ヒナタ(関水渚)、絶体絶命の犯行部屋へ——。横山裕主演『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』第4話、明かされる狂気の動機とバディとしての絆

ヒナタ(関水渚)、絶体絶命の犯行部屋へ——。横山裕主演『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』第4話、明かされる狂気の動機とバディとしての絆
手に触れると、その人物が殺した人数が見える——。そんな異能を使ってシリアルキラー(猟奇的連続殺人鬼)を見つけ“謎の通報者”として警察に伝える黒井ヒナタ(関水渚)と、婚約者をシリアルキラー に奪われた刑事・磯貝史郎(横山裕)が秘密裏にタッグを組み、日常に潜む猟奇殺人犯を追っていく水ドラ★イレブン『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(カンテレ・フジテレビ系/毎週水曜 午後11:00)。7月22日、第4話が放送されました。

12人もの命を奪ってきた鷲頭リサ(田鍋梨々花)を発見したふたり。“へそピアスをつけた女性”をターゲットにしている可能性が浮上したことから、ヒナタは自らへそピアスを開け、オトリになることを決意しました。第3話のラスト、ヒナタは思いがけずリサと鉢合わせ。本来なら磯貝と連携したうえでオトリになりたかったところですが、ヒナタのへそピアスに気づいたリサは、もう止まってはくれません。そんな絶体絶命の状況に磯貝は気づき、ヒナタを救い出しながらリサを捕らえることができるのか、注目が集まる第4話です。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』4話 磯貝史郎(横山裕)


(以降、第4話のネタバレを含みます)

◆オトリになったヒナタ、磯貝は小さな手がかりを拾えるか

リサに連れられていくヒナタは、こっそり磯貝に電話をかけた状態で、彼女との会話のなかに、現在地の手がかりを紛れ込ませていきます。一方の磯貝はその電話からヒナタがリサと行動を共にしていることを察知し、ヒナタからのわずかな情報を頼りに走り出します。リサのマンションにたどり着いた磯貝は、前回突き止めた暗証番号で部屋に入りますが、そこにふたりの姿はありません。部屋は合っているはずなのに、ヒナタはいない。焦りが募るなか、磯貝は電話口でヒナタが口にした「ライト、かわいい」という言葉を思い出します。

ヒナタが連れ込まれたのは、リサの自室とは別に用意された犯行部屋でした。ヒナタは手足を拘束され、首元にナイフを突きつけられます。それでも彼女は、ただ怯(おび)えるだけではありません。「いつから、こんなことしだしたの?」と問いかけ、リサの過去の犯行について追及し、少しでも情報を引き出そうとします。

そして、ヒナタの「ライト、かわいい」という言葉と、外から見えるリサの家の「ピンク色の灯り」のつながりに気が付いた磯貝は、リサの自室とは違う“もう一つの部屋”へたどり着きます。ヒナタが内鍵を開けておいたこともあり、磯貝はリサの凶行寸前で部屋へ突入。ヒナタが残したサインと、磯貝の推理力が噛(か)み合い、ぎりぎりのところでヒナタを救い出し、リサの確保につながりました。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』4話 黒井ヒナタ(関水渚)

◆“へそピアスが欲しかった”——リサの真実が突きつける不気味さ

リサを捕らえたあと、磯貝は彼女が7人を殺したと考えます。しかし、ヒナタだけはそれが違うことを知っています。リサに触れたとき、彼女には「12」という数字が見えていたからです。ただし、磯貝に異能のことを話すわけにはいかない。ヒナタは「まだ、いる」と言い、リサの犯行を示すものとして過去の日記を探し始めます。

見つかった2025年以前の日記には、まだ明るみに出ていない被害者につながる記録が残されていました。そして、最初の被害者がリサの母親だったことも判明します。取り調べでリサが語った理由は、あまりにも異様でした。母親への恨みや怒りではなく、欲しかったのは母親のへそピアス。寝ている間に引きちぎってもよかったけれど、痛がられるのが面倒だったから殺した——。

