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女性すし職人、世界初の1つ星獲得【海外特派員リポート】

2025.04.12

女性すし職人、世界初の1つ星獲得【海外特派員リポート】

【フランス】女性すし職人が世界初のミシュラン1つ星獲得!快挙の裏にはガンで命落とした「夫の場所を守りたい」

フランス・パリにあるすし店が、“女性すし職人が握る店”として世界で初めてミシュランの星を獲得しました。

―呼ばれた瞬間は、率直にどう思いましたか?
「来た!と思いました。もう言葉にならなかったです。本当にうれしかったです。」
喜びを語るのは、パリの「鮨俊英」の職人・木村千鶴子さんです。
店は2021年に千鶴子さんの夫・俊英さんが開業し、翌年ミシュランの1つ星を獲得しました。実はこの時、俊英さんはある病気と戦いながら店を続けていました。

【千鶴子さん】
「ガンだったので。抗がん剤の治療を3日間ぐらいつけるのを3か月に1回やっていたんです。家がすぐ近くなのですが、200mくらいの距離を、10分、15分かけてゆっくりゆっくり歩いて。カウンターに立って握ってはいたのですが、ものすごいスローになって、すごく大変だなっていうのがわかってきました。」

1つ星の獲得から3ヶ月後に俊英さんが亡くなり、その後星を失いました。
俊英さんは倒れる直前までカウンターに立ち、病院の集中治療室でも売上など店の状態を気にかけていました。
【千鶴子さん】
「彼の最後の最後までの姿。やり遂げた姿を見て、俊英の代わりになろうと思ったんです。
すごいポジティブというか、やる気というか、すごく尊敬して。彼のこの場所を守っていこうかなと思ったんです。」

千鶴子さんは俊英さんの遺志を継ぎ職人として腕を磨き続け、3月31日、2025年度版ミシュランガイドで再び1つ星を獲得しました。
女性すし職人が星を獲得したのは、世界で初めての偉業です。
【千鶴子さん】
「もちろんすごいうれしかったんですが、奪われたもの(=星)を取り返したという気分。悔しさが、やっと平常に戻った感じがします。ここからまた新たなスタートだと思っています。次の目標は、まだまだ時間がかかると思いますが、あなた(夫)を超えたよって言いたいです。」

【フランス】女性すし職人が世界初のミシュラン一つ星獲得 快挙の裏にはガンで命落とした『“夫の場所“を守りたい』 一度は星を失ったパリのすし店 「星を取り返したい」女性職人の努力〈カンテレNEWS〉

miyoka
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