史上初、過去最大の「北斗の拳」の大原画展が2024年7月6日(土)より兵庫県立美術館で開催されています。
「北斗の拳」は「週刊少年ジャンプ」で1983年~1988年まで連載された漫画で、世紀末を舞台に主人公・ケンシロウが愛と哀しみを背負い、出会いと戦いを繰り返しながら成長する姿を描いた作品です。
本展覧会は40周年となる2023年10月に東京で始まり、名古屋そして神戸と各地を2025年まで巡回する大規模な展覧会です。
神戸での開催に先駆けて5日(金)に内覧会が催され、作画の原哲夫さんと「北斗の拳」の大ファンを公言するお笑い芸人のケンドーコバヤシさんのトークセッション行われました。
原画で本来の色彩や筆圧を感じてほしい
司会の竹上萌奈アナウンサーから「どういうところを見てほしいですか」という質問に対して、原さんが「40年たっているけれど意外と色あせていないのですね。青色をコバルトブルーで描いていたのですがその色がきれいに残っていて。こだわって色を使っていたことを思い出しました。その色合いを原画で楽しんでみていただけたら。40年前の作品ですが、原画を見るとタイムスリップしたような感じがする。そんな感覚も楽しんでほしいです」と語ると、ケンドーコバヤシさんは「この作品は僕にとっては人生の教科書みたいなもの。原画を見ると原先生のデザインと筆圧、画からあふれ出てくるオーラに圧倒されて二日酔いみたいになります。とにかく圧がすごいので、見に来る方は前日はお酒抜いて来るほうがいいですよ」と興奮気味に語り笑いを誘いました。
厳選された400枚の原画、「愛」をテーマに6つの章でストーリーをたどる
「愛」をキーワードに6つの章に分けられた会場で展示される作品は、本展のために原哲夫さんが描き下ろした渾身の新作を含む、総点数400点以上です。等身大のオブジェや登場人物になった気分を味わえる、趣向を凝らしたフォトスポットなど、ファンはもとより誰でも1日かけて「北斗の拳」の世界観を存分に堪能できる展示となっています。
原さんが「当時はちゃんとした資料がなかったので、アメコミ(アメリカの漫画作品)や骨格図や写真を見ながら筋肉の絵を描いていた」と振り返りますが、その生き生きとした筋肉の表現は繊細かつ大胆で迫力があり圧倒されます。
主人公のケンシロウは一世風靡した映画俳優の故・ブルース・リーさんや故・松田優作さんをモデルに描いていたそうで、原さんの憧れる男性像がキャラクターに描きこまれ、命が吹き込まれていることがよく見て取れます。
また、原画らしく、セリフの吹き出しの部分が文字のピースを貼り合わせて作られていて、漫画制作の過程を制作者たちの体温を感じながら知ることができるのは、漫画ファンにとって興味深い見どころ。
展示のところどころに原作者の武論尊さんや原さんなど作り手の「一言コメント」が添えられているのもユニークです。制作者が何を思っていたのか手に取るようにわかりますので、ファンにとってはたまらないキャプションですね。初めて「北斗の拳」の世界観に触れる人にとってはキャラクターを理解するガイドとなることでしょう。
尾田栄一郎さんや高橋留美子さん、あだち充さんといった、大勢の漫画家たちが40周年を祝ってそれぞれ風の「北斗の拳」を描いた色紙の展示コーナー、「お祝いギャラリー」も楽しいですよ。それぞれの描き手の個性がいきる色紙は一つ一つ見るだけでも時間がたつのを忘れてしまうほど。
新しく原さんが描きおろした作品もあり、その迫力にケンコバさんが「二日酔いになる」って言ったのもよ~くわかります。40年たっても色あせない「北斗の拳」。日本の漫画ってすごいなと感動を覚えます。
展示会場を出るとお待ちかねのグッズ販売コーナー。
アクリルスタンドや受注品となるリングなど新旧ファンともにボルテージが上がりまくるのは必至。物欲との戦いなら負けても仕方がないですね(笑)。
北斗の拳40周年大原画展~愛をとりもどせ!!~ https://www.ktv.jp/event/hokutonoten/
【日程』2024年7月6日(土) 〜 9月1日(日) 10:00~17:00(最終入場は16:30まで)
【休館日】月曜日(祝休日の場合は翌日)
【会場】兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階 ギャラリー 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)
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