齊藤京子×水野美紀 W主演『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』第2話 レビュー
第1話で娘の優奈(大友花恋)を死に追いやったママ友たちに復讐(ふくしゅう)するため全身整形で25歳の新米ママ・レイコ(齊藤京子)に生まれ変わった55歳の玲子(水野美紀)。
第2話では、いよいよ玲子の捨て身の復讐劇がスタートする。
玲子は隣に住む女性から虐待されていた少年・空(佐藤大空)を金で引き取り、自分の息子に仕立てて、よつばの森幼稚園に潜入。優奈を執拗(しつよう)にいじめていた国会議員の妻でボスママの沙織(新川優愛)率いるママ友グループに接近。
沙織の傲慢さにイラつきながらも逆らえず、SNSで人気女優の悪口を書き込んではストレスを発散させていたグループの一人、葛西恵美(小林きな子)を第一のターゲットに決める。
▶女に「若さ」を求める男社会をぶった斬る!
一人目のターゲット・恵美が夫の春真(笠原秀幸)が若い女と浮気した過去からすべての若い女に敵意を抱き、春真が優奈にデレデレ鼻の下を伸ばしていたことを逆恨みしていた事実を知った玲子。
恵美の“若さへの激しい憎悪”を目の当たりにし、全身整形で手に入れた「若い肉体」を使って復讐すべく、春真が通うガールズバーで「レイナ」として働き始める。
積極的にアプローチしてくる「レイナ」に、たちまちゾッコンになる春真。
「レイナちゃん聞き上手、若いのにすごいね!(だって中身はおばさんだから…)」
「ずいぶん(目の距離が)遠くない?(老眼もきているし)」
「お裁縫上手ー!(何年、家事をしていると思うの?見た目は若くても中身は55歳、ヒールは拷問と同じ)」
春真のデレデレに対するレイコの中身・玲子が空虚な表情で淡々と返す心の声がヤバすぎる!たとえ全身整形で若くなって男にチヤホヤされても、最愛の娘を失った玲子の心は1ミリも動かない。
むしろ、若い女をチヤホヤして女同士をいがみ合わせる“男性優位の社会”が悪いのだと言わんばかりに、冷徹に春真を復讐の道具に仕立てる。
本ドラマは単なるママ友いじめ復讐劇ではない。往年の女優が再生医療で美貌を手に入れるデミ・ムーア怪演の映画『サブスタンス』さながら、女に若さを求め続ける男性社会への復讐劇でもあるのか!?
▶過激すぎて笑える!?シュールな演出
第1話をご覧になった方はとっくにお気づきだと思うが、本ドラマ最大の魅力は、過激&ドロドロすぎて笑いを呼ぶ、振り切れた演出に他ならない。
第2話でもボスママの沙織(新川優愛)が亡き優奈の悪口でヒートアップするあまり「バボ!」と叫ぶシーン(なぜ韓国語!?しかも「馬鹿」という日本語訳とハングルの字幕付き!)
あるいは恵美がSNSに「氏ね 氏ね 氏ね 氏ね 」と女優の悪口を投稿、レイナにアプローチされてウッキウキの春真をドアの隙間から恨めしげに盗み見るるシーンなど、伝説の昼ドラ『牡丹と薔薇(ぼたんとばら)』(2004年東海テレビ・フジテレビ系)を彷彿(ほうふつ)させるシュールな演出がてんこ盛り!
なかでも、本話最大の見どころが映画「タイタニック」のようにレイナが後ろから春真の両腕を広げるシーン。
その詳細と結末は放送を見てのお楽しみだが、今の時代、誰もが一歩間違えばやらかしかねない事件だけに、失笑と同時にゾゾッ。いやいや、リアルではこんなん絶対あり得ないけれど…(笑)。こういうシュールさこそがフィクションの醍醐味(だいごみ)だよな~とうれしくなる。
▶成瀬が手術した「レイコの顔」の秘密とは…?
第1話で玲子に「死ぬくらいなら、生まれ変わったらどうだ」と全身整形を持ちかけた闇医者の成瀬(白岩瑠姫)。
第2話では玲子がガールズバーに働きに出る間、空と過ごす様子が描かれた。「俺は治療しにきてるんだ。子守りしてるんじゃない」と憎まれ口をたたきながらも空と遊び、玲子の作った煮物を食べてしんみりと何かを思い出す。
クールな謎の男と思いきや、なんかキャラがブレている?という気がしなくもないが、その意外性にホッコリ♡
第2話では、成瀬がレイコとそっくりの女性の写真を眺めるシーンも登場。その女性は何者で成瀬とどんな関係なのか?成瀬が玲子に整形を施した理由とは?もしや彼も誰かに復讐を企てているのか?
新たな謎が加わり、重層的に響き合うストーリーにワクワクせずにいられない。次回のターゲットはレイコに不信感を抱いている教育ママ・細川理佐子(峯岸みなみ)。玲子は彼女にどんな残酷な(ある意味、笑える)手段で復讐するのか?リアルタイム視聴しながら見守りたい!
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