聞いてみよか

ドラマ『時をかけるな、恋人たち』の撮影現場で、シソンヌじろう×石田剛太が小競り合い!?

2023.10.13

ドラマ『時をかけるな、恋人たち』の撮影現場で、シソンヌじろう×石田剛太が小競り合い!?
吉岡里帆が主演し、永山瑛太が相手役を務めるカンテレ制作のドラマ『時をかけるな、恋人たち』(毎週火曜午後11時)。スタジオ撮影の合間を縫って、出演者のシソンヌじろうさん、石田剛太さんに話を伺いました。

本作は、広告代理店のアートディレクターとして“つじつま合わせ”を得意とする一方で、自身の恋愛になると“一線”を越えられない現代人・常盤廻(ときわめぐ)と、未来からやってきたタイムパトロール隊員・井浦翔(いうらかける)によるSFラブコメディー。じろうさんはタイムパトロール隊のメカニック担当・八丁堀惣介(はっちょうぼりそうすけ)を、石田さんは隊長の和井内秀峰(わいないしゅうほう)を演じます。“超クセ強”未来人との呼び声が高い役どころを、どのように演じているのでしょうか。
─お二人は撮影を通じて同じ時間を共有する中で、お互いの存在をどのように感じていらっしゃいますか?

【じろう】 石田さんはね、とにかく芝居好き。カットがかからないのをいいことに、台本にないことをやり出すんです。決められたセリフを言い終わっても、なんならカメラが回っていなくても、ずっと続ける。芝居好きすぎるでしょ!
【石田】 「このあとこんな展開になりそうだな」っていうイメージを形にしているだけなんですけどね。先のシーンは必要ないけど、流れを意識することで役の気持ちが自然と芽生えることを期待しているような。それにカットがかかってすぐ素に戻るのも、なんか恥ずかしくて。演劇から芝居の世界に入って25年弱が経ちますけど、いまだにその感覚が拭えません。
【じろう】 にしても、周りを巻き込みますよね。気持ちは一人でもつくれるのに(笑)。
【石田】 撮影が始まる前に話しかけたりして、自然にやっているつもりだったんだけどな。仕掛けに行ったら、この前じろうさんに完全にシカトされたんですよ。

一同 (爆笑)

【じろう】 石田さんとはもともと面識があって、撮影に入る前も「話せる共演者の方がいてよかった」と思っていたら…。ずっとそばにいるんです。僕から距離を取らなかったらどんどん石田さんのペースに巻き込まれるな、って。最近はもう「この人また気持ちつくりに来てるな」って警戒しています。付き合わないですよ(笑)。
【石田】 そういうのやると一緒に遊んでくださる共演者の方もいらっしゃるけど…。じろうさんはまったく乗ってくれません(苦笑)。逆にそれが、この現場のノリになっているような気もします。折しも僕が演じているのは、パトロール隊長なのにメンバーから軽んじられているキャラクター。むしろこの空気がちょうどよいのかもしれません。
【じろう】 あと仕掛ける相手を選んでいません? パトロール基地には、石田さん・伊藤(万理華)さん・僕の3人でいることが多いんですけど…。伊藤さんに向かう姿はあんまり見たことなくて。若い娘さんだから遠慮や緊張があるのか知りませんけど。で、同年代で安パイの僕に仕掛けてくる。
【石田】 全部バレてるの恥ずかしすぎますね!(爆笑)
─本作の脚本を手がける上田誠さんはヨーロッパ企画の代表であり、劇団員の石田さんはキャストの誰よりも上田さんに近しいですよね。一方でじろうさんはヨーロッパ企画の舞台をご覧になったり、本作に参加する前に上田さんの作品に触れたりする機会はありましたか?

