鬼塚英吉(反町隆史)の周りで繰り返された光景。ドラマ『GTO』第3話で光った演出の巧みさ
主演・反町隆史が型破りな伝説の教師 “ GTO (グレート・ティーチャー・オニヅカ) ” を演じ、第1話、第2話ともに大きな反響を呼んでいる『GTO』(毎週月曜 午後10:00~/カンテレ・フジテレビ系全国ネット)。その第3話が8月3日に放送されました。
第2話では、マスゲーム部を作りたいという生徒・伊藤結(稲垣来泉)のために、元暴走族教師・鬼塚英吉(反町隆史)が奔走。結のクラスメイト・片山健太(森本陸斗)も賛同し、部の立ち上げに向けて動き出します。しかしほかのクラスメイトは、鬼塚、結、健太に対して無関心。結は、マスゲームをやりたい理由を明かしますが、その思いも届かず、そうした状況に嫌気がさして退学を決意。しかし鬼塚は「失敗したって、後悔したって、がんばるしかないんだよ」と背中を押し、さらに副担任・柏原実央(生見愛瑠)らのサポートもあり、結は再出発することに。
そして第3話では、鬼塚が生徒・吉田歩夢(川口和空)の淡い恋心を知り、奮闘します。歩夢が想いを寄せるのは、クラスメイトの若槻琴音(梶原叶渚)。しかし琴音は「恋愛はコスパが悪いし、面倒くさいことばかり」「そんな無駄なエネルギーを使ってる暇あったら、本読んでいた方が全然いい」と、恋愛をすることを拒否。それでも歩夢は、鬼塚、健太、結の協力を得て少しずつ琴音と距離を縮めていきます。
そして第3話では、鬼塚が生徒・吉田歩夢(川口和空)の淡い恋心を知り、奮闘します。歩夢が想いを寄せるのは、クラスメイトの若槻琴音(梶原叶渚)。しかし琴音は「恋愛はコスパが悪いし、面倒くさいことばかり」「そんな無駄なエネルギーを使ってる暇あったら、本読んでいた方が全然いい」と、恋愛をすることを拒否。それでも歩夢は、鬼塚、健太、結の協力を得て少しずつ琴音と距離を縮めていきます。
『GTO』第3話 梶原叶渚、川口和空
職員室での“三角形の会話”の構図の意図とは?
第3話は、人物の配置やカメラの構図を含めた場面作りがあまりに見事で、感嘆しました。
特に素晴らしかったのが序盤の職員室の場面。鬼塚が柏原に、生徒が教師を評価するフィードバック制度について相談。鬼塚は生徒の誰かが、自分に低評価を付けるよう周囲を扇動しているのではないかと疑っていました。ちなみに鬼塚と柏原は画面の左右に分かれて机に着き、正面を向いたまま話しています。そんな鬼塚と柏原の間(構図の中央奥)には職員室の出入り口が見えます。そして、鬼塚と柏原の会話に割って入るように琴音が入室。「柏原先生に相談がある」と、柏原と別室へ向かいます。
取り残された鬼塚は一つ離れた席にいる英語教師・小泉望都子(高橋メアリージュン)の方へ椅子ごとスライド移動し、「小泉先生、なんだと思います?」と尋ねます。そんな鬼塚と小泉の間(構図の中央奥)には、数学教師・阿部郁人(市川知宏)が座っています。阿部は「男性教師は不用意なことは言えないし」と会話に加わり、女子生徒ならではの悩みに男性教師が向き合う難しさについて言及します。さらに世界史教師・村山春樹(夙川アトム)が加わって自身の家庭事情を例に挙げ、続いて教頭・中丸浩司(近藤芳正)が画面外から鬼塚と小泉の間へ現れ、鬼塚の言動を注意します。
特に素晴らしかったのが序盤の職員室の場面。鬼塚が柏原に、生徒が教師を評価するフィードバック制度について相談。鬼塚は生徒の誰かが、自分に低評価を付けるよう周囲を扇動しているのではないかと疑っていました。ちなみに鬼塚と柏原は画面の左右に分かれて机に着き、正面を向いたまま話しています。そんな鬼塚と柏原の間(構図の中央奥)には職員室の出入り口が見えます。そして、鬼塚と柏原の会話に割って入るように琴音が入室。「柏原先生に相談がある」と、柏原と別室へ向かいます。
