮影も「横尾忠則現代美術館」

■ カラフルな現代アートに浸る、ぜいたくな空間
日本を代表する現代美術家のひとり・横尾忠則の作品を多く所蔵する同館。本人所蔵の様々なアーティストによる貴重な作品も含め、カラフルでポップなものからダークなものまで多岐にわたる彼の作品群を見ることができます。

雨天だと、三宮駅から乗車できて徒歩の少ないバスの利用がオススメ。同館の早水さんに雨の日の過ごし方を尋ねると、「4階の人気フォトスポット『目玉廊下』と『キュミラズム・トゥ・アオタニ』では雨の日も撮影を楽しんでいただけます」と、ここならではの楽しみ方を教えてもらいました。

全面ガラス張りで開放感のあるカフェも併設されていて、希望すれば横尾デザインの食器で食事やドリンクをいただけます。アートに触れてその余韻に浸りながらゆっくりと過ごせるのはぜいたくな時間です。
同館は常設展示はなく、横尾をさまざまな角度から紹介する企画展が年3回実施。直近では『横尾忠則の肉体派宣言展』(8月24日まで)が開催されており、「描く肉体」として身体性を大きく反映した技法の作品、「描かれる肉体」としてリサ・ライオンらをモチーフにした多様な作品が展示されます。

さらにミュージアムショップには、入荷してもすぐに売り切れるほど人気のガチャや、猫を愛する横尾らしい魔除猫フィギュアストラップなどが販売。展示と合わせて、ポップでカラフルな横尾ワールドを堪能しましょう。
「横尾忠則現代美術館」
https://ytmoca.jp/
アクセス:神戸市営バス92系統「王子動物園前」下車徒歩約3分/阪急「王子公園駅」より徒歩約6分
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
営業:10:00~18:00(入場は〜17:30)・月曜休(休祝日の場合は翌日休)
料金:一般800円、大学生600円、70歳以上400円、高校生以下無料
電話:078-855-5607
【このほか、6月に開催される展覧会】
■ 二度と無い!? 関西3都市で「国宝」特別展が同時期開催(1)
特別展『超 国宝―祈りのかがやき―』/奈良国立博物館
期間:2025年4月19日(土)~6月15 日(日)
特別展『日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―』/京都国立博物館
期間:2025 年4月19日(土)~6月15日(日)

■ 二度と無い⁉︎関西3都市で「国宝」特別展が同時期開催(2)

特別展『日本国宝展』/大阪市立美術館
期間:2025年4月26日(土)~6月15日(日)

■ ゲームソフトメーカーの原点から最新技術まで、大阪で展示中
『大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション』/大阪中之島美術館
期間:2025年3月20日(木・祝)~6月22日(日)

■ 世界も人生も美しい…フォロンと旅する展覧会、大阪で始まる
『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』/あべのハルカス美術館
期間:2025年4月5日(土)~6月22日(日)

■ 世界遺産・二条城でキーファー展、京都だけの特別体験
『アンゼルム・キーファー:ソラリス』/⼆条城
期間:2025年3⽉31⽇(⽉)〜6⽉22⽇(⽇)

■ タイムカプセルの映像、55年の時を経て大阪で初出し上映
特集展示『オープン the タイムカプセル』/大阪歴史博物館
期間:2025年4月16日(水)~2025年6月23日(月)
miyoka
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