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「三瓶先生、頼っていいですか?」杉咲花の覚えていたい記憶とは?若葉竜也とのやり取りが最高

2024.05.27

「三瓶先生、頼っていいですか?」杉咲花の覚えていたい記憶とは?若葉竜也とのやり取りが最高
ミヤビ(杉咲花)が過去にてんかんの発作を起こしていたこと、それを大迫(井浦新)が隠していたこと、てんかん発作は起こらないが記憶障害が残る量の薬を処方されていることなど、衝撃の事実が判明した前回。ミヤビは抗てんかん薬を増やし、途切れ途切れではあるものの、前日の記憶を思い出せるようになりました。本人はもちろん、丘陵セントラル病院の同僚たちもみんな喜んでいました。しかし、三瓶(若葉竜也)だけはどこか浮かない顔をしています。

一方で、ミヤビには記憶がすり替わる「記憶錯誤」という症状が出てしまいました。インド料理のチラシをもらったのにイタリアンだと記憶していたり、行きつけの居酒屋「たかみ」で出してもらった料理、どれを店主が作ってどれをおかみが作ったのか混同してしまったり……ついには患者を取り違えそうになってしまいました。

これまでなかった症状に戸惑うミヤビ。記憶が少し回復したことはうれしいのですが、せっかく再びやりはじめた脳外科医の仕事に支障が出てしまうのは困ります。星前(千葉雄大)も「ミヤビちゃんの薬の量だけど。元に戻さなくていいのかな」と三瓶にこぼしますが、三瓶は「記憶は仕事のためだけにあるわけじゃありません」と返します。
先ほども話題に出たミヤビたちの心のオアシス、居酒屋「たかみ」。店主の高美武志(小市慢太郎)はいつもおいしい料理を振る舞ってくれるだけでなく、「ミヤビちゃんはこれやろ」というように、それぞれの好きなメニューを覚えていて出してくれます。10年くらい店に来ていなかった津幡(吉瀬美智子)の好きだったものまで、ちゃんと覚えていたのには感動しました。

しかし前回三瓶が指摘した、料理の味がいつもより濃い状況が続いていました。料理の味が変わるのには病気が原因となる場合もあるため、ミヤビの勧めで検査を受けることに。結果、脳に髄膜腫(ずいまくしゅ)という腫瘍があると判明。腫瘍自体は良性ですが、その影響で嗅覚が落ち、味付けに影響していたようです。

手術はできるものの、腫瘍と嗅覚に関係する神経がくっついているため、手術が成功しても嗅覚を失う可能性が高いとのこと。しかし腫瘍をそのままにしておくと命に関わる危険があるため、ミヤビは手術を勧めます。料理人としてどちらを選ぶか悩む高美。彼が修行しているときから見守ってきた、おかみであり妻の香織(阿南敦子)も、彼の気持ちがわかるだけにつらそうです。二人の夫婦愛が印象的な回でした。
手術を受けることに決めた高美。明るく「おかみが味付けをするから嗅覚なんか持っていってくれや」と言いますが、前日に「もし匂いがわからんようになったら——、料理人、やめてもええか?」と香織に言います。泣きながら「あんたの好きにしたらいいよ」と答える香織。一番好きな匂いを聞かれ、高美は「鰹節の匂い」と答えました。

修行時代に鰹出汁の味をめぐって親方とケンカしたこともあったほど、思い出深いようです。手術当日、さらに鮮明に当時の記憶を思い出した高美は男泣きし「ちょっとでもええから、匂いを残しといてくれ」と頼みます。これには香織も号泣。見ているこちらももらい泣きしてしまいました。

脳の病気や後遺症によって仕事に支障が出てしまったのは、ミヤビも一緒です。続けるのも辞めるのもその人の自由で、どちらを選んでもいい社会であってほしいと願わずにはいられません。ミヤビにとって、覚えていたい記憶は何なのだろう?とも思いました。

手術では、三瓶とミヤビの二人が執刀。手術中、ミヤビは大迫の前で手術の練習をし、手先の器用さを褒められたことを思い出します。目を見開く様子に心配になりましたが、手術は無事に成功。そしてなんと、嗅覚も無事でした。本当に良かった……。

前回「そんなにミヤビちゃんが心配?」と声を荒げた麻衣(生田絵梨花)の様子が気になる綾野(岡山天音)。麻衣をランチに誘いますが、そこにミヤビの症状を告げる星前からの電話が。ミヤビは笑顔で大丈夫そうに振る舞いますが、もちろん心中は複雑。内心を隠しがちな二人はやっぱり似たもの同士です。
後日家族で食事していた麻衣は、祖父や父が綾野病院をグループの傘下にしようとしている本当の理由を知ります。実質乗っ取りと変わらないもくろみに戸惑いますが……。
実家に帰った綾野は、カテーテルの専門医になる際に父と対立したことを思い出します。さらに、麻衣が母へ手紙や父の好物を送ってきてくれていたことを初めて知りました。
麻衣は綾野から離れる決意を固めたようですが、今更ながら意外とお似合いな気がしてしまいます。

「季節とか街並みとか、変化するものをちゃんと感じられると、昨日と今日は繋がってるんだな〜ってうれしくなります」と痛感したミヤビ。二人で土手を歩きながら「三瓶先生、頼っていいですか?」と聞くシーンが最高でした。「一緒に闘いましょう」と答える三瓶も素敵。

高美の快気祝いで飲み会をしていた丘陵セントラル病院の面々。ミヤビはふいに「僕たちは婚約していました」という、三瓶の言葉を思い出してしまいます。次回、どうなるのでしょうか……?
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文:ぐみ
熱量高めなエンタメライター・編集。ドラマ・映画・アイドル・アニメなどのコラムやレビュー、インタビューを執筆中。
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