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大家・服部を演じるきょん、狂気じみた演技に視聴者釘づけ

2025.05.06

大家・服部を演じるきょん、狂気じみた演技に視聴者釘づけ

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第6話レビュー

前回、幹太(伊野尾 慧)となつめ(伊原六花)、それぞれの世界で起こる出来事がズレ始めたことから、自分たちを殺したひき逃げ事件の犯人としてマンションの大家である服部(きょん)を疑い始めた2人。前回の放送後、Xではパラレル夫婦の考察が盛り上がり『パラレル夫婦』が日本トレンド1位に。さらに『大家さん』や『服部さん』がトレンド入り。
今回は、幹太が刑事の実(野添義弘)に頼んで防犯カメラの映像を入手し、その映像をCM会社のスタッフたちと夜通し確認するところから始まりました。徹夜作業のためにまぶたにテープを貼り意識が飛びそうになっている田村(松倉海斗)や、眠すぎて白目をむいている幹太の顔につい笑ってしまいました。そして朝方、幹太たちは防犯カメラの映像が編集されていることに気づきます。その映像を改ざんした人物こそが犯人ということ。警察の家宅捜索によって特定された犯人は、やはり幹太たちの予想通り服部でした。

幹太から犯人の報告を受けたなつめも、実に連絡して防犯カメラ映像の再捜査を依頼します。なつめサイドでも犯人が特定され警察が服部の元を訪れますが、なんとそこで服部が逃亡! 服部は逃げた末に並川家に押し入り、キッチンの包丁を手にしたのです!そのとき、並川家ではちょうどミックスの時間。犯人がわかって一件落着、とばかりに、幹太となつめが一杯飲もうか、としていたところでした。
包丁を手にしながら、自分が殺したはずの幹太が目の前にいることにパニックになった服部。幹太に「家族のためにも自首を」と促されると、「家族なんていない。妻は子どもを連れて出て行ってしまった」と取り乱し、「うまくいかなかった、あんたらと違って」とうらめしそうにつぶやきます。
服部が並川夫婦を殺してしまった理由は、売れない無名な俳優である自分と比べて、仕事で活躍して有名になり幸せそうに見えた2人を恨んでいたからだったのです。人の良さそうな大家として振る舞っていた服部が見せた心の闇。服部を演じるきょんさん、迫真の演技でした。

そういえばパラレル夫婦の記者発表では、相方の西村真二さんが「(きょんは)俳優になりたくて、吉本の養成所に入る前にワタナベエンターテインメントの養成所に入ろうとしていた」と明かしていました。いつものにこやかな大家さんとはがらりと変わった、狂気じみた演技に見入ってしまいました。
そんな服部に「俺たちのこと何にも知らないだろ!」と震えながら感情をぶつける幹太。自分がなつめに対してしてしまったことの反省や後悔をぶつけているようにも感じました。一転、包丁を自分に向ける服部に「死んで逃げるのか、ふざけるな!」と幹太がつかみかかりもみ合うシーンは、なんともハラハラ! しかしここでミックスの時間が終わり、幹太は消えてしまいます。

ミックスが終わったことに気づかないなつめは、幹太がそばにいると思いながら必死で服部に「死ぬな」と説得します。罪を償って話し合えば、また家族はわかってくれる、と目に涙をためて訴えるなつめの言葉にも胸を打たれました。幹太がいなくなって、やっと「幹太の“まっすぐ”は愛情だった」と気づいたなつめが切なかったです。なつめの必死の説得で服部は並川家を出て行き、逮捕となりました。これでひき逃げ事件については、ひとまず解決したようです。
翌日のミックスで、事件解決を喜ぶ幹太となつめ。2人が重ね合わせた手の薬指に、まだ結婚指輪があることに少し希望を感じました。新婚夫婦のように仲よくキスをする2人もほほ笑ましかったですね。

さて次回は、これまで何度か登場していた女性が幹太の前に現れる模様。もう一人、謎の人物も映されていました。ひき逃げ事件が解決した先に、パラレルワールドを生きる幹太となつめにどんな出来事が起こるのでしょうか!?
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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