突然の悲劇が青木(中島裕翔)を襲った第9話から1週間。薪(板垣李光人)や瀧本(眞島秀和)、各々に隠された“秘密”が少しずつその片りんを見せ始め、過去の放送回に張り巡らされた緻密な伏線がその存在感をあらわにした、まさに1秒たりとも目が離せない第10話でした。
姉夫婦の葬儀に参列した青木は、やはり深い後悔と自責の念に苦しんでいるようでした。棺の中で静かに横たわっている姉・和歌子(佐津川愛美)の頭をなでたときに見えたのは、ウィッグの下の坊主頭と切開の傷痕。その瞬間、青木は姉の脳が摘出されたことを悟ったのです。それはすなわち、第九で姉の脳を捜査するということ。身内の身に捜査の手が降り掛かることで、その行為の意味を思い知らされたのですね。正義を貫くために、文字通り墓場まで持っていくはずの“秘密”を白日の元にさらす罪深さに、青木の心は今にも壊れそうでした。薪の前で土下座をして捜査から外さないでくれと懇願する青木に駆け寄り、「お前が死んだ人の脳なんか見てるからこんなことに……」と責め立てるお母さんの声もつらすぎた……。