パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第5話レビュー
幹太(伊野尾 慧)・なつめ(伊原六花)夫婦の周囲に現れた黒服の人物と、ひき逃げ事件の犯人の手がかりに少し近づいたように思える第5話でした(注:ネタバレありです!)。
なつめの伯父で刑事の実(野添義弘)の話では、幹太となつめは通勤に使う2つの駅を日によって使い分けていたため、犯人は事故当日に2人がどの道を通るのかを把握していた可能性がある、とのこと。つまり、犯人は夫婦の予定を把握している人物ではないか、と。
…となると、2人の会社の人間が思い浮かびますが、なつめサイドでは上司の守谷(八嶋智人)と同僚の大和(松倉海斗)たちがなつめの警護にあたってくれていたし、幹太サイドでも犯人さがしのビラ配りを手伝ってくれていました。予定を把握しているとしても、会社の人は考えにくいでしょう。
一方、幹太サイドでも黒い服の人物が現れ、幹太が走って追いかけるも逃げられてしまいました。幹太は、犯人の手がかりをつかむためにビラ配りをすると同時に、刑事の実に捜査してもらうため、なつめと会える3分間のミックスを見せることに。実はなつめに会えたことに感激し、捜査を急ぐと約束してくれました。
そして、ある夜のミックスで幹太となつめは2つの世界で起こる出来事がズレ始めていることに気がつきます。黒い服の人物はなつめのことを襲ったけれど、幹太のことは襲わずに逃げたというズレ。さらに、管理人の服部(きょん)が幹太にだけやたらと差し入れの野菜を持ってくることにも違和感を覚えた2人。
いったいどういうことか……と幹太が1人考え込んでいる夜、玄関チャイムを押したのは黒服の人物。その人物は、なんと丸山(野村康太)だったのです。なつめにお線香をあげてから、丸山は幹太の自宅近くをうろうろしていた理由と、追いかけられて逃げた理由を話します。そして、なつめのいる世界と丸山の髪色が違う理由も明らかになりました。いや〜、それにしてもです。理由はいろいろあるにしても、丸山、まぎらわしい〜〜!! 全身黒い服で自宅近くをうろついて、逃げるなんて、不審すぎますから! 幹太サイドの黒服は丸山だとわかったけれど、ではなつめを襲った黒服の人物の正体は…?
さてなつめサイドでは、なつめへの思いを抑えられない丸山がなつめの部屋を訪れ「やっぱり5年は待てない、5日後に返事がほしい」と告白の返事を求めます。
なつめからしたら、自分たち夫婦を殺した犯人がわからず、夫婦の命が危ないかもしれない、このタイミングで「告白の返事が欲しい」と言われても困ってしまうのでは。それに、前に「(告白の)返事はブルーベリーの実がなるころでいい」と言っていたはずが、なぜ5日後なのかとも気になりました。夫を亡くした片思いの相手のそばにいて守りたいのかもしれないけれど、なぜ今? と純粋に丸山の片思いを応援できなくなってしまった自分に気づきました。丸山に対してすら「何か怪しいのかも……」と勘ぐってしまいます。
丸山の思いに対して、なつめは「耕ちゃんは大切な幼なじみ。お付き合いはできない」とはっきり伝えます。納得できない丸山は「でも旦那さんはなっちゃんのこと守れないでしょ?」と食い下がりますが、なつめは「すごく守ってくれてる」と答えます。そして「私も幹太のこと守ってる」のだと。今、自分の横にはいない、パラレルワールドに生きるパートナー。それでも「守ってくれている」と感じられることに、幹太となつめの絆が以前より深まっているのでは、と感じました。
幹太サイドの黒い服の人物が明らかになったところで、次に2人が怪しんだのは管理人の服部です。幹太が服部に捜査情報を話してしまったこと、警察が張り込んでいないか確かめるために幹太の部屋に野菜を持ってきたと考えられること、そして大家だからこそ夫婦の行動を把握できること、などが理由です。でも、それなら動機は一体何なのでしょうか。それに服部は子どもがいると言っていたし、安易に殺人事件など起こすのか、と疑問も残ります。次回、犯人は明らかになるのでしょうか!?
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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