取り残された鬼塚は一つ離れた席にいる英語教師・小泉望都子(高橋メアリージュン)の方へ椅子ごとスライド移動し、「小泉先生、なんだと思います?」と尋ねます。そんな鬼塚と小泉の間(構図の中央奥)には、数学教師・阿部郁人(市川知宏)が座っています。阿部は「男性教師は不用意なことは言えないし」と会話に加わり、女子生徒ならではの悩みに男性教師が向き合う難しさについて言及します。さらに世界史教師・村山春樹(夙川アトム)が加わって自身の家庭事情を例に挙げ、続いて教頭・中丸浩司(近藤芳正)が画面外から鬼塚と小泉の間へ現れ、鬼塚の言動を注意します。
『GTO』第3話 反町隆史、生見愛瑠、近藤芳正
なんてことのない職員室でのやりとりなのですが、鬼塚が隣にいる“誰か”と話していると、もう一人の“誰か”が二人の間や中央奥から加わり、会話と人物配置が“三角形”を作るのです。さらに様々な人物が横移動を繰り返しながら、次々と鬼塚の会話に参加します。それでも、やりとりは常に三者の間でラリーしていきます。
なぜ、このような一定の法則を持つ会話形式と構図が用いられたのでしょうか。
なぜ、このような一定の法則を持つ会話形式と構図が用いられたのでしょうか。
戯曲にも重なる、歩夢と琴音のささやかな恋愛ドラマ
『GTO』第3話 川口和空
これはあくまで筆者の推察なのですが、この職員室での印象的な構図は、その後“中央”で繰り広げられる出来事に視聴者を誘導するため、伏線的に仕掛けられたものなのではないでしょうか。
その出来事とは何か。ここからはネタバレになるので、第3話をご覧になっていない方はお気をつけください。
その出来事とは何か。ここからはネタバレになるので、第3話をご覧になっていない方はお気をつけください。
『GTO』第3話 梶原叶渚
その出来事とは、自分の気持ちが届かないことを理解した歩夢が、琴音に対して「いい人、見つけてね」と告げるもの。そうした歩夢と琴音のやりとりを、教室の外から見守る鬼塚と柏原。その構図は職員室での序盤の会話と似ていて、教室の出入り口の左側から鬼塚、右側から柏原がのぞき込み、その中央奥で歩夢と琴音が向き合っているのです。教室の出入り口が画面のフレームの役割を果たし、その奥で繰り広げられる歩夢と琴音のささやかな恋愛ドラマを印象づけています。
ちなみに第3話では、一時的に歩夢と琴音が距離を縮めるきっかけとなる本『シラノ・ド・ベルジュラック』が登場します。同作は、男性の切ない恋心を描いた戯曲です。歩夢の恋を、そんな『シラノ・ド・ベルジュラック』になぞらえて見せたとも言えるかもしれません。
職員室で何度も繰り返された“三角形”の会話と構図が、終盤の歩夢と琴音の恋愛の場面につながった点に、今回の『GTO』の緻密さが感じられました。
ちなみに第3話では、一時的に歩夢と琴音が距離を縮めるきっかけとなる本『シラノ・ド・ベルジュラック』が登場します。同作は、男性の切ない恋心を描いた戯曲です。歩夢の恋を、そんな『シラノ・ド・ベルジュラック』になぞらえて見せたとも言えるかもしれません。
職員室で何度も繰り返された“三角形”の会話と構図が、終盤の歩夢と琴音の恋愛の場面につながった点に、今回の『GTO』の緻密さが感じられました。
『GTO』第3話 反町隆史、生見愛瑠
文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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