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3分間…幹太(伊野尾 慧)となつめ(伊原六花)は会える

2025.04.01

3分間…幹太(伊野尾 慧)となつめ(伊原六花)は会える

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第1話レビュー

なつめ(伊原六花)がベンチで涙ぐみ「夫婦である意味ってなんだろう」と考えるようなシーンからスタートした第1話。パッと場面が切り変わると、幹太(伊野尾 慧)の遺体と、泣き崩れるなつめが映され……。
冒頭から謎めいた始まりだった今回ですが、1話を通してジェットコースターみたいな怒濤(どとう)の急展開に「ちょっと待って、理解が追いつかないからもう1回見よう」となっている今です。頭を整理しつつ、注目シーンを振り返ってみたいと思います。
まず、謎めいた冒頭に戸惑っているところへ、幹太演じる伊野尾 慧さんの尊い顔面どアップです。「起きて、なつめ、おはよっ」のかわいい声。現実は23時なのに、つい「お、おはよ」って言いそうになりましたよね。ここだけ何回もリピートしたいし、なんなら目覚まし音にしたいです。

そんな夫が、手作り弁当に栄養たっぷりの朝食も作ってくれるなんて、最高じゃないですか。しかも、いってらっしゃいのキス! 出会って5年、結婚して3年、職場も一緒でこの仲の良さ。理想的な夫婦です。

でもなつめは、あんまりうれしくなさそう。その理由は、幹太の過剰な溺愛ぶりに加え、「夫婦だから」なつめも自分と同じ気持ちだろう、と思い込んでいることのようです。
なつめは、後輩の莉子(齊藤なぎさ)と仕事終わりに立ち寄った行きつけのバーで、幹太に注意されるから控えている大好物の唐揚げをもりもり食べながら、「産むのは私、仕事できなくなるのも私」なのに子どもがほしいと先走る幹太に対してのぐちをもらします。
このときのなつめの気持ち、わかる~~~! 夫婦はもともとは別々の環境で育ってきた者同士。価値観も食の好みも違って当然。一緒に暮らしているからこそ、違いを尊重しないと大きなすれ違いのもとになってしまうこともありますよね。

なつめは、バーの店長・丸山(野村康太)と莉子の前では、遠慮せず素直な本心を明かせているように見えました。いやそれにしても、店長のイケメン度合いが過ぎます。丸山演じる野村さんは黒髪の印象でしたが、金髪メッシュも似合いますね〜! 真っ白なスタンドカラーシャツもすてき。行きつけにしたいです。
一方、なつめの心の内を知るよしもない幹太は、ふとした拍子になつめのスマホに届いた“ヤマっち”という人物からのメッセージを見てしまいます。それに気づき「勝手にスマホ触んないで」と言うなつめに対して、「夫婦だから問題ないだろう」と反論する幹太。夫婦のすれ違いって、こういう小さいことが積み重なっていくものですよね。

“ヤマっち”という人物となつめが不倫しているかも、と大きなショックを受けた幹太。おまけに毎朝恒例のキスを避けられて、しょんぼり顔。「しょんぼり顔の幹太もかわいいなぁ。この先、2人はどうなるんだろう」とぼんやり考えていたら、ここからの怒濤(どとう)の展開がすごかったです。
なつめにきちんと話を聞こう、と決意した幹太が走って出かけると、その先には、なんと事故に遭ったらしいなつめが血を流して倒れていたのです。まさか、こんなことある?!と驚いたけれど、そういえば冒頭では幹太の遺体が映っていたはず……。

自宅に戻り、なつめの死を受け入れられず涙する幹太でしたが、そこに光に包まれたなつめが現れます。なつめによれば「幹太は車にひかれて、遺体も確認した」と。不可解な出来事に戸惑う2人ですが、なつめはすぐにまた光に包まれて消えてしまいます。

どうやら、2人がそれぞれ事故に遭った朝から、幹太となつめはお互いがいない別の世界を生きることになったよう。そして夜11時22分のわずかな時間だけ、2人の世界が交わるらしいのです。SFマニアの田村大和(松倉海斗)によると、パラレルワールドなのではないか、と。
亡くなったはずの妻(夫)に毎日3分会える奇跡が起こっているというのに、幹太はというと“ヤマっち”が気になって仕方ない様子。なつめのほうは、不思議な現象にただ首をかしげています。2画面に分割されて映される幹太となつめが対照的でおもしろかったです。

これからのストーリーにわくわくしながら、エンディングで流れた主題歌「encore」(Hey! Say! JUMP)のリズミカルでポップなメロディを聞いていたのですが……最後の最後で突如サスペンスのような不穏なシーンが。これまでにない展開の本作。次回以降も目が離せません!
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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