そこには、分かりやすい復讐(ふくしゅう)も、葛藤も、罪悪感もありません。ただ「欲しい」という感覚だけで、人の命を奪ってしまうのです。第2話でリサが“普通の顔をしたシリアルキラー”として現れ、第3話で彼女なりの選別基準が見え始めましたが、第4話で明かされた真実は、その不気味さをさらに深めるものでした。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 リサ(田鍋梨々花)

◆ぶっきらぼうな言葉でつながる、磯貝とヒナタの共犯関係

リサの事件を経て、磯貝とヒナタの関係にも少し変化が生まれます。ヒナタは異能のことを磯貝に打ち明けてはいませんが、過去の事件を共有するのです。ヒナタがリサの2025年の日記を見て反応した日付——2025年7月15日。1年前、その日にヒナタの姉・黒井アキ(樋口日奈) は失踪していました。けれどヒナタは、姉が自分の意思で姿を消したとは思っていません。電話越しに聞いた「助けて、ヒナタ」という声。そのあと届いた「東京を離れて一人で生活します」という不自然なメッセージ。ヒナタは警察に訴えたものの、事件として扱ってもらえなかったのです。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』2話 黒井アキ(樋口日奈)

婚約者を奪われた磯貝と、姉を奪われたヒナタ。ふたりに共通しているのは、大切な人をシリアルキラーに奪われたかもしれないという痛みだけではありません。自身の主張を、警察に信じてもらえなかったという怒りも重なっています。だからこそ、磯貝の「許さなくていい」「見つけよう」という言葉は、ただの慰めではありません。同じ境遇に身を置く立場だからこその言葉として響きました。

さらに印象的だったのは、磯貝の不器用な優しさです。「簡単に言うな。死ぬとか、殺してくれるとか」「共犯だからな。あんたが死んだら、あんたがやった分の通報もかぶんなきゃいけなくなる」。言い方はぶっきらぼうですが、ヒナタに自分の命を軽く扱ってほしくないという、バディとして大切に想う気持ちが伝わってきました。

そんな風に、第4話では、磯貝の観察力がより頼もしく映りました。ヒナタが発する小さなヒントから、彼女が抱える痛みや想いにさりげなく寄り添う。横山裕さん演じる磯貝の、細やかなまなざしや声色が効いていました。一方の関水渚さん演じるヒナタも、強気な軽口を叩(たた)きながら、ふと見せる表情からは淋(さみ)しさや心細さが感じられます。それぞれキャラクターに深みが増し、より彼らの共犯関係から目が離せそうにありません。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』4話 黒井ヒナタ(関水渚)

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』4話 磯貝史郎(横山裕)

◆“謎の通報者は2人以上”——追う側から追われる側へ

第4話のラストでは、磯貝とヒナタの行動が別のリスクを呼び込んでいることも示されました。池袋南署では、“謎の通報者”の存在がいよいよ無視できないものになっています。警視庁・捜査一課から駆り出された鶴岡 楓(山崎紘菜)は「謎の通報者は2人以上いる可能性があります」と見立てるのです。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』3話 鶴岡楓(山崎紘菜)

磯貝とヒナタは、シリアルキラーを捕まえるために動いています。けれど、その方法は警察の正規ルートではありません。ここから面白くなりそうなのは、ふたりがシリアルキラーを“追う側”であると同時に、謎の通報者として警察から“追われる側”にもなっていくところです。シリアルキラーを探し、危険な人物に近づき、捕まえる。一方で、警察もまた謎の通報者の正体に迫っていく。単純に次の猟奇殺人犯を追うだけではない、二重の攻防が始まりそうな気配があります。

次に姿をあらわすのは、どんなシリアルキラーなのか。そして、磯貝・ヒナタの“謎の通報者”バディは、警察からの疑いの目をどうかわしていくのか。ますます目が離せそうにありません。

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』4話 磯貝史郎(横山裕)、黒井ヒナタ(関水渚)

文:鈴木まこと
編集プロダクション・広告制作会社で編集・ディレクター・ライターとして活動。年間100本以上観るほどドラマ好きで、エンタメライターとしても執筆中。
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