磯村勇斗さん演じる白鳥健治が、共学化に揺れる私立高校で「スクールロイヤー」として学校のさまざまな問題と向き合うドラマ
『僕達はまだその星の校則を知らない』。先日、雑誌女性ファッション誌「Ray」専属モデル就任が決まった北里琉さん。初のレギュラー出演となる本作で保健室登校を続ける2年桜組・島田聖菜を演じる北里さんに、ドラマへの意気込みや見どころを伺いました。
──『僕達はまだその星の校則を知らない』への出演が決まった時、どのようなお気持ちでしたか。
「私で大丈夫かな」という不安がありましたね。演技経験が少ない中で連続ドラマのレギュラー出演が決まったので、一気にハードルが上がったというか「島田聖菜」を演じきれるのかなという不安がありました。でも、台本を読み進めていくうちに島田のことを知って、「私が島田を演じきるんだ」という覚悟が芽生え「やるぞ」という気持ちになりました。
──何をきっかけに、「島田聖菜」を演じきる覚悟が決まったのでしょうか。
私は、島田と性格が似ているところがあって。 島田は信頼している人にしか心を開かない、周りに自分の話はしないキャラクターなんですけど、私も同じで、仲の良い友だちが1人、2人かはいて、他は知り合いやクラスメイトという感じなんです。
小学校と中学校の時に信頼できる先生がいて、その先生のおかげで学校に行けていたんです。クラスが少人数だったり苦手なものがあったりして、それが耐えきれなくて逃げた経験が今までにもあったので、島田の気持ちが分かるというか。だから「この役は私しかできないんだ」という思いが覚悟につながった感じですね。
──島田は先生に恋心を抱く役柄ですが、どのようにして役作りをしていますか。
私はアニメが好きなんです。高校生が出てくる恋愛系のアニメを見ていても、私が好きになるのは先生のキャラの方が多いので、年上にひかれる気持ちは分かります。元々、年上や先生に恋するキャラクターを演じてみたい気持ちはあったので、アニメやドラマを見て、いろんな先生の役柄を見て、「この先生だったら、こういうところを好きになるんだろうな」というのを分析していました。
今回も「私が好きになる先生の良いところはこういうところで、こういうことを言ってくれたから島田は先生に恋心を抱いたんだろうな」というのを、「なんで恋心を抱いたのか」「それは本当に恋心なのか」を考えながら役作りをしました。
──メインの生徒役では最年少ですが、共演者の皆さんとはどのようにコミュニケーションをはかっていますか。
自分から話しかけようと頑張ってはいるんですけど、自分から話しかけるのはそこまで得意ではなくて、生徒役の皆さんが話しかけてくださいます。島田が保健室登校をする役なので、生徒役の方とお話しする機会がなかなかないんです。お会いできた時に、「保健室での撮影どう?」「全然こっちの撮影に来てないけど、話せてないよね」と話しかけてくださって、そこから話が広がる感じでコミュニケーションを図っています。
──撮影中、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
私の中で、「分からないことを曖昧な状態にしておくのは良くないことだ」と思っていたんですね。演技をしていく中で自分の気持ちが決まっていないまま、演じるのは良くない、その役に対して失礼だと思っていました。
でも、台本の読み合わせを監督とさせていただいた時に、私が感じたことや考えたことを一つに絞らないで、いろんなものに触れてほしいと言っていただいて。「演技には正解がないから、“これはこうだよね、でもこれもこうだよね”というのをこれから話していって、ちょっとずつ“島田聖菜”という役をつくっていこうね」と、監督から話がありました。その時に、自分が抱いていた演技の価値観がガラッと変わりました。
──「曖昧でもいいんだ」みたいなことですか。
「曖昧でいいんだ」というのもそうなんですけれど、「自分が感じたものを否定しない」というのが正しいですかね。「自分はこう考えるけれども実際はこうだし、じゃあこっちは違うな」じゃなくて、「こういう考えもあるよね、だから間を取ったらどうなるかな」とか、自分の思ったことや感情を否定しないで、自分の中に留めて新しい引き出しを作るというイメージです。
──監督とのお話しをきっかけに、撮影に対する気持ちの作り方や臨み方に変化はありましたか。
そうですね。これから島田聖奈菜がメインになる回の撮影が始まるのですが、その前にメインの話についてお話した時に監督から言っていただいて。今まで1、2話を撮っている中で、「“島田聖菜”ってこれで合っているんだよね」という不安もありました。でも「これで合っている、私が不安に思ってる感情は全部気のせいだ」と押しのけて「合ってる、大丈夫」と思うようにしていました。監督とお話ししたことで「いろんな感情があっても大丈夫だったんだ」と気付けて。「島田聖菜を演じきれる」と覚悟を決めることができました。
──視聴者の方へメッセージをお願いします。
初めての連続ドラマのレギュラー出演かつ学園もので至らない点とかあるかもしれませんが、温かく見守っていただけたらなと思います。皆さんに楽しんでいただける作品になるように、精一杯がんばります。
取材・文:宅野美穂
都内在住のライター。主に、インタビュー記事を執筆。本とゲームと音楽が好き。