聞いてみよか

安田顕、ポール撮影のジョン・レノンの写真に「涙が出そう」

2024.09.25

安田顕、ポール撮影のジョン・レノンの写真に「涙が出そう」

ポール・マッカートニー写真展(大阪市北区グランフロント大阪)

伝説の ロックバンド 、ザ・ビートルズ(The Beatles)。
ボーカルとベースを担当していたポール・マッカートニーが撮影した、ザ・ビートルズ絶頂期の未公開プライベート写真を展示する「ポール・マッカートニー写真展 1963-1964~Eyes of the Storm~」が10月12日(土)からグランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ(大阪市北区)で開催されます。

それに先駆けて東京で展覧会をみた俳優の安田顕さんに話を聞きました。

「ポール・マッカートニー写真展」
大阪会場サポーター安田顕 
2024年9月

お小遣いは全部ビートルズのレコードに

―ビートルズに出会ったきっかけを教えてください
中学校2年生ぐらいのときに兄からレコードのポータブルプレーヤーをもらいました。レコードを1枚も持っていなかったものですから、何を聴こうかなと思ったときに、父の友人でレコードをたくさん持っている方から何枚か借りた中にビートルズのレコードがあって、それを聴いて夢中になったのがきっかけですね。

―それからずっと夢中な思いが続いているのですね
そうなんです。その時にビートルズを聴いて大好きになって、それでビートルズのファンクラブに入って。気が付いたら30年近くになります。
―ご自身でもレコードを収集されたりしていらっしゃいますか?
ビートルズに夢中になったあと、当時日本で出ているレコードをいっぱい買いました。
修学旅行や遠足に行くときに、お小遣いがもらえるじゃないですか。
お小遣いを全部取っておいて、全部ビートルズのレコードにしたり、あと新聞配達のバイトをしてビートルズのレコード買ったり。大好きでした。

安田顕 2024年9月

一曲一曲がいとおしいんです

―ビートルズから人生に学びを得たことや大きく影響されたことはありますか?
そんな仰々しいものではないですが、音楽を聴くことの楽しさだったり、素晴らしさ、それをビートルズから教わったのかなと思います。なにかあると音楽を聴いて高揚したり、励まされたり、みんなそうだと思うんですけど、そのきっかけが僕の場合はビートルズだったんだと思います。

―この気分だったらこの曲といった選曲はありますか?
本当にすごく自分の中の日常に近しく、とにかくとても自分の人生において大切なアイテムになっていますので、衣食住と同じぐらい1曲1曲がいとおしいんです。例えば、このポール・マッカートニー写真展で今聴きたいと思うのは、エド・サリヴァン・ショーの時に歌った「All My Loving」です。
―ポール・マッカートニーの来日ライブに行かれたことはありますか?
ちょうど自分の生活に少し余裕が出始めたときに、大阪ドームでのライブにまず行きました。
そのあと東京ドームに行って、日本武道館と両国国技館にも行きました。

1番思い出に残っているのは、国立競技場のライブです。新国立劇場になる前の最後の国立競技場のライブがポール・マッカートニーだったんです。
チケットを買って、国立競技場の門の前に立って、「おかしいなぁ、リハーサルの音も聞こえないなぁ」と思っていたら「本日中止」とアナウンスされて、心にぽっかり穴が開いて、トボトボ歩いて帰っていきました。それがやっぱり1番の思い出ですね(笑)。
もちろんポールはそれを気にしてくれていて、次の年にすぐに来てくれたんですけどね。

ポールに向けたジョン・レノンの眼差しに涙が出そう

―本展覧会をご覧になった感想をお聞かせください
僕は本当に詳しくはないんですけど、ビートルズのことが大好きなんです。
でもビートルズを好きになって30年近く経ちますけれども、ポールが撮った写真ですから、近しい人たちだけに見せるメンバーの表情がたくさん切りとられていて、それがすごく新鮮でした。ひょっとしたらジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの初めてみる表情がたくさんあった気がします。

この写真展の素晴らしいところはビートルズ4人だけじゃなくて、その周りの人たち、共にアメリカを目指した人たち、共に活動してきた人たちが一個のチームとして写っている。写真展の入り口に入ったら、ポールの直筆で「リバプール時代のクラブハウスで撮った写真だよ」とあって、メンバーとともにビートルズの周りにいた、共にビートルズを作り上げてきたスタッフの写真がまず迎え入れてくれます。 
ポールはそれを直筆で「and it the Beatles」って言ってるんです。「彼らがビートルズだよ、みんなが知っている4人だけじゃない、裏方と呼ばれる人たちも合わせてビートルズなんだよ」ってポールが言ってくれてるような気がして、だからこの写真展というのは「Eye of the Storm」ではなく、彼らが見た”嵐の中の目”「Eyes of the Storm」なんだなと感じます。
―当時の写真から心に響くものはありますか?
とにかく僕はビートルズのメンバーのこと大好きですから、もちろんジョン・レノンのことも好きだし、ジョンがポールにだけ見せる顔っていうのがあって、恋人のような眼差しをポールのレンズに向けているんです。きっとあの時のポールにしか撮れなかった顔なんだろうなと思いました。ジョンの眼差しを見つめながら、僕がずっと聴いてきたジョンの歌が流れてくると自然と涙が出そうになります。

「I'll Follow The Sun」を聞きながら家路につきたいな

― ビートルズを詳しく知らない方にも本展をオススメするとしたら?
展覧会に行く前によく訪れるバーに行ったんです。そしたら初めて会うお客さんと音楽談議になって「そういえばポール・マッカートニー写真展、ご覧になりました?」と聞かれて、「まだ行ってないです」と答えたら、「そうですか、僕はビートルズに詳しくないけど、ビートルズを知ってはいるし、写真も好きだから見に行ったんですよ」とおっしゃるので、「そうですか、どうでした?」って聞いたら、「ビートルズが好きじゃなくても十分見られます。やっぱり、ポールが写真を撮っていて、1964年というアメリカが知ることができます。その時代が見られます。これは歴史的に価値のある写真がいっぱいあるから、その時のアメリカを知るという意味でもすごく貴重な写真がいっぱいあって楽しかったです」という話を聞いたんです。
その次の日にすぐ展覧会に行ったんですけど、その方がおっしゃる通りでした。
ビートルズが好きな人はより好きになれるし、写真展として非常に優れたものだと思います。
ポールは決して写真のプロではないけれども、写真が好きな若者として自身のカメラで時代を切り取ってくれたんだと思います。
―この展覧会を見た後に聴きたい曲はなんですか?
「I'll Follow The Sun」ですね。
これはポールの曲ですが、アメリカで休暇を取ったビートルズの面々がマイアミでくつろいでいる姿の写真でこの写真展は終わります。アメリカの西海岸の日差しの下ですごくくつろぐビートルズがいます。そのときのポールが書いたといわれる「I'll Follow The Sun」という歌があるんですけど、それを聴いて家路につきたいなと思います。
安田顕(俳優)
1973年12月8日生まれ。北海道出身。
演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。映画・テレビ・舞台を中心に活動。

展覧会概要

ポール・マッカートニー写真展 1963-1964~Eyes of the Storm~
【日程】2024年10月12日(土)~2025年1月5日(日)※休館日:12月31日(火)、1月1日(水)
【入場時間】10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
【会場】グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ(大阪市北区大深町4-1)
ポール・マッカートニー写真展 1963-1964~Eyes of the Storm~
 
   
miyoka
0