聞いてみよか

いま、麻雀が熱い! 頭脳とメンタルを鍛える真剣勝負の世界

2023.08.14

いま、麻雀が熱い! 頭脳とメンタルを鍛える真剣勝負の世界
カンテレでは「KIC(カンテレイノベーションチャレンジ)」と称して、新規事業開発を進めています。
審査会を経て採用されたいくつかある事業の中から、「麻雀事業」を起案したメディアビジネス部の野村祐介さんに話を聞きました。
―なぜ麻雀を事業に?
僕が麻雀好きということがあるんですけれど、テレビ局はエンタテインメントを届けるという役割もあって、麻雀というコンテンツをエンタテイメントとして広げたらビジネスにつなげるチャンスもあるのかなと思って企画しました。
2018年にМリーグ(競技麻雀のチーム対抗戦のナショナルプロリーグ)が立ち上がって麻雀に興味を持つ人も増えてきて。「雀魂(じゃんたま)」というかわいいキャラクターが出てくるオンライン麻雀アプリも人気があり、麻雀を知るきっかけが増えてきて、これからどんどん発展していく可能性を感じています。
実は僕自身も日本プロ麻雀連盟という団体のプロ試験に合格していて、社内外の若い人や女性たちから「教えてほしい」と言われることもあります。
ダーティで不健康なイメージを払拭して、少しでも興味を持ってくれた人たちに競技としての麻雀の魅力を伝えていきたいんです。

―麻雀のプロって?
日本にはプロがだいたい3000人くらいいて、いろんな団体があるんです。その中でもMリーグは各団体のほんの一握りのトッププロだけが出場できる最高峰のチーム対抗戦で、所属しているのは9チーム36名です。
Mリーグ以外にも、各団体で将棋・囲碁みたいにタイトル戦もありますし、サッカーのJ1,J2のように上位、下位の入れ替えがあるリーグ戦でも競っています。賭け事のイメージがあるけれど、リーグ戦やトーナメント戦で勝敗を決める真剣勝負の世界なんですよ。
2014年にはリーチ麻雀世界選手権がパリで初開催され、ラスベガス(2017年)、ウィーン(2022年)と続き、2025年には東京で第4回世界選手権が開催される予定です。
―麻雀を始めたきっかけは?
学生時代、所属していたラクロス部の部室にマージャンセットがあって、同期に教えてもらってから、だんだんその面白さにはまっていきました。
1対1ではなく1対3の対戦だから、自分の手と相手の捨てている牌を見て、自分以外の3人の手牌(てはい)の状況を想像しながらゲームの進め方を決めていく。運も少なからず影響するので、例えば自分が有利な状況だと思っていたのに、相手が先に上がっちゃうなんて理不尽なことも起きるし。でもどんな状況にあっても動じないことが大切なんです。相手の所作や雰囲気をみて、状況を多面的に分析しながら攻め方を変えていく。
とても頭を使うし、メンタルが鍛えられて。麻雀ってよくできたゲームだなって思うんです。リスクとリターンを常に選択するゲームなので、ビジネスにも通ずるところがありますね。
また、麻雀卓を囲んでいると、それぞれ対戦相手の個性や性格もはっきり出てくるから、その人を深く知ることができるのも面白いです。
―今の麻雀は当時と違いますか?
僕が麻雀を始めてから15年ほど経っていますが、ある程度打てるようになってからは雀荘にも行っていました。
当時の雀荘はタバコの煙モクモクで古い建物の中にあって、というイメージでしたが、今は、元乃木坂46でプロ雀士の中田花奈さんが「chun.」というカフェとマージャンをコラボさせたお店を経営されているように、禁煙ルームや個室などラグジュアリーな空間を持つお店もあります。また、大きなスクリーンで麻雀対局動画を見ながらおしゃべりする機会もあり、麻雀をきっかけとして、気軽に人と人とがコミュニケーションを図れる、そういう場が増えてきました。
そういった環境の変化で、お店に若い人、女性が最近は少しずつ増えてきたように思います。

また、Мリーグでいうと、選手たちの追っかけファンが増えてきて、イベントがあるとすぐ人が集まるんです。プレイヤーとファンとの距離が近くて、握手やサインも気軽にしてもらえるから、「推し活」を楽しんでいらっしゃいます。映画館などで行われるパブリックビューイングも満席に。バルーンを叩いてみんなで応援して、推しチームが上がったり勝つと盛り上がって。まるでバレーボールの応援みたいで楽しいですよ。

―麻雀の魅力はどんなところですか?
麻雀は唯一無二の、一番よくできたゲームだと思っています。運と実力のバランスが絶妙なんです。
例えば、将棋だと初心者はほとんどといっていいほどプロには勝てないけれど、麻雀はルールがわかっていたら1局くらいは勝てる可能性もある。配られた手牌(てはい)が悪くても一枚ずつ取って捨てて。対戦する3人のゲームの進め方や表情、様子をうかがいながら戦略的にやっていくとチャンスをつかむことができるし、耐え時とか攻め時の心の機微が面白いですね。
―こどもも麻雀をやるのですか?
子どももゲームアプリで麻雀に触れる機会が増え、興味を持つ子が多くなってきているみたいです。
麻雀はルールや点数の数え方が複雑で難しいけれど、アプリだと誘導が上手で、楽しく進めることができて。子どもたちはそれですぐ覚えて上達するのが早いようです。親御さんが好きだからお子さんも始めるのかなと思っていたら、実はABEMAやYouTubeなどを見て、それで興味を持って「教室に行きたい」とお子さんが言い始めることも多いみたいです。「Мリーグに入りたい」「Мリーガーになりたい」と憧れるようで、「プロ野球選手になりたい」という感覚に近いのかな。
ただ、麻雀をリアルで打てる場所が今は雀荘しかなくて、子どもたちがプレイできる場所がありません(雀荘は風営法により18歳未満は入店禁止)。麻雀用具の販売などを手がける大阪のマツオカさんという会社が、自社のショールームを使って子どもたちを集めた麻雀教室を行っているけれど、年々参加人数が増えてきて、40人近く入れるスペースでもあふれる時もあるんです。5歳くらいから始める子もいます。
麻雀はダーティなイメージもあるので親御さんの抵抗感もぬぐい切れない部分がありますが、できる限り興味を持ったお子さんたちがリアルに麻雀ができる場と機会を提供していけたら、と思います。

―8月末にはイベントを開催しますね
『親子麻雀FES』を8月26日(土)にカンテレ本社の「なんでもアリーナ」で初開催します。
麻雀をやってみたいけれど、雀荘行くのに抵抗感があるとか、雀荘に入れない18歳未満の人たちに来てほしい。講師も参加するので、初心者でも教えてもらいながらプレイができるようにしていますし、ゲストのМリーガーたちへの質問コーナーも予定しています。親子の新しいコミュニケーションの場として一緒に麻雀を楽しんでもらえたらうれしいです。

ファミリー麻雀FES 公式HP
miyoka
0