食べてみよか

「発酵いちご」ってナニ?京都の自然派アフタヌーンティー

2025.02.02

「発酵いちご」ってナニ?京都の自然派アフタヌーンティー
京都市東山区、京都国立博物館の近くにシックスセンシズ 京都というホテルが2024年4月にオープン。
ホテルで飲料水を作ったり、ハーブや野菜を育てたり、レストランで出た食材の残りを乾燥させてスパプロダクトに使用したり、石鹸を作ったりと柔軟なアイデアでサステナビリティを実践する都市型の自然派ラグジュアリーリゾートです。
そのホテルのオールデイダイニング「SEKKI(節気)」で提供されるアフタヌーンティーが話題なのをご存知でしょうか。
日本には一年を24の期間に分け、移ろいゆく季節を表した「二十四節気」があることにちなんで、このホテルでは1年間に24種類のアフタヌーンティーが提供されています。ということは2週間に1回はメニューが変わり、2025年2月3日~17日は「暦アフタヌーンティ ー立春メニュー」としてこの期間限定の構成となっています。

暦アフタヌーンティー 立春メニュー(2月3日~17日)※写真は2名分
発酵いちご羊羹/ラムレーズンチョコ浮島/チョコいちご大福/酒粕ヘーゼルナッツチョコサンド/立春の上生菓子(京菓子司「亀屋良長」作)/いちご寿司/牛ほほのバルバコア/甘鯛のいちごギモーブ/ゆり根のグラタン/白みそスコーン/発酵いちごとカカオのスコーン/あまおういちごジャム/甘酒クリーム

このアフタヌーンティーを手掛けるのはペストリーシェフの横田怜子さん。海外のホテルでパティシエとして活躍する一方でミシュランレストランでの修行経験もあり、ジャンルレスなアイデアが一品ごとに光ります。
このホテルは「自然派」というだけあって、天然由来の食材を用いることにこだわります。横田さんは伝統的な発酵技術や天然甘味料を取り入れ、おいしいだけでなく体に栄養を与えるヘルシーさをコンセプトにメニュー作りをしています。
グルテンフリーで、京都府内のオーガニック野菜やホテルに隣接する畑で育てているハーブなどを食材とし、京都の麹室から取り寄せる麹で作った様々な自家製発酵調味料を使うことで、ヘルシーだけれども多様な味わいを楽しめるスイーツとセイボリーを生み出します。

シックスセンシズ 京都・横田怜子ペストリーシェフ

イチゴとカカオを中心に組立てられた立春メニューの中で特に目を引くのが「発酵いちご」や「いちご寿司」といったワードです。「発酵いちご」は砂糖と蜂蜜と合わせてイチゴを発酵させることでフレッシュさとは別のうま味を引き出したものだそうです。乳酸菌の力で腸活にもなるとか。また、旬の短い食材を発酵させることで常温長期保存ができる利点もあるそうです。
「発酵いちごの羊羹」の上に乗っているイチゴを口に入れると、レアドライフルーツのような、しっとりしているけれどイチゴのうま味がギュッと凝縮された濃厚なフレーバーが口いっぱいに広がります。レモンゼストとレモン汁が入った白あんのようかんの上には発酵いちごを寒天で固めたようかんを重ねます。くちどけが滑らかで甘さ控えめ、発酵いちごをじっくりと楽しめる味わいです。

発酵いちごの羊羹

「いちご寿司」はあまおうイチゴ、キュウリ、ミョウガとサワークリームを一緒に酢飯で巻いたお寿司です。 サワークリームの濃厚なまったりとした風味と、イチゴの酸味と相性が良いお米の甘さを味わえる一品です。
横田さん曰く、イチゴの甘酸っぱさは、野菜、魚、肉とも相性が良くて、すっきりとした味わいを演出するのに最適なんだとか。

いちご寿司

その特徴を生かした別のメニューが「甘鯛のいちごギモーブ」。焼いた甘鯛のピューレとドライイチゴを共にほうれん草で巻き、その周りをギモーブで包んだ一品です。 ギモーブというと果汁を使ったマシュマロのようなお菓子をイメージしますが、見事に裏切られます。ギモーブには、実は魚のだしとイチゴをピューレにしたものが使われており、シュワっとしていて、イチゴの甘酸っぱさと共に魚のうま味を味わえる一品です。見ためがデザートみたいでかわいいのですが、和とフレンチが見事に融和された唯一無二の世界観が口の中に広がります。

甘鯛のいちごギモーブ

横田さんを中心としたチームで作り上げるアフタヌーンティーは、自然の変化を感じ取りながらメニューを構成しています。またサステナブルな観点から、海外から輸入したものは極力使わず、できるだけ地産地消を目指してローカルなものを使用します。2週間ごとにメニューを変えるのは大変なんじゃないかと思いますが、横田さんは「本当にこの2週間に1度というのはあっという間ですが、生活の中で二十四節気という言葉を意識していると、季節の移ろいに敏感になってきて、自然の中の小さな変化を見て取れるようになったことが大きな喜びになっています。グルテンフリーという縛りの中で作っているので使える食材が限られるかのように思われるかもしれませんが、本当に旬のものを無理なく使うことが、メニュー開発していく上ですごく楽しいです」と語ります。

暦アフタヌーンティー 立春メニューのスイーツ(2月3日~17日)

この「暦アフタヌーンティー」は前日までに予約が必要で、2日前までの予約ならヴィーガン対応も可能ということです。
イチゴをふんだんに使った「立春メニュー」は2025年2月3日(月)~17日(月)までの15時から17時30分。料金は一人6,900円(税・サ込み、ティーフリーフロー込み)。
「カカオ&ローズ マルチバーム作りワークショップ」(2~3月限定)付きパッケージプランは一人13,200円(要予約、消費税・サービス料15%を含む)で用意されています。
予約は電話(075-531-0732)もしくはウェブ(https://www.tablecheck.com/ja/shops/sixsenses-kyoto-restaurant-sekki/reserve?menu_lists[]=665fcbaeca3cad5d2de3aa6f)で。
シックスセンシズ 京都
京都市東山区妙法院前側町 431
075-531-0700(代表)
https://www.sixsenses.com/jp/kyoto
 
   
miyoka
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