【じろう】 劇団を辞められた本多力さんと一時期よく会っていたので、その繋がりで一度だけ拝見したことがあります。皆さん、壁とか網によじ登っていたような。
【石田】 なんだろう、『月とスイートスポット』(2012年)かな? 僕、中国人マフィアの役やってました?
【じろう】 どうだったかな……うろ覚えですね。(笑)
─では、この『時をかけるな、恋人たち』の撮影に入ってから感じる上田作品の魅力って?

【じろう】 キレイに整っていますよね。僕もコントを書くことがあるから感じるんですが、台本によっては「こんな嘘みたいなこと言わないでしょ」ってセリフもあるんですよ。でも上田さんの脚本には、そういう違和感がまったくない。無理がなくて、とにかく発しやすいんです。
【石田)】上田さんのセリフって覚えやすいですよね。群像劇だから会話メインで、短いセリフがテンポよく展開していく。パトロール基地のシーンをワンシチュエーションものと捉えたら、ヨーロッパ企画でやっているような演劇に近いのかもしれません。
【じろう】 あと登場人物のキャラクターや関係性がよく伝わってきますよね。僕が演じる八丁堀は、とにかく仕事にやる気がなさそうで。だから受けに徹しているというか、自分からいろいろ仕掛けて悪目立ちしたくなくて。上田さんが書いた本に僕が変な味付けをしないよう、撮影にはフラットな姿勢で臨んでいます。
─この作品がタイムトラベルを題材にしたSFラブコメディーであることにちなんで、もしご自身がタイムトラベルして過去の自分に会うことができたら、どの時点のどんな自分にどんな言葉をかけたいですか?

【じろう】 (しばらく考えて)高校を卒業する前の自分のところへ向かって「お母さんがもうすぐ死んでしまうから、早く芸人になりなさい」って伝えたいですね。母は僕が芸人1年目だった時に亡くなってしまったから、ネタを見ていないんですよ。
【石田】 何そのいい話。ドラマや映画になりそうじゃないですか!
【じろう】 そんな感じですよ。僕、どマザコンですから。
【石田】 お母さん、大好きだったんだ?
【じろう】 そうそう。でもマザコンになったのは、母が病気になってからですよ。 元気な時は何とも思わないのにね。石田さんは過去の自分にどんな声をかけますか?
【石田】 うーん…過去に行くのはなぁ。あんまり見たくないかも。
【じろう】 「こうすればよかった」とか、あんまり後悔しないタイプですか?
【石田】 いやいや、もう後悔しかない人生ですよ(苦笑)。本当はじろうさんみたいにコントをやるような芸人になりたかったけど、0(ゼロ)から1(イチ)を生み出す才能は僕にないんだな、って実感したので。常におもしろいことを求められ、考えては応えて…の繰り返しでしょう? ある意味、芸人の皆さんは作・演出家ですよ。
─何かターニングポイントになるような出来事があったんですか?

【石田】 ヨーロッパ企画が小籔(千豊)さんとコラボレーションしたイベント公演(ジェントルメンクラブ『ゴルフ』/2005年)をやった時に実感しました。小籔さん、バケモノ級におもしろいんですよ!「さすが普段からオモシロを追求している人は違うな」と感じて尊敬の念が芽生えました。それ以来、僕は役者としてやっていこうと腹が決まりました。加えていまはヨーロッパ企画の一員として「上田さんの本をおもしろくできるのは、俺だぞ!」って自負を持っていたいですね。
取材を終えて
インタビューの序盤から「心理的・物理的パーソナルスペースを死守したいじろうさん」と「なんとかして距離を縮め親交を深めたい石田さん」の攻防が見えて、お二人の話を聞きながらマスクの下でほくそ笑んでおりました。果たしてこの関係性はカメラにも映し出されているのでしょうか? パトロール基地の中で繰り広げられる人間模様にも注目です!

取材・文 岡山朋代
編集・ライター。ぴあ、朝日新聞社「好書好日」など主にエンタメ系メディアで取材・執筆を手がける。
火ドラ☆イレブン 『時をかけるな、恋人たち』(毎週火曜よる11時)
公式HP
miyoka
0